猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

特捜部Q キジ殺し

2020-01-18 22:02:01 | 日記
2014年のデンマーク・スウェーデン・ドイツ合作映画「特捜部Q キジ殺し」。

特捜部Qの刑事カール(ニコライ・リー・コス)のデスクに、何故か20年前に捜査
終了したはずの双子のレイプ殺人事件のファイルが置かれていた。何者かの意図
を感じたメンバーたちは再捜査に乗り出し、事件当時に重要情報を知る少女キア
ステン(少女時代/サラ・ソフィー・ボウスニーナ、大人/ダニカ・クルチッチ)が
失踪している事実に辿り着く。すぐにキアステンの行方を追い始めるカールとア
サド(ファレス・ファレス)だったが、キアステンを捜しているのは2人だけでは
なかった。エリート校出身で各界のトップに立つ男たちも、自らの身を危うくす
るリスクを消し去るために彼女を捜し続けていた。

デンマークのベストセラー小説「特捜部Q」シリーズの映画化第2弾。刑事のカ
ールとアサドのコンビに今回から秘書の女性が加わった。20年前に犯人が逮捕
され捜査終了となっていたはずの双子のレイプ殺人事件について再捜査を始める
カールとアサド。やがて事件の鍵を握る女子高生・キアステンが行方不明になっ
ていることがわかる。カールたちはキアステンの行方を追うが、彼女を捜してい
るのは他にもいた。
凄惨な双子の殺人事件。それだけではなく、20年前の色んな出来事が複雑に絡
み合っていて興味深い。エリート校を舞台に起きた悪質な事件の数々。とにかく
事件に関係した高校生たち(今は大人で社会的地位もあるが)があまりに最低で、
怒りが湧いてくる。失踪したキアステンにしても、現在は人目を忍んでホームレ
ス生活を送っているのだが、少しもかわいそうだと思えない。彼女も少女の頃か
ら性格が悪いし、それなりにひどいことをしてきている。そして殺人まで犯して
しまう。
カールはキアステンのことを「彼女は目撃者で通報者だ」という理由から守ろう
とするが、そんなに守るべき存在だろうか。彼女の証言があれば事件の全容がわ
かるとはいえ、どうしてそんなに肩入れするのか納得がいかない。キアステンに
よって人生を滅茶苦茶にされた人もいるし、たとえ彼女が命を狙われる身であっ
たとしても全く同情できないのだ。彼女も傷を負ったことは確かなのだけど。
前作の「特捜部Q 檻の中の女」の犯人の目的は復讐だったので、多少気持ちが
わからなくもないけれど、今回は登場人物が皆最低で胸が悪くなる。でもおもし
ろかったのは今作の方かもしれない。カールとアサドのコンビは相変わらずいい
し、ラストでカールが息子の部屋のドアをノックするシーンも良かった。カール
がいつもボコボコにされるのは、彼の無鉄砲な性格のせいだな。




映画評論・レビューランキング

人気ブログランキング