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新☆歴史模擬授業 第5回  大航海時代

2011年07月29日 16時36分11秒 | 歴史☆模擬授業

新☆歴史模擬授業 第五回 大航海時代です。

詳細は,この前の記事をご覧くださいませ。ではでは始めます。

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「さて,今日は大航海時代を行いましょう!」

「はい!」

「そういえば,この前は何について授業したんだっけ?」

「宗教改革だったね。」

「それまでのキリスト教は教会中心の宗教(カトリック)だったけど,

それに対抗して聖書中心などの新しい宗派(プロテスタント)が出てきたんだったね。」

「よく理解しているね!」

「えへへ。」

「では,宗教改革とほぼ同時期におこった内容,大航海時代を本日はやっていきます!」

「はーい!」

「大航海時代というのは,それまでヨーロッパは,ほぼ周辺の地域とだけ交流していたのが,

インドや,東南アジア,さらにはアメリカ大陸まで幅広く交流(貿易)をするようになった時代なの。」

「世界に視野が広がった時代なんだ。」

「それまででも,アジアからヨーロッパに輸入されていたものはあった。コショウとか香料,絹織物など。

しかし,それはイタリアの商人によって輸入されていて,しかも高い値段で売られていた。」

「ほえー。イタリアの商人にほぼ独占されていたんだ。そうすると値段を高く設定しても売れるもんね。」

「だから,イタリア商人以外の人がコショウで貿易したくてもなかなかできないわけですよ。

そこで,じゃあ,イタリア商人たちが開発していない貿易ルートを自分たちで見つけて(つくって),

自分たちが直接アジアに行って貿易できるようにしちゃえ!と思ったわけ。」

「ほえー。」

「そこで,それまでは地中海と陸地を使った貿易ルートではなく,海をつたったルートを探そうとした。

ちょうどそのころに,遠くまで行ける船が普及したので,それが可能になったの。」

「ほえー,ちょうど,目的と技術がマッチしたわけなんだ。」

「そういうこと!どんなときでも,目的があろうが,その目的が達成できるツールがないと無理だからね。

だから,君たちは「勉強」という技術を身につけて,将来,何かの目的を達成できる下準備を今しているわけですよ。」

「はい。」

「じゃあ話を元に戻すね。この直接アジアに行ける航路を求めて探検に乗り出すにはお金も人出もいる。

そこで,援助が必要。その援助をしてくれたのが,スペインポルトガルの国王です。」

「なぜ,スペインやポルトガルなんだろう?」

「お,良いところに目をつけたね。」

「えへへ。」

「スペインやポルトガルがあった土地はある時期,イスラーム教徒によって支配されていたの。」

「あ,イスラーム教徒とキリスト教徒って十字軍などで対立していたよね・・。」

「そのイスラーム教徒が支配していた領土を,キリスト教徒が取り戻そうと戦いを始め,

スペイン・ポルトガルという国ができた。それがちょうど大航海時代あたりになるの。」

「そうだったんだ。」

「スペインやポルトガルは,ずっとキリスト教徒として危機を感じながらもがんばってきたでしょ。

だから,キリスト教を海外に布教する意欲も強い。そういう情熱がスペインやポルトガルを

大航海をする行動に駆り立てたのでしょう。」

「ほえー。」

「大航海時代とは,経済上の理由・技術上の理由・宗教的な理由などが

さまざまに交差して初めて成り立ったのね。」

「そういうことね。

さて,では,大航海をしていくことで,ヨーロッパ人が達した場所や,それにより作られた貿易ルートなどを

みていきましょう。

 

まず,ポルトガルが援助した方から。」

「はい。」

「1488年,バルトロメウ=ディアスが,アフリカ南端の喜望峰(きぼうほう)という場所に達します。

それで,ヨーロッパからアフリアの南の端っこまで行けるようになったのです。」

「ほえー。」

「次いで1498年,ヴァスコ=ダ=ガマが,さらに航路を伸ばし,インド西岸のカリカットまで達し,

インドまでの航路も開拓した。」

「ついに,ポルトガルからインドまで海路で直接行けるようになったんだ!」

「そういうこと!当時はインドというのは,ヨーロッパ人にとってあこがれの土地であったから,

当時の人々はすごい感動したのでしょうね。今で言う,人類が火星に日常的に行けるようになった,という

感じぐらいすごいことだと私は思うよ。」

「そうだったんだ!それはすごい!」

「でしょ!

