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(英題:A Battle of Wits)春秋戦国時代に実在した思想集団にして戦闘のプロフェッショナル・墨家のメンバーの一人である革離をめぐる謀略戦を描くジェイコブ・チャン監督作品。
これと似た作品といえば、リドリー・スコット監督の「キングダム・オブ・ヘブン」であろう。同じように単純な戦闘スペクタクル史劇ではなく、戦争を“善悪の彼岸の事象”として捉えているあたり、作者の冷静なスタンスが感じられると共に、現代に通じるメッセージ性を獲得している。
しかも構造としては「キングダム~」より一歩進めて、善悪どころか敵味方までもが利害関係やイデオロギーの違いでコロコロと入れ替わり、いったい何が本当のことなのかまったくわからない混沌状態を描出している。これと同じようなことは今でも世界のあちこちで起きており、人間は数千年前から同じ過ちを繰り返して犯してきたという諦念と無常観、それでも墨家のような理想主義を捨てきれず現状にプロテストする作り手の真摯な心情が無理なく伝わってくる。なかなか骨太な主題を持つ映画なのである。
戦闘場面は安易にCGに頼らず、徹底したリアル路線で観る者を圧倒。しかし作劇面では上手くいっていない箇所も多い。城と周りの地理関係がハッキリせず、包囲されているかと思ったら簡単に外に出られたりして、そのへんのディテールの積み重ねが甘い。中盤以降はシークエンスの繋ぎ方が荒っぽくなり、辻褄が合わない場面が散見される。
そして最大の難点は主人公と女性騎馬隊長との甘ったるいアバンチュールだ。大して上手くもないラブシーンが物語の流れを中断し、しかもこれが終盤の冗長な展開の“伏線”になっているのだから呆れる。それでもアンディ・ラウとアン・ソンギとという存在感たっぷりのキャストは映画を支えるに足る力量を見せる。テーマの重要度と併せて、鑑賞する価値は大いにあるだろう。
なお、原作は日本製の漫画で日本も製作費を拠出、撮影の阪本善尚や音楽の川井憲次が高評価の仕事をこなしている。しかし、日本人キャストは皆無。韓国人のアン・ソンギは出ているのに、これはちょっと残念だ。
でも、これは残念な作品というか、もったいない作品でした。アンディ・ラウ、アン・ソンギの存在感なしには語れない作品にはなったなとは思います。
それでは、今後とも宜しくお願いします。
ラブストーリー、全然要りませんよねぇ。
それでは、今後とも宜しくお願いします。
映画ファンですから,スペクタクルものは大好きです.只,スペクタクルだけってのももう一つ,この映画のように軍師ものとかになると一段と興味が湧きますね.
ラブ・ストーリーは絡め方次第ですね.まるっきり亡いってのも寂しいし…(優柔不断).
で、この映画に描かれていた時代を題材にした映画はもっと観たいですね。
それでは、今後とも宜しくお願いします。