花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

ドリフト

2019年05月29日 | 研究
バブルボーイズが農薬散布の実験を始めました。
最初はどれぐらい遠くの紙まで付着するか試してみる計画でしたが準備が大変そうで断念。
しかし代替案が超過激。今回はなんと二人が紙がわりになって
どこまで飛んでくる霧を感じるか体を張って試そうというのです。
したがって散布するのは農薬なしの水だけ。
すると液剤は驚くことに16m以上離れても感じるではありませんか。
農薬が飛散する実態を体で感じた瞬間です。
その次はバブルボーイズが考えた泡状散布。
こちらはなんと4mどまり。さらに60cmぐらいの高さから真下に散布すると
わずか40cmの範囲しか飛びません。
予想通り、泡にすることで飛散を抑制できることがわかりました。
実用化する際はブームスプレーヤーを使って真下に散布する計画。
従来より散布の時間はかかりますが、ほとんど飛散しないと思われます。
時短が次なる課題ですが、大切なのは健康や環境というのが彼らのメッセージのようです。
さて飛散することを英語ではドリフト(drift)といい
漂うとかあてなく移動する状態を意味します。
よく自動車で後輪を滑らせてカーブを曲がることを
ドリフト走行といいますが、これも同じです。
しかし年配の人が一番ピンとくるのはお笑いグループのドリフターズ。
フラフラする放浪者とか流れ者という意味だといいます。
バブルボーイズではなくドリフターズにすれば良かったかもしれません。
気温が高くなったこの日。まるで水遊びのような実験になりました。
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花たちの宇宙

2019年05月28日 | 学校
こちらは大きな星型の花が特徴のトマトの苗。
オオイヌノフグリが地上に咲く天の川ならトマトは巨星。
ナスやジャガイモなどナス科はなぜか
存在感のある大きな星型の花を咲かせます。
またみんなトマトのような実をつけます。
ジャガイモの実もトマトのようで面白いですよ。
さてかつて生徒たちと花のネクターガイドを撮影していた時期があります。
ネクターガイドとは蜜標とも呼ばれるもので
花が蜜のありかを植物が昆虫に示しているサインです。
昆虫は人間と違って紫外線が見えます。
そのためネクターガイドの多くは紫外線を反射したり吸収したりして
昆虫が見るとはっきりわかるように工夫されています。
写真やビデオで撮影していましたが、
欠かせないのは可視光線をカットして紫外線だけを透過する特殊フィルター。
現在はもう製造されていないフジフィルム社のものでした。
それでトマトの花を撮影するとなんと黄色の花弁に
蜜のある花中央に向かって、まさに星が輝いているように
見事なネクターガイドが浮かび上がりました。
私たちが見ている花とはまったく違う花の姿を見てみんな驚いたものです。
このビデオは「花たちの宇宙」と題して東京ビデオフェスティバルに応募したところ
見事上位入賞し、東京の表彰式に招かれたのを覚えています。
会場に行ってびっくり。なんと海外の方が半数以上。大きな国際大会だったのです。
審査された羽仁進さんや椎名誠さん、
それにお亡くなりになりました映画の大林監督と自然撮影について
いろいろとお話することができ、生徒ともども良い思い出となりました。
ちょっと面白い映像ばかりなので、
機会があったらその時の写真も紹介したいと思います。
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地上の星

2019年05月28日 | 学校
農業を歩くと作物をたくさん見ることができますが
それと同時に雑草と呼ばれる草の花も見ることができます。
これはオオイヌノフグリ。写真では露出オーバーで
花の色がとんでしまいましたが、本来なら濃い青の小花。
青の小花が畑一面に広がっているとそれはきれいなものです。
季節は初夏ですが、その青さはまるでオリオン座のβ星リゲル。
冬の空に青く輝いているかのようで
まさに地上の星と呼びたい好きな花です。
ところが授業では代表的な畑地雑草として扱います。
悪者?なのです。1年生で雑草の名前を教えますが
初めて聞いた人はなかなか覚えられないものです。
そこで名前の由来から説明するとわかりやすいのですが
オオイヌノフグリだけはちょっと厄介。
特に女生徒がいると難しくなります。
理由はもうお分かりですね。
わからない方はぜひ調べて見てください。
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オリジナルブレンド

2019年05月27日 | 研究
ハンターズの男子4名が二手に分かれて
何やら土を一生懸命かき混ぜています。
実は実験に使うための用土を自分たちで作っているのです。
彼らが求める用土のECなどがあらかじめ決まっているため
複数の土壌を事前に計算した分量でブレンドしているのですが
レーキを持つ手もなかなか慣れた様子です。
面白いことに土壌を混ぜたら今後は女子メンバーが
液肥などを溶かした水を加えます。
加えては混ぜ、混ぜたら加えと全部で5回繰り返しました。
作業を遠くから眺めているとまるで蕎麦やパスタの生地作りのようです。
このオリジナルブレンドはしばらくビニールハウス内で乾かし
1週間経ったら鉢に入れて実験を行う予定です。
今週末はいよいよ高校総体青森県大会。
生徒数が少ない名農はほとんどの生徒が参加することになります。
大規模校に匹敵する活躍は難しいのですが
春季大会では上位入賞した選手もいます。
どこかの部がキラッと存在感を見せてくれることを期待しています。
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恵みの雨

2019年05月27日 | 研究
ちょっと時間が経ってしまいましたが
日本に猛烈な雨が降り、各地で災害が起きた先週、
名久井農業高校のある南部町も朝から雨でした。
この時期はたくさんの農作業があるため
本当は実習しなければならないのですが
残念ながら雨のため実習は中止。
授業も課題研究もみんな教室で中間まとめなどを行っていました。
その中で唯一、果敢に屋外に飛び出して行ったのがハンターズ。
それには理由があります。ハンターズのフィールドは温室。
したがって雨が降っても関係ないのです。
また高校総体が近いため、これから短縮授業の連続。
思うように実験ができなくなるのがもうわかっているので
やれる時にやっておかなければ取り返しのつかないことになるからです。
これが生き物相手の研究の大変さですが、仕方のないこと。
みんな雨の中、気合いでこの日の作業場所となった
ビニールハウスに集合しました。
でもこのところ雨が降らず乾燥していた農場。
久しぶりの恵みの雨に植物は生き返ったのではないでしょうか。
さあ彼らはいったい何をしているのでしょう。

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