◆あごだし麺 五島軒◆

2019年3月閉店 回想録レシピなどを公開します

五島軒風柚子胡椒の作り方

2020年09月25日 | 五島軒回想録
以前にも時々書きましたが五島軒の柚子胡椒について
改めて書いておきます。

五島軒で出していた柚子胡椒は
五島うどん、ラーメンや水餃子に好みで
使って頂いてました。

個人的には鍋物や冷奴 その他あらゆるものに入れて使ってました。
 



お店に無くてはならない物というより私が食べたいから
置いていたと言った方が良い位です。

健康志向が強いと言う事と
自分自身の食を自分で管理できたのが良かったと思います。

おかげで五島軒営業の10年の間には15Kgの
ダイエットもしましたし、栄養管理が徹底出来ました。


さて、その柚子胡椒ですが、
(佐賀県にある山崎農園)から業務用を仕入れていました。

もちろん何も手を加えなくても
そのままで美味しい柚子胡椒です。

五島軒ではこれに少し手を加えてマイルドで
なおかつ美味しい柚子胡椒に仕上げています。
色が変色しにくいのと酢の効果で長持ちすると思います。
栄養・効能もバッチリです。

自分で作ってみたい方はこちらに
おいしい柚子胡椒の秘伝を動画で見ることができます



=作り方=
大葉、生姜、エキストラバージンオイル等を加えています
=記憶をたどって=
柚子胡椒(青)(赤もあります)2キロ(1キロ2500円位)
大葉  100枚(みじん切り)
生姜  500g(みじん切り)(摺りおろしてもいいかも?)
エキストラバージンオイル(300~400cc)硬さを見て調節
酢   (200~300cc)硬さを見て調節
塩    (100~150g)好みで調節

柚子胡椒というより別のネーミングで販売できそうですよね
大きなボールに材料を入れてかき混ぜて出来上がり
*使用している材料や分量は好みで変えて自分だけの
オリジナル柚子胡椒を完成させてください




柚子胡椒の美味しい食べ方はここをクリック



レトロな製麺機を使った製麺はどうだったか

2020年09月18日 | 五島軒回想録
小野式 田中式等この手の製麺機は他にも
色々あります。
昭和初期に発売されたものが多くヤフオクなどでは以前から
取り引きれていました。

今思うと私個人の感想としては
家庭用製麺機で麺を打って営業するのはお勧めしません。

営業的な観点からはお勧めしないのですが、
個人で麺を打って楽しむのならとても頼りになる機械です。

もしこの製麺機を使って営業する場合は
製麺所からの仕入れた麺メニューを主体にして
それとは別に差別化たメニューとして値段を高く設定する方法が
考えられます。

この製麺機で40玉以上の麺を一人で打つのはかなり重労働です。
一日のうちで時間的な束縛も多いです。
最初やり始めは良いんです。
気持ちが入っていますから。
しかし、2年3年経つうちに気力も体力も萎えてきます。
常連のお客さんに「この店のラーメンは麺が美味しい」
と言われるともう、いくらキツくても変えることはできません。
メディアから麺についての取材もあるかもしれません。



熊本県玉名郡南関町  南関そうめんはこちら


ネットで探したら「粉屋の息子」というHPで業務用のらー麦が
25㎏入りで税込6,113 円 で販売されています。

これはあくまで目安ですが
麺は概ね1kgで10~13玉分です。
(25kg)6113円÷25kg=244.52円
244.52円÷10玉=約25円(麺1玉約140g)
*小麦の値段はよく変動します。


このほかにもらー麦より安い強力粉は有りますので
一概には言えませんし麺1玉のグラム数を120gにすれば
1玉20円近くまで落とせます。
個人で2~3kgの小麦を買っても値段は少し高くなります。

らー麦使用の多加水麺を製麺業者から仕入れれば
120gの麺で1玉50円以上はします。

・自家製麺はやはり安くできます。
・値段もですが自分で打った麺は断然美味しいです。
・製麺所の担当者にはなかなか伝えにくい微妙な所でも
 自分で作ればどうにで変えられます。
・この家庭用製麺機の最大のメリットは
 限りなく手打ちに近い多加水麺が出来る所です。


