花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

学年の枠を超えて

2023年01月12日 | 研究
こちらは2016年のTEAM FLORA PHOTONICS。
以前、馬肉の食べ放題の食レポを紹介しましたが、そのチームです。
これは彼らがまだ2年生の時の活動の様子。
彼らがいるのはなんと名農の調理室です。
実はフローラは、食に関する研究にも取り組んでいて
この時は、オリジナルトマトピューレ作りに励んでいました。
ぜひ市販されているトマトピューレの表示を見て欲しいのですが、
材料である食材にはトマトとしか書いていません。
農業を学んでいる名農生は、トマトにはとんでもなくたくさんの品種があり
品種によって果肉の色や味、成分まで違うことを知っています。
もし品種名をきちんと表示したピューレを作れば、
好みの甘みや酸味を選べるようになるので
消費者は選択肢が増え、食卓も華やかになると考えたのです。
これアイデアをビジネスプランのコンテストに応募したところ、受賞し大好評。
そこで、ぜひ名農祭で皆さんに食べてもらおうと、放課後に集まって作っているのです。
でも2016年の2年生は女子が1人のはず。しかしここには2人います。
実は左の彼女は3年生のフローラメンバー。
彼らにとって頼もしい姉貴が一緒に活動してくれているのです。
これで分かるように2〜3年生が揃っていた頃のフローラは
学年を超えてよく一緒に活動しました。まさに学年を超えたチームだったのです。
このような活動をしているので、フローラは部活動ではなく
単なる授業だと説明しても、皆さんなかなか信じてくれませんでした。
そんなフローラも年が明け、2023年度も存続すると結成15年目となります。
冒険旅行は今年度でおしまいなのか、はたまたまだ旅は続くのか。
答えは女神 FLORAだけが知っています。
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ポスター#5 露天風呂栽培

2023年01月12日 | 環境システム科
こちらは何度かご紹介したホウレンソウの露天風呂栽培。
北国向き水耕栽培の新しいスタイルの提案です。
冬の寒気で露地栽培する寒じめ栽培は糖度は上がるが、
生育が極端に悪いので収穫は1回だけ。
温室や室内内を暖房で加温した水耕栽培や植物工場は生育が良いので
何度も収穫できますが、糖度や機能性成分は増えません。
この2つの中間を行くのが露天風呂栽培。温室の水耕栽培なのに暖房を切って
真冬の冷気を入れる。しかし液槽だけは10度に加温して凍らせないという方法。
すると生育も機能性成分も寒じめと加温水耕栽培の中間になります。
これなら普通栽培よりも機能性の高いホウレンソウを何度も栽培できます。
さらに実験の結果、面白いことがわかってきました。
なんと硝酸態窒素の含有量が水耕よりも寒じめよりも極端に少ないのです。
硝酸態窒素は肥料分。水耕栽培は根から肥料分をグングン吸収し体に蓄積します。
結果、成長は良いのですが結局消化しきれず残ってしまいます。
寒じめ栽培は、あまり吸収できませんが成長が、ほぼ止まった状態なのでやはり残ります。
しかし露天風呂栽培は、根が短くなり肥料分の吸収がやや少なくなります。
ところが想像以上に生育するのでどんどん消化され、
硝酸態窒素が残らないのではないかというのが彼の仮説。
健康のため硝酸態窒素の含有量を減らせと叫ばれています。
気温、作物の状態など不確定要素がたくさんあり、これだけでは仮説を
裏付けることはできませんが、今後期待できる現象を目撃できました。
でも環境班がなぜ栽培研究?と思われるかもしれませんが
彼のオチは消費電力。寒い冬、室内や温室をエアコンやボイラーで加温するよりも
液槽だけを加温したほうが電気代が安い。つまり二酸化炭素排出量も大幅に減らせると
話をもっていったのです。空気よりも水が冷めにくいことを
うまく利用しています。沖縄の赤土流出抑制研究のリーダーの彼ですが
今回のポスターセッションでは、先日の環境系の発表会で特別奨励賞を受賞した
この露天風呂栽培を披露します。農学系の4大に進学する彼、続きは大学でどうぞ。
ちなみに栽培名の候補には「足湯栽培」もありました。
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