あも&サチアキの交換日記

どうやら交換日記が続いているようです(祝何年目?

心にひろがる砂漠はわざわいなるかな!

2019-03-22 | from:sachiaki
昨日は長いこと友人をしている、あべあゆみさんが出演すると聞いて
日暮里にあるD-倉庫へお芝居を観に行ってきたsachiakiです。

人はなぜ生きるのか。
人生に意味などあるのか。

それについては、先日もフランクルの「夜と霧」から引用して

人生に意味はないが
人生があなたを問う


というようなことを書いた覚えがあります。

そんでもってそれなりのボリュームを二行に収めるのは簡単だけど、
本当に大事な言葉は端折られたところにもあるので
要約やエッセンスだけを切り取って
読んだ気になってはいけないんだよなー
なんてことを思ったりしてました。

私も「夜と霧」はパラパラとしか目を通していないので
大事なことをたくさん受け取り損ねていると思います。

んでね。
そんな「生きる」とはなんなのか。
そんな問いをずっと抱えていて、いまだに確固としたものは持っていないのだけど
昨日行ってきた「Electric Garden」というお芝居を観て
さらに色々と考えこんでしまいました。

ベースがニーチェの「ツアラトゥスラはかく語りき」をベースにして
実際にあった事件をもモチーフにしているものなので
人によっては嫌な気持ちになるんじゃないかなーと聞いていたんですけれど、
たしかに事件のことを思い出すものではあって、
ちょっとシンドイって部分はあったのですけれど

生きていることの空虚感を抱えている時の砂漠を彷徨っている感じや
自分が生きていることに罪悪感を抱えていることについて裁判という形式を用いたり
結局自分が死ぬかもという直前にまで追い込まれた際に至る
「それでも生きたい」という鬼気迫る演技はとても引き込まれるものがありました。

このお芝居では自分の意思とは関係なく、
ひどい目にあって殺害された人たちが幽霊となり
その幽霊たちが自分たちの無念を晴らしてくれた主人公を
仲間(あの世)に引き込もうとする話なのですけれど、
その主人公が発した
「生きている限り加害者であり続ける」
という覚悟を元に、自分は被害者にはならないと
被害者たちに突きつけるシーンにはハッとするものがありました。

残酷な事件はいつの時代もつきもので、この間もクライストチャーチで銃乱射事件があり
身近なところでも酷い話はそこここに転がっていて
その話を目や耳にするたびに

最後の瞬間まで尊厳を踏みにじられても人は人を許すことができるのか?

なんて別の問いを立ててしまったりもするのですけれど
なぜそんな残酷なことが起こらなくてはならなかったのか
そんなことばかりを頭の中でグルグルし続けてしまったりします。

結局このお芝居でもせっかく主人公が「加害者」であることを選び取ったにもかかわらず
あんたに罪はないと突き放されるところなどに
容赦がないなぁなんて混乱してしまったのですけれど
モラトリアムしやすいタイプの人間が思い込みがちな
”生きていることに対する罪深さ”に対して
”それは罪ではない”というアンサーだったのかもしれないけれど
「被害者」でも「加害者」でもない中間に投げ出されて
心の砂漠がまた広がろうとしていくのを感じました。

どこまでも茫洋とした渇きばかりを押し付けてくる砂漠が
音もなく体を蝕み、干からびていくところを想像すると
空恐ろしくもなり……。

しかしながら、物語のもう一人の主人公となる
薬となる言葉を探していた娘が行き着いた果てが家族の絆であることや
セリフ言い回しで「ことば」を「こと」「ば」と切り離していたことからも
薬となる「こと=行動」と「ば=場所」はいつだって
探さずともものすごく近くにあるのだろう、なんて勝手に思ったりしたりして。

自分のことを支配できるのは自分だけではなく
その時々に張り巡らされた空気や環境だったりするけれど
できるだけ自分自身で制御できるようにできれば
少なくとも後悔するような生き方にはならないんじゃないかしら。

だからこそ、世の中の腹が立つ事件とかたくさんあるけれど
そういった空気に感染せずに
自分の立っている場所をよく意識して
自分の手の届く範囲のことを粛々とこなしていこうと思うのです。

そうしていれば砂漠にも小さな花が咲くように
いつかはオアシスができて都市が発展するかもしれない。

自分自身を焼き尽くす砂漠をこれ以上を広げないように。

そんなことをずっとツラツラ考えていました。

明日は大好きな友達に囲まれて遊べる日なので
少しカサついてしまった心を潤してきますw

なにがあろうとも、私には友がいる。
家族がいる。
それが一つの救いであることを信じて。
コメント
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