(ま,これはヨーロッパからの視点の話で,実際には中国の方が先に大航海には乗りだしていましたが・・。)

 インド航路を開発したポルトガルは,香辛料の直接取引ができるようになり,莫大な利益を得ました。」

「ほえー。」

 

 

「では,次はスペインが援助していった方をみましょう。」

「はい!」

「スペイン国王は,コロンブスという人物を

「インド(東・東南・南アジアを含んで当時のヨーロッパ人はインドと呼んだ)」に向けて派遣しました。

ポルトガルが東に向かってアフリカ大陸経由でインドに行ったのに対し,

コロンブスは逆に西に向かって大西洋から「インド」に向かった方が近道じゃない?と思った。」

「へ?遠くない?だって・・」

「現代の人はそう思うよ。だって・・・,ヨーロッパとインドの間には・・」

「アメリカがあるじゃん!」

「だよね。でも,当時のヨーロッパ人は,アメリカ大陸の存在を知らなかったの!」

「ええええ!」

「だって,貿易したり,そこに住んでいる人たちと交流しなきゃ,どこに何があるか知らないでしょ。

今みたいに衛星があるわけでもないんだから・・。」

「あ,そっか。」

コロンブスは「インド」に達する前に,もちろんアメリカ大陸に到達することになるよね

でも,当時はアメリカ大陸の存在を知らないから,コロンブスは「あ!インドについた!」と思っちゃうわけ。

そこで,アメリカ大陸にすんでいた先住民を「インデイオ」と呼んだ。もちろんインドではないから,

本当はおかしい。だから,現在ではアメリカの先住民は「ネイティブアメリカン」とも呼んでいます。」

「そうなんだ。」

「コロンブスはずっと「インド」だと思っていましたが,

実質,ヨーロッパ人でアメリカ大陸に最初に到達したのは

コロンブスなので,よく入試に出ます。

ちなみにそのあとで,他の人がアメリカ大陸に行き,「ここはインドではない別の大陸だ!」と言いました。

それを言った人はアメリゴ=ヴェスプッチという人だったので,彼の名にちなんで,「アメリカ」という名は

つけられました。」

「そうなんだ!」

「ただ,アメリゴ=ヴェスプッチはあまり中学のテストでは出ないから,最難関高校を受ける子以外は

覚えなくても大丈夫だよ。」

「はい!」

「また,スペイン王室に派遣された,マゼランという人の一行が,

ついに世界一周を成し遂げます。

(マゼラン自身は航海途中で死亡したが,彼の一行に入っていた仲間が世界一周を成し遂げた。)」

「世界一周を!」

「これで,地球が丸いって証明されたんだ!」

「え?それって当たり前のことでは・・」

「いや,当時はそうじゃない。

浜辺から見ると,地平線ってあるでしょ。その地平線を過ぎたら,海は無くなっていて・・。

図で表すと,こんな感じだと思われていた。

 

でも,実際にはそうじゃなく,地球は丸かった!

マゼラン一行ヨーロッパから西回りでアメリカ大陸(南アメリカ大陸)沿い~太平洋~東南アジア~インド洋~

アフリカ大陸を,と航海し,最終的に出発地のヨーロッパに達したら,

ああ,世界はつながっていた(丸かった)と証明できたのですよ。

 

コロンブスやマゼランなどが,身をもって,証明してくれたの。

当時は「こわい!いつか海がなくなり,俺たちは死ぬんだ!」と船に乗っている人が恐れて,

コロンブスたちは船員たちとよく争ったみたいね。」

「ほえー。」

「それぞれの航海者たちがたどった航路を書いた地図を見てみて!

これでイメージをつけてね。」

「はい!」

 

 

「よく見ると,ポルトガルが援助して開発した航路は東まわり,

スペインが開発したのが西回りで,アメリカ大陸経由だね。」

「そうだね!このように類似点を自分で見るけれるようになるは良いね。」

「えへへ。」

「で,このように遠くまで行けるようなったから,キリスト教も海外に布教しやすくなる。

キリスト教徒の人が船に乗って,世界各地で降りて・・ということができるから。

そのころは,宗教改革で,ヨーロッパではルター派・カルヴァン派などの新教徒(プロテスタント)が増え,

それまで力を持っていた教会中心の旧教徒(カトリック)は,信者が減ったりして大変だった。

そこで,イエズス会という団体が結成され,カトリック信者をヨーロッパでだけでなく,

他の地域にも伝え,信者を増やそう!ということになった。

その一貫として,日本にもキリスト教が伝えられ,布教された。」

「あ・・それは覚えがある!」

「えーと,フランシスコ=ザビエルだったよね,日本にキリスト教を伝えたのは!」

「そうそう!ちゃんと覚えているね!」

「そっかー,そういう風につながっているんだ。」

「しかも,そのころって日本はどういう時代だった。」

「戦国時代だよね。」

「そうそう。戦国時代って,それぞれの地方の有力者(大名)たちが争っていた時代でしょ。

そこで織田信長が強くなり・・。

彼って,キリスト教とか鉄砲とか,ヨーロッパから来た新しいものを好んでいたでしょ。」

「あ!」

「もしかして,大航海時代がなければ,日本の戦国時代は終わらなかったのかもな~。」

「もしかしたらそうかもしれないわね。(ただし,長篠の戦いでの勝利の決定打は鉄砲ではない,という説はあります。)

