新☆歴史模擬授業第二回です。中学生で習う世界史部分です。
詳細は,前の記事①をご覧ください。
今回は,古代ローマ帝国です。
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「さて,今日は古代ローマ帝国を行うわ。」
「ローマ?・・・ていうことはイタリアの歴史?」
「イタリアの首都ってローマだもんね!」
「半分正解かな?」
「半分?」
「古代ローマ帝国っていうのは,今のイタリアを中心とはしているんだけど,
地中海地方のほぼ全体を支配する,大きな領土を持っていたの
ヨーロッパ・地中海世界・西アジアと北アフリアの一部まで。」
「(地図をみて)うわ,ひろっ!」
「この古代ローマ帝国は,支配した地域の技術などを吸収し,
さらに支配した他の地域にそれを広める役割をしたと言っても良いのよ。」
「ほえー?」
「具体的に言うと,古代ローマ帝国は,
古代ギリシャの文化や政治制度を吸収して,ヨーロッパ・西アジア地方に広めたのが大きいわ。
まずね,
古代ギリシャというは,民主主義が始まった地なの。」
「民主主義って,小学校のころ(歴史模擬授業)で習ったよね!
たしか,みんなで多数決で決めるっていう政治の考え方で,
明治時代の日本では自由民権運動・大正デモクラシー,戦後改革を経て,
民主主義がだんだんと確立していったんだよね。」
「今の日本の政治の考え方が民主主義だよね。」
「よく覚えているね!先生,うれしいわ!」
「あれ?じゃあ,古代ギリシャや古代ローマ帝国って,つい最近のことなの?」
「ふふふ,よく気がついたわね。
実は,古代ローマ帝国は紀元前1世紀ごろに大きく発展した帝国なの。
さらに,民主主義がギリシャで発祥したのは,紀元前5世紀ごろ。」
「き・・・紀元前5世紀ごろ?!」
「じゃあ,今から,2000年以上前ってことだよね!」
「そんな,昔に,今の最先端の考え方が?」
「実は,多少の違いはあるものの,民主主義とは,すっごく古いものなの。
でもね「歴史は繰り返す」もの。
だから,民主主義ができれば,民主主義が消えるときがあり,また民主主義が復活して・・・,と
これから繰り返していくの。」
「そうなんだ。」
「だから,歴史を見ていくときに,今が一番最先端で昔のものはダメ,という考えは捨てましょう。
たしかに,歴史が繰り返す,とね。そして,昔のものから学べると。
ただ,民主主義においては,政治に参加できる権利を持つ人たちの層がどんどん広がっているから,
(身分・性別・お金に関係なく,一定の年齢になったら選挙権がもらえるので)
今が一番,本来の民主主義らしいとは言えるけど。」
「へー。」
「あと,古代ギリシャでは,自然科学や哲学が進んでいたの。
自然科学とは今で言う,理科・数学(おもに理科)だと思っていいわ。
哲学とは「人間はどう生きるべきか」を考える学問で,
哲学を勉強することで,論理的で視野の広い人物になれるものだと思ってね。
(簡単に説明しているので,細かいことを言うと違う部分もあります。)」
「へー。」
「もう,この時点で理科・数学の考え方があったんだ。」
「そのギリシャの考え方を古代ローマは引き継いで,実践したの。
民主主義に欠かせないものに法律があるでしょ。
みんなで政治をするのだから,1つのきまりごとがないとダメだからね。
だから,古代ギリシャ同様,古代ローマ帝国も法律をつくって支配します。
理科と数学の考え方を実行したら,巨大な建物だってつくれるでしょ。
それで,道路を整えたり,水道橋とか,作っていくの。
その建造物の1部は今でも残っているのよ。
ローマの水道橋とか,コロッセオ(コロッセウム)などね。」
「2000年前のものが!すごい!」
「古代ローマについては,詳しくは高校で習うので,中学のうちは,
古代ローマ帝国というヨーロッパ~西アジア・アフリアの北の一部を支配し,
そこで,民主主義・法律・自然科学とそれに伴う科学技術などを伝えた,と覚えておいてくれればいいわ。」
