花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

魔法使いFLORA

2023年01月08日 | 研究
これは2012〜2013年頃の草花班時代の研究です。
古いパワーポイントの中から見つかりました。
発表テーマは「植物に魔法をかける」。
どんな魔法かといえば、草花に理化学研究所が開発した
ブラシナゾール(Brz)という薬剤を散布し、光感受性を高めてしまうというもの。
当時はまだ市販されていない薬剤で、理研と協力して農業への可能性を探っていたのです。
薄暗い中でも、光を感じるようになると長日植物では開花が早まります。
またキクのような短日植物であれば逆に開花が抑制されます。
彼女たちはいったい何日ぐらい開花に変化があるのかを探りました。
2009年に結成したTEAM FLORA PHOTONICSはLEDを駆使して
植物の生育などに影響を与え、農業に役立つ技術を次々と提案していました。
ところがこのアイデアは照明、つまり伝家の宝刀であるLEDを一切照射することなく
光を感じさせるというもの。これなら節電にもなるし光害もありません。
FLORAの究極の光マジック。だからこんなテーマになったんですね。
しかしこの研究に取り組んだのは2010年の2代目FLORAの女子メンバーです。
ではなぜ彼女たちではなく、後輩たちが発表したのでしょう。
これには理由があります。研究途中の彼女たちは東日本大震災に遭遇したのです。
サクラソウを救出しなければならないと考えた彼女たちは、すべての研究を休止。
無我夢中でサクラソウの救出、そしてマイクロバブルによる除塩活動に明け暮れます。
結局、ほぼ結果が出ていましたが、発表する機会のないまま卒業してしまいました。
そんなことで後輩たちが後で追加試験を行い、数年後に発表したというわけです。
さらに後輩たちは先輩の指導で活動したサクラソウやマイクロバブルの研究をまとめ
水の国際大会にも初出場しています。たくさんの財産を残して卒業した
2代目FLORAの幻の研究でした。
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ポスター#1 塩害抑制研究

2023年01月08日 | 環境システム科
長い長い冬休みも残るところ1週間余り。16日から3学期が始まります。
3年生のフローラハンターズは、2週間もすると授業が終わり
学年末考査となります。したがってメンバーの顔が見れるのも
考査が終わる今月いっぱいとなりました。
さてそんな彼らが飛び越えなければならない最後のハードルが
新学期すぐに行われるポスターセッションです。
ラストスタンドはチームではなく本来のスタイルである個人戦。
昨日までの仲間と真剣勝負することにしました。
そこで一足早く、彼らのポスターをご紹介します。
こちらは13代目フローラの代名詞となった塩害抑制システム研究。
昨年の夏、ストックホルムで披露した研究です。
乾燥地で発生している塩害。しかし水の確保が難しい乾燥地では
東日本大震災の時のように大量の水で洗い流せません。
そこで礫層を地下に埋設して、塩害の原因となる塩分を含んだ
地下水の上昇を食い止めることにしました。
ヒントとなったのは古墳で用いられたキャピラリーバリアです。
さらに礫層に石灰資材とわらを混ぜて、地下水を除塩処理してから
地表に届けるというフローラオリジナルの工夫も施しています。
発表するのはフローラのリーダーである女子。
1年生のJr時代から、もう1人の相棒とともに3年かけて完成させました。
やはりビッグプロジェクトは、それなりの月日がかかるんですね。
大きな成果をあげられた理由は、たったひとつ。
まだ課研のない1年生の時に「やってみたい!」とフローラに名乗り出たから。
いつだって知的好奇心とちょっぴりの勇気に勝るものはありません。
今回の発表会は、2022ストックホルム青少年水大賞日本代表、
そして環境大臣賞など数々の賞に輝いた彼女の最後の舞台。
このポスターは今年度の環境化学会で披露し、奨励賞を受賞したものです。
しかしウィークポイントもあります。学会や国際大会の聴衆者は専門家。
でも今回は下級生。いかに噛み砕いて説明できるかにかかっています。
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