メリットは沢山あるのですが、重労働で、時間がかかります。

本格的な製麺機とそれに付随する機器を
一式購入すれば良いのですが、値段が高いです。

そのお店を10年以上続ける自信と体力が有るのであれば、
(皆さんお店を始める時はその意気込みなんですけどね)
長期の計画を立てて
少々高くても
業務用の製麺機を購入する方が良いと思います。









家庭用製麺機 田中式 ネットオークションで購入

2020年09月15日 | ■あごだし麺〔五島軒〕


家庭用製麺機 田中式 号に決定

自家製麺といえば格好は良いのですが、商売である以上
麺1玉当たりの単価が業者から仕入れる価格より低く
なおかつ美味しくなければ意味がありません。

そこで色々検討した結果
小型で場所を取らず、価格も安いという条件も満たしたのが
ネットオークションで購入したこの製麺機でした。
価格は2万5千円位で落札したと記憶しています。
この時期はこの手の製麺機は中古品しかなく、
新品に近い中古だと5万円位はしたと思います。
今でも価格は変わりませんね。
型も小型と大型(少し大きめ)があり価格も若干違います。

=業務用製麺機仕様に改造=
送られてきた機会を見ると
そのままの状態では麺の量産は出来無さそうと判断。
どうしようか?考えていたら店内に
本を陳列していた棚が目に留まった。

これは植木鉢の植物や花を置く台でしたが
いつの間にか本棚として使用していたものです。

田中式製麺をその上に据えてみた。
何とサイズがピッタリ!おお~~感動的でした。
ハンドルを回してみたら高さも丁度いい。

=早速ホームセンタに出向いてパーツを購入=
何しろ前例もお手本も無いので、取り敢えずホームセンターに
行って必要な板や丸い棒、ネジ、留め具等思いつく物を購入。
ホームセンターに着いてから何を買うか考えてる訳ですから
行き当たりばったりとはこの事ですね。

制作に3日位はかかったと思います。


2019年2月に五島軒を閉店するまで
9年近くもこの製麺機は働いてくれました。

=小野式・田中式など戦後普及した
家庭用製麺機は名機揃い 現在も活躍中=
今出回っているこの手の家庭用製麺機は戦後普及したものが多く
かなり古いですが、とても丈夫です。
少々固い生地でもグイグイ回せて壊れにくいです。
しかし、それでも壊れた場合替えのパーツは有りません。
業務用としてガッツリ使用する場合は注意が必要です。
中古でもいいので予備としてもう一台同じ型を揃えておくと安心です。

前置きが長くなりましたが次回はいよいよ
実際この機械を使って製麺し、営業してみての感想や注意点
人玉当たりの原価と製麺時間と労力などについて
突っ込んだ内容を書きたいとおもいます。

写真はその後全粒粉を練りこんだ麺の制作の様子です




やってみるとやっぱり大変だった自家製麺について

2020年09月07日 | ■あごだし麺〔五島軒〕
麺を自家製に切り替えた経緯や
切り替えてみてどうだった?かなど
書いてみたいと思います。




2010年頃
とんこつラーメンをもっと盛り上げるべく
福岡県の自治体が主導バックアップした「らー麦」が発売されました。




何だそれ!と、思いましたね。

早速取り寄せて
五島うどん風手延べ麺に挑戦するも挫折




最近だんだん記憶が曖昧になりかけています。


多分、自家製麺を始めたきっかけは動画か何かを見て、
手延べ麺のラーメンが作れないかと、
考えたのがきっかけだったように記憶しています。




ネットで調べてやっていましたが
何しろ誰にも教わったこともないし
作ってる所を見たわけでもないし
失敗の連続でした。。

よ~く考えてみると予想外に広めの場所が必要だし
伸ばすタイミングが来たら他に何もできなさそうだし。

いろいろやってみて無理と判断。

ただ、
失敗した麺でもあごだしで食べてみると
これが旨いんですよね











日本の手延べ麺(うどん、そうめん)等
中国からその製法が伝えられたようです

4年前に投稿した記事
この記事の動画にそのツールがあります

手延べ麺は諦めて、次に考えたのがいわゆる
麺棒で伸ばす手打ちうどん風ラーメン。
ラーメンの麺ですからかん水が入るので、
うどんより生地が固い
これはやる前から体力的に無理と最初から決めていました😅

長くなりそうなので今回はここまで

次回 
昭和の名機【田中式 小野式】家庭用製麺機に続きます。


純和風のラーメンを目指すとき 焼きあごを使うべきか?

