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「ブラック」塾業界体験談1  勤務時間

2015年11月10日 19時02分18秒 | 塾について
さて、不定期で、私の塾講師時代のお話を書いていこうかな?と思います。

本来は、パソコン上で、と思ったのですが、なかなかパソコンを開けない日が多いもので。

時系列を中心とした、私の約10年の塾講師時代の思い出は、パソコンを定期的に開くことができるようになったら書く予定で、スマホでアップするのは、塾講師をしていて、今考えると、「ブラック」だったかも?あの講師が言っていたことはおかしかったかも?と思えることを色々と、不定期に書いていこうと思います。


第一回目は、「賃金」のこと。


正社員として働いていた塾のことです。

勤務時間は、昼の2時から夜の10時まで、でした。

残業代は出るところでしたが、入社1~2年目の上司は、夜11時を過ぎると、先にタイムカードを強制的に押させ、そのあとも、深夜12時過ぎまで仕事させました。

上司曰わく、「夜中まで仕事をしていると、社長が心配されるので、社長に余計な心配をかけないように」とのことでした。
これは、本気でその上司は思っていました。
彼からすると、社長は神様で、その他の人はどうでもよく、部下は、人間ではありませんでした。

でも、それでも部下である私たちが従わざるおえなかったのは、タイムカードを押してでも、残業しなければ、通常業務ができなかったからです。
ただ働きさせられる方が、残業禁止されることの方より、よっぽど深刻だったから。
それだけ、慢性的な人手不足だったのです。

また、夜中まで働いているから、朝は遅くても大丈夫、ということにはなりません。

昼2時からの勤務となっていますが、私の働いている校舎は、遅くても昼の12時には校舎に入ってなきゃいけなく、こちらは、常にただ働きです。残業代はあるけど、早期出勤代はないですから。
また、わたしは、新人だったにもかかわらず、鍵の係の先輩が、毎回寝坊するから、という理由で、私が鍵係りで、その寝坊先輩が、がんばって起きたのに鍵が開いてなかった(注意:午前11時という、出勤義務時間の三時間前で、とくに、事前に早く出勤するという連絡もナシ)ことがあり、それで、かなり叱られ、上司にも「万が一、生徒さんの保護者の方が来られて、開いてなかったために、他の塾にうつったら、おまえのせいだ!」と説教され、もう、それが怖くては、わたしは、いつも、朝の9時半出勤(昼の2時まではただ働き)、夜は、上司の機嫌次第で、残業一時間の夜11時退社、通常は12時半退社、ひどいときは夜中の1時半退社、でした。
私の帰る交通機関の終電は11時半だったので、大半は終電を逃し、かといって、車通勤は禁止だったので、自転車で行き帰り、だめなときは、真夜中に何時間もかけて歩いて帰りました。

途中で、怖い人に会ったときは、能楽の謡い(お経みたいに聞こえる歌い方をするもの)を謡いながら、おかしい人のフリをしながら帰りました。または、幽霊のフリをしながら歩いたり。
とにかく、夜中でも車の通りがあるところだったので助かりました。


結局、それ以外の心労もたたり、かなりの無理な労働条件だったため、入社二年目の冬に、突然、地下鉄のトイレの前で倒れて、過労で入院しました。
そのときに、上司に連絡したときの最初の言葉が、「迷惑をどれだけかければいいんだ、おまえは!」というような内容でした。
それで、私は、もうこの塾に一生を捧げるのはやめよう、とやっと、決意できました。

どうして、過労で入院するまで、このような悪条件でも勤務を続けたか?というと、ひとえに、「生徒さんと、その保護者の方々のため」という呪文に縛られていたから。

「生徒さんだって、志望校合格のために、遊ぶのを我慢してがんばってるんだから…」とか、「まだ新人なんだから、寝る間も惜しんでがんばらないと、良い先生にはなれない!」と、うう、呪いの呪文にとらわれていました。

この2つ、一見正しいんです。言葉だけとれば、正しいです。

でも、条件付きなんです!
生徒さんは、受験期の一年のみの我慢でがんばる、長いスパンで見ても大学受験期まで、というので、期間は限定される。
新人なんだから、寝る間も惜しんで、教材研究や教育研究、なら良いんです。その時間に、上司の論理の破綻した説教をうけたり、まったくもって事務のできない先輩のかわりに事務の中心をせおってやる、というのは、新人の時間に含まれません。事務ができず、遅刻もし、保護者間でトラブルをおこしまくった先輩と一緒に私まで上司に説教されるきっかけをつくる先輩と、同等の賃金である、のは、今になるとおかしいな、と思います。
発達障害、精神障害に詳しくなった今になって、思えば、説教上司は…、あの先輩は…、と予測でき、私もその人とうまく仕事ができた、と思います。

でも、当時は、そうでなかった。


また、もう少し考えれば、一番の優先順位って、「塾講師が正常な判断ができる状態に保って授業と受験指導ができる」ことだと思います。それには、適度な休息と、自尊心、が必要で、朝から晩まで働かせ、常に自尊心を奪うような暴言を浴びせられ続けたら、どんな講師だってダメになってしまいます。

私は、まだ、身体のほうに支障がきたから良かったけど、精神的に疲れた人もいて、あるとき、突然、家から出られなくなった人もいたのです。

今、考えれば、すっごく、ブラックだった上司と先輩。

私が唯一恵まれてたのは、同じ校舎で同期入社だった(実際には、相手の方が年上で、中途入社だった人)と仲良く話せたこと、社会科の先生とは全然トラブルなく、むしろ、社会科の先輩たちは、私の力を評価してくれたことでした。
それがなければ、わたしは、たぶん、うつ病になってたかもしれないです。



今回は以上です。

今は、塾業界も、ここまで、ブラックじゃないと思います、というか、思いたいです。


注意:こちらは、私が体験した塾のことであるうえに、担当校舎次第で、内容が異なりますので、塾そのものが、どこもかしこも悪いわけではありません。

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