1972年のアメリカ映画「ピンク・フラミンゴ」。
凶暴な殺人鬼のディヴァイン(ディヴァイン)は、バブス・ジョンソンと名前を変え、卵しか
食べない頭の弱い母親イーディ(エディス・マッセイ)、変態息子のクラッカー(ダニー・ミルズ)、
覗き趣味のある友人コットン(メアリー・ヴィヴィアン・ピアース)と共に、ボルチモア郊外の
トレーラーハウスに住んでいた。新聞がディヴァインのことを「世界で最も下品な人間」と
評したことから、我らこそが世界で最も下品な人間だと主張するマーベル夫妻(デヴィッド・
ローチャリー、ミンク・ストール)との争いが始まる。
とにかく下品な映画である。世界最低の悪趣味映画として、カルト的な人気があるらしい。
でも、ストーリーはおもしろい。主人公のディヴァインのキャラクターは強烈である。かなり
太っていて、もの凄く変な化粧をしているのだが、この俳優は男性である。ディヴァイン、
母親、息子、友人と、一緒に住んでいる人たちは相当な変態である。友人のコットンだけ
は美人で一見普通の人に見えるのだが。母親のイーディ役の人は、演技とは思えない
ほど、頭の弱い肥満体の人に見える。これが演技なのだと思うと凄い。
そして同じくらい変態的なマーベル夫妻。このマーベル夫妻はディヴァインが「世界で最も
下品な人間」と言われもてはやされていることがおもしろくない。「私たちこそが世界で最も
下品な人間よ!」とディヴァインに対抗意識を燃やし、ディヴァインの住所を調べて、破滅
させる策を練るのだ。
下品さを競ってなんになるというのか、と思うけれども、この映画はそういう映画なのだ。
悪趣味と言えば悪趣味だが、ジョン・ウォーターズというこの映画の監督は、実は大変
頭のいい人なのではないだろうか、と思った。変態さや下劣さがしっかり計算されている
のだ。大体こんな異常な映画を作ろうと思い立つこと自体、普通の感覚ではない。
「ピンク・フラミンゴ」というタイトルも、どういう意味があるのだろう。フラミンゴは元々
ピンクではないか。
異常で、下品で、変態的で、ディヴァインの容姿と共に、強烈に印象に残る映画だ。
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凶暴な殺人鬼のディヴァイン(ディヴァイン)は、バブス・ジョンソンと名前を変え、卵しか
食べない頭の弱い母親イーディ(エディス・マッセイ)、変態息子のクラッカー(ダニー・ミルズ)、
覗き趣味のある友人コットン(メアリー・ヴィヴィアン・ピアース)と共に、ボルチモア郊外の
トレーラーハウスに住んでいた。新聞がディヴァインのことを「世界で最も下品な人間」と
評したことから、我らこそが世界で最も下品な人間だと主張するマーベル夫妻(デヴィッド・
ローチャリー、ミンク・ストール)との争いが始まる。
とにかく下品な映画である。世界最低の悪趣味映画として、カルト的な人気があるらしい。
でも、ストーリーはおもしろい。主人公のディヴァインのキャラクターは強烈である。かなり
太っていて、もの凄く変な化粧をしているのだが、この俳優は男性である。ディヴァイン、
母親、息子、友人と、一緒に住んでいる人たちは相当な変態である。友人のコットンだけ
は美人で一見普通の人に見えるのだが。母親のイーディ役の人は、演技とは思えない
ほど、頭の弱い肥満体の人に見える。これが演技なのだと思うと凄い。
そして同じくらい変態的なマーベル夫妻。このマーベル夫妻はディヴァインが「世界で最も
下品な人間」と言われもてはやされていることがおもしろくない。「私たちこそが世界で最も
下品な人間よ!」とディヴァインに対抗意識を燃やし、ディヴァインの住所を調べて、破滅
させる策を練るのだ。
下品さを競ってなんになるというのか、と思うけれども、この映画はそういう映画なのだ。
悪趣味と言えば悪趣味だが、ジョン・ウォーターズというこの映画の監督は、実は大変
頭のいい人なのではないだろうか、と思った。変態さや下劣さがしっかり計算されている
のだ。大体こんな異常な映画を作ろうと思い立つこと自体、普通の感覚ではない。
「ピンク・フラミンゴ」というタイトルも、どういう意味があるのだろう。フラミンゴは元々
ピンクではないか。
異常で、下品で、変態的で、ディヴァインの容姿と共に、強烈に印象に残る映画だ。
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