Happyday of LUCKY

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暗室のあとのたのしみ

2016年08月08日 | Photography
猛暑日がつづくなか、フィルム現像と暗室の日々がつづいている。
フィルム現像は涼しい部屋でできるので温度管理はしやすいが、暗室にしている風呂場にはエアコンがないため、夏場の作業はけっこうきつい。
処理液の液温を20度前後に保つため、あらかじめ小さなビニール袋に水を入れて凍らせておき、その氷袋をバットに入れている。その氷が溶けてしまうと液温が上がってくるから、またあたらしい氷袋を入れる。そのくり返し。
きょうは9時から、お昼休憩1時間をはさんで、16時までプリント作業をした。

いま焼いているのはプルーフプリントというもので、印刷業会では「校正刷り」とか「ゲラ」と呼ばれている。ただ、わたしの場合はバライタ紙に本焼きするまえの、RC紙による試し焼きなので、校正刷りとはちょっと意味がちがう。
本当はプルーフもバライタ紙で焼けばいいのだけど、紙への処理液の浸潤が多いため水洗時間が長くなる(約90分)ので作業効率がわるい。その点、RC紙は樹脂コーティングされているので、水洗が約3分で済む。この時間差は大きい。



さて、プルーフプリントで試すことは、おもにつぎの3点。

(1)画面全体の濃度
(2)画面全体のコントラスト
(3)基本露光時間に対する焼き込み部分の露光時間

(1)は一番見せたいものがよく見える濃度を探り、これを基本露光時間とする。
(2)はネガの濃淡の調子を見たうえで、コントラストの高いネガならフィルターの号数を下げて軟調にプリントし、逆にコントラストの低いネガならフィルター号数を上げて硬調にする。結果的にプリントのコントラストはほぼ整うことになる。
(1)と(2)はわりと単純な機械的作業だが、(3)はその写真をどう見せるかという作者の意図が入ってくる、もっとも大切な作業だ。ここに白黒写真の表現の多くが隠されているといっても過言ではない。

などと、ここまで書いておいて申し訳ないが、この焼き込み作業ついては、ことばではうまく説明できないので割愛する。(というか、これは企業秘密みたいなもんです)
予定の枚数ができたら暗室作業をおえ、道具を片付ける。このとき、わたしは素っ裸で、シャワーをつかってバットやカップ類を洗う。そのあと汗だくの身体もシャワーを浴び、一日の労をねぎらう。この瞬間の気持ちよさを想像できるだろうか。

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