この写真はあごだし麺を作っていく限り、
絶対に変わることはない五島近海の焼きあごです。
これは国産の厚切り本鰹の削り節です。
主に蕎麦屋などで使われています。
焼きあごより良い香りがします。
これは宗田節(メジカという魚)やウルメやさば等の
厚削りを程よくブレンドしています。
うどんの出しならこれだけで充分美味しいだしが出来上がります。
〔焼きあご〕だけでは、スープが優等生過ぎて面白くないので、
こういう物を少し足してちょいワルのスープにしています。
この他にも色々な材料で当店のあごだしは出来ていますが、
焼きあごでダシを作り始めてからこんな材料に
辿り着くまでに3年ほどが経ちました。
『鰹節と対話する。
それが美味しさの積み増しになるのです。
だから私たちは手仕事にこだわります。
・・・と鰹節の袋に書いています。
嬉しいですね。
当店で使用しているスープの材料には
それぞれ生産者は違うけどこういう心がこもった物が多いんです。
スープ作りは深く掘り下げて
突き詰めていけばきりが無ありません。
趣味でやっている訳ではないので、原価も計算しながら
ああでも無いこうでも無いと弱い頭で考える日々です。
スルメ、海老、ホタテ他いろいろな物等も使ってみました。
目指すスープから遠ざかってしまい、
いつか袋小路に迷い込んだりする事がよくあります。
喫茶店時代には
チキンスープやとんこつスープなども作作りました。
カレーなどに使うスープだと
あまり神経質になることなく香味野菜類とガラだけ
4~5時間煮て濾せば出来たけど
ラーメンはそういう訳にはいきません。
スープその物が命だから。
ここ3年くらいは「あごダシ」一筋だけど、
毎回同じ事をしているわけではなく、
今日より明日、明日より明後日
ほんの一ミリでも進化させなければいけないと言う思いがある。
それともう一つ
性格的な自分自身のハートの問題です。
毎日決まったことをして飽きてしまうのが怖いんです。
熱しやすくてさめやすい性格ではないけど、
あることに熱中していても、
他に強烈に興味が湧く物(事)に出会うと
急に熱が冷め、
それを境にそれまでやっていた事が、
自分の中でどんどん遠い過去の出来事になってしまいます。
〔長浜とんこつカレー〕なんて見たくもありません。
長々と2か月分の思いを一気に書いてしまった。