2020年09月03日 | ■あごだし麺〔五島軒〕
五島列島や平戸の近海で獲れた飛び魚(あご)を
炭火で焼いたあと天日干しにしたのが高級とされる焼きあごです。 

と、前回の投稿で書きましたが
五島・平戸産か?
そうでないかは手に取るだけでわかります。


長崎産と表示の焼きあごと五島・平戸と表示の品は
全然別物です。

長崎産表示の焼きあごは
全国各地で取れた飛び魚を長崎県の加工場に集めて
ガスの火で焼いて(一部炭焼きもあるかもしれません)
焼きあごに加工したものです。

五島・平戸産表示のは五島列島から長崎平戸近海で毎年9月頃の時期に
取れた飛び魚を原料にして炭火で焼いています。
この違いが結構重要です。

五島列島には飛び魚の産卵場所があります。
回遊魚である飛び魚は一年かけて旅した後
春ごろに産卵の為五島列島に帰ってきます。

その春に生まれた稚魚は8~9月秋になると 
その習性から一年の旅に出かけます。
まだ未成魚なので小型(15cm位)で体は引き締まっており
アブラはのっていません。

これが高級焼きあごと言われる由縁でもあります。
近年 
漁業従事者の高齢化・後継者減少・地球温暖化問題の
影響などにより原料不足で価格は徐々に上がる傾向にありました。



五島軒開業当時は五島列島の生産元から
9kg入りを業務用として仕入れていました。
1kgが3000円位でした

商売をするうえで、
中間業者を通さず直接取引をするというのは
安く仕入れられる反面
ある危険性を秘めています。

弱小店舗では特に気を付けたい出来事に翻弄されます。
五島軒開業から3年経った9月頃
焼きあごの新物が出回るのを見込んで、
在庫を使い切った頃に注文を出したところ、
先方のから突然の通告が・・・・・

「今年は原料の飛び魚が不漁で
焼きあごが不足している為お送り出来ません」

え!何それ!

取り敢えず何キロかでも無いと困るのですが・・・

「申し訳ありません。現在出荷できる物がございません」と。。

(´;ω;`)ウゥゥ

突然ですよ。
 
これが生産地の対応でした。

焼きあごは1年に9月頃しか捕れないので
来年までお待ちください。
と、すご~~~~~~~い事をおっしゃる。

これが「焼きあご」という材料としての特徴でもあります。

急遽ネットで焼きあごを取り扱っている卸問屋を探して
倍くらいの値段でしたが
ようやくその場をしのぎました。

五島列島以外のいろいろな方面を探しているうちに
長崎県平戸の生産業者にたどり着きました。

値段も1キロ2500円の卸値で納めてくれるという。
まさに地獄で仏に出会ったような。

今では信じられない値段ですよね。

それからは何事もなく数年が過ぎたのですが、
平成18年ごろ 再び深刻な事態になります。
五島列島の業者と取引していた時と
全く同じ事が起きたのです。

原材料高騰に加えて
焼きあごの知名度が全国規模で上がりました。

急激に焼きあごが高騰した原因は
大手だしメーカーの原料買い占めで、
飛び魚が一旦漁港に出て焼きあごに加工される前に
漁師から直接買い付けるメーカーまで現れます。

一時ネットを含め市場から五島・平戸産が消えました。
ひどい時など1キロ1万円位の値段がついていましたね。

それまで長らく取引していただいていていた平戸の生産業者からも
突然
いくらお金を積まれても無いものは無い的な
事を言われ、まさに窮地に立たされます。

仕入れの注文を出したら
これを突然言い渡されます。

五島軒を閉める2年位前の話です。

(´;ω;`)ウゥゥ
どうしよう!どうしょう!😞 😞 

ほかの材料(昆布、煮干し、シイタケなど)を
仕入れていた地元業者にその事を話すと
その食材卸業者の担当から
会社で焼きあごを仕入れられるルートが有りますよとの事。

