ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』
これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

テロの非情な論理~イスラエルの今

2012年11月21日 | 随想

 だいぶ昔、これは先の大戦における中国戦線で戦ってきた方から聞いた話である。日本が中国に侵攻し、中国共産党軍と戦いをはじめてしばらくすると、異常な経験をするようになった。それは共産党軍が敗走すると、なんと彼らは市中に逃げ込み、容易に軍服を脱ぎ、平服を着て市民に紛れ込む。これは戦時条約であるジュネーブ条約違反(私は詳しく知らない)であるが、その上になんと民衆の垣根の間から追走してきた日本軍を標的に射撃してきたと言う。これに反撃する日本軍はもちろん、平服を着、市民の間から撃ってくる彼らの見境がつかないから、結果として無関係な多くの民間人(中国人)を巻き添えに殺すことになった。
 このような共産党軍の戦い方は、決して正規軍同士の戦いというものでなく、テロリズムであり、軍は本来自国民を守るためのものだが、その民を盾にし、犠牲にしての非情な戦いであったと述べていた。

Gaza  最近のイスラエルはガザの情勢を聞いて、この昔話を思い出した。おそらくは内通者によって、ハマスの軍事部門(おそらくテロ部門)の最高責任者の所在が明らかになった。ビン・ラディンではないが、彼はただちにイスラエルによって爆殺された。するとハマスとしては当然報復する。このハマスのVIP責任者がどれほど重要であったかが、イスラエルに対しての報復によくわかる。最高度の人物であって、彼を失ったハマスはまとまりが欠け、迷走しているように見えるからだ。(写真は最近のガザへの空爆)

 イスラエルへの報復~無論、イスラエルがどれほど反撃してくるかを承知しながら、それまで使ったことのない射程距離の長いミサイルを、イスラエルの中心部であるテル・アビブに打ち込んだ。その時私たちの知り合いも、警報が鳴って地下のシェルターに避難させられたと聞いた。これはイスラエルにとって到底容認できない、国家の根幹を揺るがす事態である。

 ※これまでハマスは射程距離の短いミサイルで、さして重要でもないガザの周辺部の半砂漠地帯に打っていた。

 ・・・・イスラエルの強硬な報復の報復が始まった。誤爆もあるだろうが、狙うのはハマスのミサイルであり、軍事(テロ)部門である。しかし百人を越える余りにも多くの一般人が犠牲になっている。以前映像で公開されたこともあるが、これはテロリズムのせいだと私は疑っている。

 その図式は、「ハマスにさして協力的ではない家の片隅からミサイルを発射」(もちろん家族はそんなことは知らない)し、発射した彼らはたちまちに逃げてしまうので、イスラエルの速攻反撃で被害に遭うのは、「結果としてその家の、何も知らなかった人々」というパターンである。

 何も知らず、被害に遭わせたハマスは、すぐさま世界中の報道マンを集め、現場に案内する。そして映像やインタビューでイスラエルの非道ぶりを世界中にアピールしてもらう。力に劣る者がどうやって勝つか・・・・世界中のマスコミを味方につけて戦うわけである。これは先の中国共産党軍と同様、守るべき民を犠牲にして戦う、いわばテロリズムの王道である。


 このようにして犠牲者が日増しに増え、イスラエルへの憎しみが高まったところで、内通者の処刑である。今回は6名の者が公開処刑されたと報じれている。彼らは路上に投げ捨てられ、そばに居た人々が集まって、蹴ったり踏んだりしたと報じられている。しかしそれをしなければ、ハマスに忠誠を疑われ、自分たちの身を守れないからかも知れない。

 長射程のミサイルがハマスにある限り、もうイスラエルは安心できないので、ガザに地上部隊を進軍させ、しらみつぶしに探したいイスラエルの目的を世界は阻止できるであろうか?そうなればどれほどの犠牲者が出るか、想像もつかない。ハッキリ言えることは、これは脇が甘く、一人のVIPを失ったことから始まった事態であり、ハマスというテロリストの戦いであり、前門の虎、後門の狼であることである。なぜ彼らはパレスチナ自治政府のように、自治政府という平和共存路線をとらないのか。それまでにどれだけ仲間内の犠牲者を出す気なのか。それは他ならぬ彼ら、ハマス自身が決めることであることは明らかである。


 聖書に拠れば、イスラエルはこうして世界中から憎まれるが、終わりの世にはやがて反キリストが現れ、その超人的な力でいったんは中東和平条約が結ばれ、イスラエルが安心して暮らせるようになると述べられている。しかしすぐにイスラエルは世界中から攻められ、滅亡の危機に陥る。これらは世界の終末が来る前兆であり、必ず起こるべきこととされている。神を信じるべき時が、近づいている。  ケパ

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