「はい!」
「では,さらに古代ローマのお話。
古代ローマ帝国では,多神教のギリシャ神話の神々をベースにした宗教を信じていたんだけど,
紀元後4世紀に,一神教のキリスト教が古代ローマ帝国の国教となるの。
つまり,古代ローマ帝国ではキリスト教を信じる人がメジャーになったんだ。」
「そうなんだ。」
「これが,後のヨーロッパの歴史をかえていくんだよね。」
「そうなの?」
「そのあと,古代ローマ帝国は,いろいろなことがあり,
イタリアを中心とする西ローマ帝国,トルコを中心とする東ローマ帝国(ビザンツ帝国)に分かれます。
そして,西ローマ帝国は5世紀に,ゲルマン民族という民族の大移動によって,滅んでしまうの。」
「え?」
「で,西ローマ帝国はなくなった。でも,ローマ帝国の国教は・・」
「キリスト教。」
「だよね。だから,
西ローマに支配されていたヨーロッパ諸国は,
キリスト教の国となっているから,西ローマ帝国滅亡後,
いろいろなことがあって
しだいにキリスト教をベースとした政治になっていく。
(ビザンツ帝国の聖像禁止令・フランク王国・ローマーカトリック教会・教皇領・神聖ローマ帝国のことは高校世界史で話すので,ここでは,キリスト教がヨーロッパの世界をつくっていった,という話でまとめます。)」
「へー。」
「でも,これが,古代ギリシャからローマにかけて,築いていった,
民主主義・自然科学などとのお別れになるの。」
「え?なんで?」
「キリスト教という宗教を主体に物事を考えるから,
目の前の自然現象は,すべて神の意志によるもの,と考えるように。」
「ほえー。」
「また,古代ギリシャ・ローマの考え方・文化は
ギリシャ・ローマがあった地中海地方をイスラーム教徒たちが支配するようになり,
キリスト教徒が自由に行き来できなくなったのも原因にあるよ。」
「え?イスラーム教?」
「うん。イスラーム教(イスラム教)。
イスラーム教は,7世紀にムハンマドによって開かれた宗教でね。
このイスラーム教による国家が結果的に,フランス・ドイツ・イタリアを中心とする西ヨーロッパと,
地中海世界・ビザンツ帝国を分断をしたのだけど,
実は,彼らにより,古代のギリシャ・ローマの学問が受け継がれ,
それが後に西ヨーロッパの方に,長い年月をかけて,橋渡しされていくんだ。
あと,古代ローマ帝国の分裂したときの東ローマ帝国(ビザンツ帝国)にも,
古代ギリシャ・ローマの学問などが残っていた。」
「へー。」
「イスラーム教と,西ヨーロッパの関係については,今度やるわね。」
「はーい!」
「ここでは,
古代ギリシャ・ローマで,(今の数学・理科などの基礎となる)発達した学問と民主主義が誕生・発展し,
西ローマ帝国の滅亡により,その文明が一時的に西ヨーロッパから失われた。
しかし,そのギリシャ・ローマ文明は,東ローマ帝国(ビザンツ帝国)とイスラーム教徒による国家により
保存されていた。ということだけ理解してくれればいいわ。
あえて,覚えなければいけない用語といえば,
「古代ローマ帝国」という言葉かな?
ここでは,入試でもよくでる,ルネサンス・宗教改革・大航海時代・市民革命の基礎となる部分の説明。
いわゆる,本編が始まるプロローグみたいなものだと思ってくれればいいわ。」
「はい!わかりました!」
「ま,ここの分野は高校の世界史で,とーっても詳しく習うので,そのときにお楽しみに!」
「はい。」
「ではでは,今日は終わります。起立・礼!」
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「ありがとうございました。」
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わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。
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