個人の小さな店は地元の食材卸業者と付き合いも大事だと
痛感しましたね。


・その焼きあごは長崎産ではあるけど、五島や平戸産ではない。
・値段が4000円と、今までより高い。
・急に有りませんなど言わない

こんなことを条件に業者から仕入れることになり、
何とか営業持続できました。

しかし、長崎産焼きあごは
それまで使ってきた焼きあごとはやはり違っていました。

単体でだしをとると分かるのですが
見た目も違います。  

五島や平戸産は小ぶりで硬く締まっています。
2つに折るとパキッと折れる感じです。

長崎産は2つに折るとき
折れやすくバリッと折れるかんじです。



五島軒のスープは初期の頃は
焼きあごの比率が多かったのですが、
原価計算や他の材料との相性など
いろいろ試行錯誤を繰り返すうち比率は下がっていました。
しかし看板に掲げているいじょう
無くてはならない材料であるのは間違いないわけです。

では、純和風のラーメンを目指すとき
焼きあごを使うべきか?

と、今 問われれば
全くその必要はない
これが10年やってみた私なりの答えです

煮干しや節などの材料を主体にしても
美味しいラーメンは出来ますし
焼きあごを沢山使えばラーメンスープが
より美味しくなる訳でもありません。

ただ煮干しラーメンを作る場合は注意が必要ですね。
煮干しは焼きあごとは違い癖が強い素材です。
使い方によっては良くも悪くもなりえます。

焼きあごの良いところは
うまみは強いのに雑味やえぐみ等の癖がない所です。
スープを仕込んでいてもほとんど失敗することがありません。
特に五島列島産焼きあごはその商品名だけで
メニュー表示の際に高級ブランドとしての力もあります。

もうあり得ない事ですが
もし、もう一度ラーメン屋をやるとすれば
煮干しを主体にしたラーメンを研究してやるでしょう。


焼きあごについて一言。二言。三言。

2020年09月01日 | ■お店情報
そろそろ五島列島近海では焼きあご漁が始まりますね。


確か9月中旬頃から10月にかけての一か月間だったと記憶しています。


焼きあごの事を全て知り尽くしている訳ではないので、
買う側 使う側として知りえた事を書いてみたいと思います。


焼きあごの材料になる飛び魚は日本中のあちこちで獲れます。


日本海側の東北方面でも
だし用で飛び魚の煮干しなどありますが、
五島列島や平戸の近海で獲れた飛び魚(あご)を
炭火で焼いたあと天日干しにしたのが高級とされる焼きあごです。


五島列島の上五島地区と長崎平戸の焼きあごは、
産地として特に有名ですよね。


焼きあごを使い始めたのは今から15年ほど前で、
喫茶店をやっていました。
切っ掛けは
周りにはとんこつラーメンの店が沢山あり、
よく食べに行っていましたが、
何故福岡にはとんこつラーメンしかないのか?
疑問が湧いてきたためです。
私が五島出身と言う事もあり、焼きあごのスープで麺料理を
作ったらどうなるかな?
(どちらかというと思い付きで行動するタイプです)





でさっそく作り始めました。

喫茶店でしたのでラーメンという訳にはいかず、
焼きあごだしを使った
和風スープスパゲティで売り出しました。

麺は生パスタ麺を取り寄せるこだわりよう(笑)😅
盛り付けがいまいち専門店には及びませんが、
結構人気があって、これしか食べないお客さんも。


ニンニクとオリーブオイルの香りが結構利いています。



さて本題の焼きあごですが当時
卸値で1キロ2500円位でした。





その後店舗移転を機に
喫茶店をやめて「あごだし麺 五島軒」を開業しました。

しかし、

この看板を前面に出した結果
焼きあごに翻弄された10年でもありました。

最近では原材料の高騰で五島列島産も平戸産も
手に入りづらくなっています。

長くなりそうなので次回へ続きます

豚骨ラーメンのメッカでもある博多の地で、あえて非豚骨を掲げ
焼きあごだしのラーメン屋に挑戦した結果
それで良かったこと 悪かったこと。 

そして「焼きあご」というだしの材料について考えてみたい。


五島軒メニュー

動物系を一切使わず、魚介と野菜のダシで作るあごだしラーメンとうどんを提供しています。 麺は福岡産ラー麦100%使用の自家製麺です。 ラーメンに完成は有りません。 いつでも進化の途中です。 ※土曜日の夜は休みです