猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

間奏曲はパリで

2015-04-17 02:54:34 | 日記
フランス映画「間奏曲はパリで」を観にいった。
50代の主婦ブリジット(イザベル・ユペール)と夫グザヴィエ(ジャン=ピエール・ダルッサン)
はノルマンディーで畜産業を営んでいる。仕事は順調だが、子供が巣立ってからは穏やかで
平凡な毎日が続いていた。遊び心のあるブリジットが何か変化をもたらそうと努力しても、
実直で無骨な夫は無関心。そんなある日、パリからやってきた若者の誕生パーティが隣家で
開かれ、そこでブリジットは25歳の魅力的なパリジャン、スタン(ピオ・マルマイ)と出会う。
スタンとの楽しい時間は彼女の心に火をつけ、ブリジットは夫に嘘をついて1人パリへと出かけ
ていく。

ロマンチックでユーモアがあってほろりとする、そんな映画だった。ブリジットは夫を愛してい
るし、仕事も問題ない。でも、何か物足りなさを感じている。彼女は胸の辺りに湿疹ができて
いて、一向に治らない。その湿疹は彼女の不満の表れである。ある日ハンサムなパリジャン
に出会って楽しい時間を過ごしたことをいっかけに、彼女はパリの皮膚科で診てもらうと夫に
嘘をつき、1泊2日のプチ家出をする。
パリの街を観光したり、スタンに再会したり、彼女は思い切り羽を伸ばす。そしてスウェーデン
人の渋いおじさまと出会い、親しくなる。
とにかくイザベル・ユペールがチャーミング。この人は重たい役が多いイメージだが、普通の
主婦をこんなにもかわいく軽やかに演じられる人なんだなあ、と驚いた。さすがとしか言い
ようがない。
夫役のジャン=ピエール・ダルッサンもいい。真面目で実直な男だが、あるきっかけで妻が
皮膚科に行ったのではないということを知ると、胸をざわつかせて、妻を追ってパリへ行く。
そしてそこで、妻が男と親し気に歩いているのを見てしまい、ショックを受ける。夫が、ふらり
と入った美術館で、羊飼いの少女の絵を観て、涙ぐむシーンがいい。夫婦は農業高校の
クラスメートで、ブリジットが「将来は羊飼いになりたい」と言ったのを気に入っていたのだ。
更に、夫はサーカス学校へ入ってしまった息子のことを認めていなかったが、その学校に
寄り、息子がトランポリンのアクロバットをするのを見て、思わず拍手をしてしまうシーンも
いい。ここで父と息子は和解するのだ。
ラスト近くで、ブリジットが、夫が自分を追ってパリに来たことを知るが、お互い何も言わない、
というのもいい。結局2人は愛し合っているのだ。胸がじーんとするシーンである。夫婦は
これからも、穏やかで平凡な日々を過ごすのだろう。
とてもいい映画だった。

映画館で、フランス製のラズベリー・サブレを1箱おまけに貰った。おいしかった。



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