花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

縁の下の力持ち

2023年07月26日 | 環境システム科
FLORAは、園芸科学科時代を含めると今年で結成15周年。
各年、印象的なトピックが残されています。
もちろん初代は立ち上げ。そして名農にポスター発表文化を導入。
2代目は東日本大震災による塩害被害を受けたサクラソウの救出と
マイクロバブルによる除塩活動。
3代目は先輩と行った除塩活動などを引っ提げて初の国際大会出場。
では4代目は?ここで活動している女子4名が4代目全員。
もっとも人数が少なかった年です。彼女たちが行っているのは
八戸市のショッピングセンターの土壌分析。
津波でこの辺りも数十センチの海水が流れ込んだからです。
しかし震災からだいぶ経っているのでECは問題なし。
先輩の国際大会出場の反響もあり、後輩たちにはこんな依頼がよく来ていました。
彼女たちのメイン活動はサンパチェンスによる空気浄化。
大きな成果はあげられませんでしたが、岩手県の仮設住宅に
花を届ける活動をしていました。また空気浄化から水質浄化に発展させる
きっかけも作り、本格的に取り組むことになった5代目のサポートもしました。
ビジネスプランで最優秀を受賞したり、東京ビッグサイトで開催された
エコプロや京都大学のテクノ愛で表彰されるなどたった4名で活躍しましたが
ビッグタイトルがないのであまり注目されません。しかし今考えると
先輩の活動に対する社会の反応への対応と
BIO-ENGINEの立ち上げ準備という大切な役割を担っていました。
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小さな秋みつけた

2023年07月26日 | 環境システム科
夏休みに入ったばかりだというのに
名久井農業高校第2農場にある環境システム科の草花温室には、
まるで秋のようにシクラメンの苗がたくさん並んでいます。
シクラメンは秋に開催される名農祭の人気商品。
品質の良い苗を求めて毎年たくさんのお客さんが来校されます。
今年の文化祭である名農祭は10月28日、29日。
コロナも落ち着いているので、
今までのように地域の皆さんを校舎にお招きして
楽しんでもらえるはず。今から楽しみです。
さて先日、夏休み中の名農の予定が発表になりました。
農業クラブではたくさんの研修会に参加、
さらにお隣八戸で開催される科学の祭典に参加する研究班もいます。
またドイツからいらっしゃった皆さんとの交流会があったりと
大規模校と同じぐらい積極的に活動するようです。
小さな学校なので生徒も先生も大忙し。
貴重な体験を通して大きく成長して欲しいものです。
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仮説の証明

2023年07月25日 | 研究
ここ数年、北国青森県でも夏は30℃を楽々超えてきます。
先日なんて34℃。そんなこともあって最近は、
せっかく使わせてもらっている馴化温室では栽培せず
校舎内の土肥実験室がFLORAの実験フィールドになっています。
なぜなら寒さの影響を受けないで栽培するために
暖房装置が完備されている温室ですが、今欲しいのは冷房。
あまりの猛暑のため、馴化温室はもちろん、
環境システム科の水耕温室も夏場は栽培を休止せざるをえない状態だからです。
名農だけでなく青森県ではリンゴの着色が悪くなり、
西日本では、あの南国生まれのイネでも猛暑で白化したりと米の品質が落ちています。
なんとかしなければなりません。
さて土肥実験室で育てられているのはトウモロコシ。
左よりも右の鉢の方が大きく育っています。
なぜなら人工的に再現した富栄養化池沼を自然の力で濃縮して作った液肥を
散布しているからです。また淡水の水草から作った液肥も散布しています。
まさに彼らの仮説通り。世界的な肥料高騰の対策になればと取り組んでいます。
さて土肥室で行っていた野菜栽培も真夏を迎え、生育が衰えてきました。
また涼しくなる2学期までしばし休止となります。
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水上ガーデニング

2023年07月25日 | 研究
こちらも昨日ご紹介した「BIO-ENGINE」。
池沼の富栄養化を抑制する水質浄化システムです。
植物と微生物の仕組みを歯車のように組み合わせて稼働させる仕組み、
そしてスーパーチャージャーのように硝化菌を用いて
サンパチェンスに燃料となる硝酸態窒素を送り込む工夫が
まるでエンジンのようだということから名付けられました。
ここは八戸市役所前。ここは最初から機械式浄化システムが
設置されているので浄化は不要。したがって、このような場合は
硝化菌や菌根菌を搭載していないTYPE1の出動となります。
それでも人気なのは、このように水辺できれいに花を咲かせるうえ
プランターと違って水やりが不要なので管理しやすいから。
地元紙には「水上ガーデニング」という新たな草花の楽しみ方としても
大きく紹介されました。設置された場所は4年間で南部町や
八戸、五戸など8ケ所。公園、病院、学校、遊園地などさまざまで
のべ100鉢以上にもなります。中でも新幹線の発着する八戸駅前の
噴水への設置は、八戸のお祭り三社大祭見学に来県された観光客の皆さんを
美しく迎えることができ好評でした。
夏から約3ヶ月、地域で活躍したBIO-ENGINEは
秋になると役目を終え、トラックで学校に帰ってきます。
そして最後は校舎前にずらりと並び、初秋の名農を彩ってくれました。
苗の供給など毎年、全面協力していただいたサカタのタネさんには感謝です。
さて今年の三社大祭は7月31日〜8月4日まで。また8月に入ると
ねぶた、ねぷた、立佞武多と青森各地で夏祭りが盛大に行われます。
世界に誇る北国の火祭りは壮観。ぜひ観て参加していただきたいものです。
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ラストスプリンター

2023年07月24日 | 研究
水質浄化に取り組んでいたメンバーに遅れ
富栄養化池沼から肥料分を取り出そうと取り組んでいたメンバーたちが
先週の最後の課題研究でゴールインしました。
4月からスタートして4ヶ月。長距離ランナーのように思えますが、
生物を扱う農業高校において環境班は極めて短期間研究。
収穫の秋を待たずにゴールするのですからスプリンターなのです。
さてこの2人、1人は富栄養化池沼そのものを、
もう1人は富栄養化池沼の栄養分を水草に吸収させて利用するというように
テーマは異なるのですが、最後に行き着いた先は同じ。
自作肥料の分析と2人の作った肥料を使って育てている
トウモロコシの生育調査で千秋楽となりました。
手応えは上々。これからグラフ化などの作業となりますが
役立つ研究となりそうです。しかしこれだけでは自己満足で終わり。
専門家の厳しいご意見をいただき、修正点などを探らなければなりません。
そこで9月に開催される学会主催の発表会に
FLORAとJr.はみんなで参加することにしています。
8月はそのためのまとめや整理。楽しめる材料が揃いそうです。
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