何年生だったか忘れたけど
とにかく小学生の時の事。
遠足の日に4歳上の姉が自分のためにドーナツを作ってくれた。
当時の姉の手作りドーナツは小麦粉と砂糖とベーキングパウダーだけの
超シンプルだったと思う。
まだ幼かった私は、それを見て
「こんなの嫌だ。チョコレートとかお菓子が良い」と、
思いながらも、
自分の家は貧乏なので仕方がないと言う気持ちで
リュックに詰めて遠足に行った。
昼ご飯の後、仲良し達とおやつを食べる時間になると、
みんな思い思いに、リュックから自分のお菓子を出した。
やっぱり友達はお菓子を持っていて、
自分のドーナツとは違う。
私は紙の袋に入ったドーナツをリュックから取り出した。
紙の袋はドーナツの油を吸って油紙状態。
車座になってお菓子を食っていた一人の友達がそれを見て
「それ何?」と聞いてきた。
それ以上聞くな!
そっとしておいてくれーと、
心の中でつぶやきながら
「ドーナツ」と、答えると他のみんなが振り向いた。
一人の友達が、
自分のチョコレートと交換して言ったので、
私は喜んで交換してあげた。
するとそれを見ていた別の友人が、
俺も俺もと、スナック菓子やらガムなどを差し出して
ドーナツとの交換を迫ってきた。
結局、姉が作ってくれたドーナツは全て、お菓子に代わっていた。
その時私は、自分のとんでも無い勘違いと
「手作り」と言う物の意味を思い知らされた。
今、飲食店に携わっていて、
あの遠足の時の気持ちを基本にしたいと思います。
当店の麺作りの様子をユーチューブにアップしました。
ラーメン用手揉み縮れ麺とうどん麺