だから歴史って面白い。いろんな人の動きが重なって,大きく世の中が動いていくなんてロマンだわ。」

「たしかに・・。」

 

 

「さて,ここまでは,ヨーロッパって世界に視野が広がったね!というどちらかというと明るいお話でしたが,

その一方で闇の歴史があります。それを行います。」

「え・・闇?」

「アメリカには鉱山もあるし,ヨーロッパ人が

今までみたことがないさまざまな農作物(ジャガイモ・トウモロコシ・トマトなど)があり,

それらを貿易品にすれば利益があがる。

少しでも安い労働力でそれらを発掘(栽培)すれば,利益倍増。」

「労働力が一番お金がかかるものね。」

 

「アメリカ大陸(北アメリカ・南アメリカ大陸)には,ヨーロッパ人が来る前から,

先住民によって文明が築かれていました。ヨーロッパ人が来たころに栄えていた文明として有名なのは

アステカ帝国やインカ帝国。

 

しかし,2つの帝国は,スペインによって侵略され,植民地とされちゃったの。

アメリカ帝国には馬や鉄器・火砲など,一度に大量に殺傷能力のある武器がなかったのが原因の1つみたい。

植民地ということは,そこに住んでいる人たちは奴隷(どれい)として働かされる,ということだと思って。

奴隷とは,必要な賃金を払わされずに働かされる身分・・。」

「奴隷(どれい)・・。」

「スペインは,アメリカの先住民に,鉱山や大農場で過酷な労働を強います。

さらに,ヨーロッパ人がアメリカ大陸に行くようになってくると,一緒に

ヨーロッパでの病原菌も一緒に来る。たとえば,ペストや天然痘などの致死率が高いものも。

アメリカにはそのような病原菌がなかったから,先住民はペストや天然痘などの抵抗力がない。

それで,過酷な労働および,病気で次々と先住民は亡くなっていくの。」

「ひどい・・。」

「そうしたら,労働力を補うために,今度はアフリアから黒人奴隷を無理やり連れてきて・・。」

「ひどい!」

「うん,これはひどいことだよね!歴史というのは,常に光と闇が表裏一体。

このような差別的なやり方はこれ以後長い間続きます。それが後でやる帝国主義につながっていきます。」

「えええ。」

「今はこういうことはしないよう,欧米諸国はがんばっている!

だから歴史は光だけでなく闇も学び,反省し,将来に活かしていかしていきましょう!」

「はい!」

「ではこれで今日は終わります。起立!礼!」

「ありがとうございました!」

 

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新☆歴史模擬授業の更新 ご注意

2011年07月29日 16時10分59秒 | 歴史☆模擬授業

新☆歴史模擬授業です。

予定がどんどん遅くなってしまい、申し訳ありません。

腰を痛めたり体調不良だったりして,なかなか,歴史模擬授業の方まで頭がまわらなくて・・。

歴史模擬授業はすっごく書いていて楽しいのですが,色々調べたりして書くので,

ちょっと精神的に強くないと書けなくて・・。

さて,☆歴史模擬授業は中学で習う世界史分野です。

まずは,あまり入試では出題されないけど,後の内容に関連する大切な分野,について

今回は説明させて頂ます。

今回は,大航海時代です。

今回はそのことについての授業をさせて頂きたいと思います。

文字数の関係で授業内容は別記事でのアップになります。

新☆歴史模擬授業 第5回 大航海時代 

という記事でご覧ください。

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 <新☆歴史模擬授業について>

「新☆歴史模擬授業」という記事を数か月に数回更新していきたいと思います。

これは実際の授業形式を文字であらわしていこうというものです。

劇の台本みたいな感じになると思います。 定期的に内要がまとまったら、
HP「しゃかしゃか★ぶりっじ」にて改定してアップする予定です。

読むときに、 →先生、 →生徒その1(ひなちゃん)、 →生徒その2(はむちゃん)、→生徒その3(ねこちゃん) だとだと思って読んでください。

(みんな、びっくりするぐらいいい子ですが、そこはご勘弁を・・)

また、設定は、中学生1~2年生の授業(塾)だと思ってください。

内容的には,現在ではあまり教科書で扱われていない部分もありますが,

学校によっては入れ込む内容と思われる部分はこちらでアップする予定です。(十字軍など)

(今までの歴史模擬授業の学年設定より数年後,という設定です。)


今回は文字数が最大数を超えてしまいそうなので、もう一つ記事を作ってアップさせていただきます。

わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。

 

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