「塾講師や家庭教師になったあとで自分の価値観が絶対じゃないんだ!と痛感したこと」シリーズ第5弾です。
自分の価値観や生き方以外を認めない講師(教師)もいます。
時にはそのような塾講師(教師)が生徒からはかっこよく見えることもあるのですが,
それはその生徒の価値観とその塾講師(教師)の価値観が似ているときだけで,
それでないと,その塾講師に生徒は押しつぶされることもあります。
私も大学生のときの塾講師バイトとときや,塾講師(正社員)1年目は,
自分の価値観を押し付けてしまって,それにより生徒さんと溝ができてしまったことがありました。
生徒さんには,いろんな家庭事情・価値観があります。
それを理解したうえで,授業・生徒対応をするのが大切だと思います。
第5回は,「生徒さんの家庭環境」です。
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「塾講師になって覆った価値観」シリーズ
第5回 「生徒さんの家庭環境」
今回は,親子の関係のお話です。
私の家庭環境は,一般的に多いタイプではありません。
まず,実父は婿養子として実母の実家に入りました。
さらに,実父は,子供たちである私と弟には全く関心がなく,
私たちがどのようにアプローチしても,父は私たちへの反応にただただ困るだけ・・。
他人は,「婿養子だから遠慮しているのよ。」と,「婿養子擁護派が多く・・。
大学くらいまでは,「女だったら,入った家庭になじめるよう努力しろ,と世間は言うのに,
男だったら,入った家庭になじめないのは妻や妻の親や,子供のせい,と世間は見なす。
なんて男尊女卑だ。」と思い,今の旦那に出会うまで,ずっと男性不信で,
自分は結婚する気は大学時代までは全然ありませんでした。
小2くらいのときに私は「父に愛されること」をあきらめました。それですっごく楽になりました。
(詳しいことは,育児ブログhttp://ameblo.jp/cesar01/の方で書いています。)
私は,
「親だから,どんな親でも子供を愛している」という意見がすっごく嫌で,
考えるだけでおぞましいです。
さらに
「子供は親の言うことを聞くのが一番大切。」
「自分をこの世に送り出してくれた親には感謝しなさい」
という言葉も大嫌いです。
塾講師の教師の中では,
「親は絶対」な人もいました。
でも,実際には,そういうことを言う人の多くは,「親」とほぼ絶縁状態だったり,仲が悪く,
また,お話を聞いていると,
「この人は親に愛されたことはないんだろうな。」と感じることもありました。
その人たちが唯一愛される方法は,「良い学校に受かる」ことだった人もいました。
親と仲が良いと,意外と親の悪口を言ったりもしますものね。
彼らにとって,「難関校合格」は「親に愛される唯一の手段」だった。
そのような先生は,生徒さんに,「学歴重視」の指導をします。
少しでも,努力を怠ったり,成績が下がると,彼らは生徒に怒ります。
なぜなら,彼らにとって親とのコミュニケーションは「怒られること」であったから。
彼らにとっては,「怒る」ことが「愛情の証」なんでしょう。
(もちろん,全員がそうではありません。親に愛されている子でも「親は絶対」と思っている子もいます。)
でも,生徒さんは?
みんな,「怒られる」ことで「愛情」を感じとるわけではないのです。
私の場合,「実父」にはまったくもって愛されなかったですが,
「実母」と「実母の親(祖父母)」には,たくさんの愛情を注いでもらいました。
「私という存在を認めたうえでの,将来を考えたために叱られる」ことや,
親の機嫌次第で怒られることもありました。理不尽だな,と思うこともありました。
でも,「愛情」は感じられました。
私のお話は聞いてくれるし,私がいじめられたときも,私を責めたり蔑んだりしず,
ただただ,「これからどうしようか?」と一緒に考え,私を母は守ってくれた。
だから,私にとっての愛情の証は,「その子の存在を認めること」です。
勉強ができようが,怠け者だろうが,それが良いか悪いかは別として,
その現状が,その子,なんだと思うことです。
生徒対応では,それを徹底して行いました。
そのためか,よく先生や同級生たちに低い評価をされたり蔑まれている生徒さんが,
私にだけ懐いてくれることもありました。
また,私自身は当時知らなかったのですが,
あまり世間に公表したくない家庭の事情のある生徒さんや保護者の方から,
卒業時に,「ありがとうございます。」と言われたことも・・。
また,逆に,「怒る」ことを「愛情」の証,と思っている生徒さんや,
「勉強ができること」で「家族に自分に関心をもってほしい」と思っている生徒さん,には
私はとても頼りなく,いらない先生だったようです。
よく,「あの先生は,ダメ」と陰口叩かれたり・・。
嫌みな態度をとられたり。
でも,今思うと,悪口を言うのは,彼らにとっては愛情の裏返しだったかもしれません。
「愛情」を持って,育てられたかどうかが,良い悪い,は別として,
教師が,その生徒さんがどういう風に家族と暮らしているのか,を感じとることで,
その後の指導は違います。
私は彼らが,「怒る」ことを望んでも,必要以上の「怒り」はしたくない。
でも,「絶対に彼らがどんな態度をとろうが身捨てない」という姿勢を貫き,
どんな生徒さんでも,「愛し貫く」努力を続けたいと思っております。
実際に,半年以上接していると,知らぬ間に「愛せて」いるんですよね,不思議・・。
あと,私の場合は
「親が私を愛さないなら,私もその親を愛さなくてもよい」
と本気で思っています。
その親に暴力をふるったり,殺したりしなければ良く,精神的には距離をおいてもよいかな?と。
でも,そうでない人もいます。
「どんなにひどい親でも,自分をこの世に誕生させてくれた人たちなんだから感謝しなきゃ。」と思う人も。
それはどちらでも良いと思います。自分が生きる上で,一番楽な考えを選べばよいでしょう。
ただ,私は「父を愛せない」ので,「父を愛すること・敬うこと・感謝すること」を他人は押し付けないでほしい,のは確かです。
私がアメリカドラマを好きなのは,この考えがあるのが一番の原因です。
「ER~緊急救命室~」でも「LAW&ORDER」シリーズ(とくにSVU)は,
自分勝手な親に対し,子供は親を精神的に見離しています。
それが当たり前かのよう。
でも,一度こじれても,子供との中を修復しようとした親とは,色々衝突はあるものの,子供(大人になった子供)はそれに応えます。
親が「子供に対して努力」することが第一で,
「親が努力を放棄していても子供は親を愛せ」と子供の方に努力を押しつけません。
そこが,私はすごく好きで,自分の考えを正当化してもらった気がします。
また「ホワイトカラー」でも,「親は自分を知るツール」だと言ってました。
そうなんです,「親は感謝」するものでなく,「自分を生かしたもの」なのです。
その親が,自分にとって良い親は悪い親か,で,自分の生き方は変わります。だから,親は「自分を知るツール」なんです。
また,遺伝もあるので,「親」を知ることは「自分」を知ることです。
生徒さんの指導で,「親子の関係」はすごくデリケートな問題で,
簡単に先生が入り込んでいいものではありません。
ただ,自分の「親子関係」だけが絶対的なものではないことを認識し,
自分の何気ない意見で生徒さんを傷つけないように努力するのは大切かな?と思います。
注意:こちらはあくまで一例です。
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