花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

モヤシ

2019年05月26日 | 環境システム科
貝割れ大根のような植物はおそらくレタス。
水耕栽培用として環境システム科の生徒が播種したものと思われます。
こんなモヤシのような苗でも水耕栽培ではちゃんと育つから不思議。
それも約1ケ月もしたら収穫サイズになるのですから驚きです。
ところでレタスは何科の植物かお分かりですか。
葉菜だからアブラナ科といいたいところですが、なんとキク科。
かわいい黄色の菊のような小花を咲かせます。
花が咲く前に収穫する植物なのでほとんどの人は見たことがないはず。
ぜひご自分で育ててかわいい花をご覧ください。
さてこのレタス苗、明るい部屋に置かれています。
水は与えられているとはいえ、
こんなに光を浴びて大丈夫なのでしょうか。
実はレタスは「好光性種子」といって
光に当たることで発芽が促進する特徴があるのです。
ニンジンやカブなどがこれにあたり、覆土はいりません。
よくレタスの種にいっぱい土を被せて芽が出ないという人がいますがこれが原因です。
これに対してカボチャやトマトは嫌光性種子。
光が当たらないようにちゃんと覆土しなければなりません。
同じ野菜の仲間でも特徴はいろいろ。
まさに生物の多様性です。
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時代に追いつけるか

2019年05月26日 | 学校
ネギの花です。
葱坊主と呼ばれる小花の集団が葉先に咲いています。
ネギは昔、授業でユリ科と教えていました。
ニンニクもニラもラッキョウも皆、ユリ科でした。
ところがどうでしょう。最近は違います。
いつのまにかヒガンバナ科に変わっているのです。
ちょっと調べてみると現在はヒガンバナ科の
ネギ亜科と呼ばれるグループに属しているようです。
このように科名が変更された植物は以外に多く、
そのためか授業でも最近はあまり科名を教えていないそうです。
科名の変更が起きている理由は分類分類体系が新しくなったから。
1998年に今までの花などの形態から分けていた分類法から
遺伝子で分類する新しいAPG体系に変更されたのが理由です。
農業鑑定で代表的な出題のひとつに
「この植物は何科ですか」というものがありましたが
最近はややこしくなっているのか科名を問う出題は少なくなりました。
このように指導内容が変わってきているものはたくさんあります。
例えば昔は牛やブタ、ニワトリの飼育などを教えていた動物系の学科では
今、犬や猫、小鳥などペットやトリミングなど関連技術も教えています。
また以前は考えられなかったキャンプやカヌー、
マウンテンバイクなどアウトドア系も農業学科の学習内容になり
学校によっては主力科目として指導しています。
さらに現在も地球の環境問題や農業と商業を連携させた6次産業化、
福祉や医療機関との連携など学習内容はダイナミックに変化し続けています。
先日の政府有識者会議でも高校が地域創生の人材育成を担うべきとの提言があり
今後また地域産業や文化の理解を深めるため指導内容が加わってきそうです。
大変なのは指導者。経験したことのない分野を教えなければならないからです。
科学の進歩や社会の変化は先生方に勉強のしなおしを求めています。
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厳しい夏の先にあるもの

2019年05月25日 | 
リンゴンベリー(こけもも)の花が咲き始めました。
ブルーベリーよりも1週間ほど遅い開花です。
これは昨年、チームフローラフォトニクスが
スウェーデンで開催された水の国際大会に出場したのを記念して植えたもの。
なぜなら北欧に自生していて、ストックホルムで滞在したほとんどの食事に
必ずといっていいほどソースとして添えられていたからです。
日本ではブルーベリーの方が一般的ですが
甘酸っぱく美味しいうえ、ポリフェノールたっぷりなので
これから人気になってくる食材かもしれません。
小さな実を摘み取っては加工することになりますが
草丈が30cmぐらいと低いので収穫作業はちょっと大変。
鉢植えにすれば良かったとちょっと反省しています。
さて北国生まれのリンゴンベリーはこれからが正念場。
日本の暑い夏を乗り越えなければなりません。
これはストックホルム青少年水大賞に出場する日本代表メンバーも同じこと。
今年出場するみなさんも休み返上で頑張ってもらいたいものです。
バブルボーイズたちが暑さに耐えたリンゴンベリーの実を収穫する8月下旬。
厳しい夏を乗り越えた日本代表の努力も実を結びます。
偶然ですが同じ時期。重ね合わせながら応援したいと思います。
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クモの巣

2019年05月25日 | 学校
木の枝にたくさんのクモの巣があります。
今まであまり気がつかなかったのですが
逆光で浮かび上がりました。
ひとつひとつの巣は直径15cm前後と小さなもの。
なかなかきれいな造形です。
ところでクモの巣を英語で何というのでしょう。
調べてみると「spiderweb」。
スパイダーはクモですが、
ウェブはコンピュータでお馴染みの情報通信網のこと。
その名の通り糸がネットワークのように張り巡らされています。
インターネットで使うWorld Wide Webも
そう考えると世界的に広がるクモの巣と考えることができ面白いものです。
さてこのクモの巣を嫌がる方はたくさんいます。
確かに知らないで頭から突っ込んだり、枝から取り除くのは大変です。
そんな人のためにクモの巣避けのスプレーが販売されています。
これはクモを駆除するのではなく
クモの嫌いな匂いなどをつけることで寄せ付けないというもの。
防除スプレーというより忌避スプレー。
薬剤にもいろいろなものがあるようです。
しかし農業からみるとクモは大切な益虫。
さすがに毒グモは困りますが
多くのクモは田畑の害虫を食べてくれるからです。
害虫防除を手伝ってくれるクモ。
私たちの相棒をあまり嫌わないでほしいものです。
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行列ができない花屋さん

2019年05月24日 | 園芸科学科
こちらは草花温室前にあるビニールハウス。
中を覗いてみるとご覧のとおり
たくさんの花壇苗が並んでいます。
しかし同じ花同士をまとめて並べたほうが管理しやすいのに
ここではバラバラに置かれています。
不思議に思ってよくみると、注文者名がついています。
注文された方は自動車で受け取りにきます。
もしお客様が来校されてから花を探していては
無駄に時間がかかり、長い行列ができてしまいます。
つまりこれはお客様がすぐ注文された苗を受け取れるよう
事前に注文者ごとに花を分けているのです。
こんな小さな気遣いが嬉しいですね。
さて今日は名久井農業高校恒例のイベント「環境緑化の日」。
校内の環境整備を行った後、
それぞれの出身地区にある駅など公共施設に集まり
花植えをする全校生徒、職員で取り組む名物行事です。
この行事は昭和時代に環境緑化活動の功績が認められ
内閣総理大臣賞を受賞したのを記念して設けられたもので
昔は生徒職員からポスターや標語を募集して表彰したり
全校生徒で記念植樹をしていたものです。
第二の校訓ともいえる「緑育心」もこの時に誕生しています。
現在、内容はかなり簡素化されましたが
昭和、平成、令和と時代を超えて催される
地域に根ざした最も名久井農業高校らしい活動といえます。
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