猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ディセント

2022-08-22 22:11:39 | 日記
2005年のイギリス映画「ディセント」。

サラ(シャウナ・マクドナルド)が交通事故で夫と幼い娘を失ってから1年。
立ち直りきれずにいるサラを少しでも元気づけようと、友人たちが企画し
た女だけで行く冒険旅行の誘いを受けることにしたサラは、皆が集まる山
小屋にやって来た。参加したのはサラの昔からの友達のジュノ(ナタリー
・メンドーサ)ら6人。スリリングな洞窟探検を楽しんでいた一行だったが、
突然の落盤によって出口がふさがれ、迷宮のような洞窟に閉じ込められて
しまう。不安と疲労のためにトラブルを起こしながら出口を求めて暗闇の
中をさまようサラたちだったが、何者かが襲いかかってくる。

サスペンス・ホラーで、サバイバルの要素もあり、なかなかおもしろかっ
た。舞台はほぼ洞窟の中で登場人物も少ないし、いかにも低予算のB級映
画っぽい感じだが、意外によくできていたと思う。それにしても夫と子供
を亡くして立ち直れない友達のために洞窟探検を思いつくとは、欧米の女
性はやっぱり違うというか、逞しいなと思った。普通そういう発想をする
だろうか。私だったら悲しんでいる時にそんなアクティブなことはする気
になれない。
サラたち6人の女性グループはアパラチア山脈奥地の巨大洞窟を訪れる。
不安と期待の入り混じった気持ちで探検をするが、突然の落盤で出口をふ
さがれてしまう。更に1人が穴に落ち、大ケガをしてしまう。助けようと
しながらも言い争いをしてしまう彼女たち。そんな時サラは何者かの人影
を見るのだが、自分たちの他には誰も来ていないはず、と言って皆はサラ
の言うことを信じようとしない。明かりはヘッドランプと懐中電灯だけの
薄暗い中、暗闇からサラの見た何者かが襲いかかってくる。人間のような
姿をしているが人間ではないそれは、穴に落ちた女性を食べ始めた。
この何者かの姿、造形がとても気持ち悪い。人を食う地底人というところ
だろうか、周囲には動物の骨がゴロゴロしている。サラたちはたちまちパ
ニックになり、1人また1人と怪物の犠牲になってしまう。そのうちサラ
は怪物の目が見えていないことに気づく。長い間の地底暮らしに順応し、
目が見えなくなり音に反応するようになっているのだ。サラやジュノは何
とか音を立てずに出口を探そうとする。
欧米の女性は逞しいと書いたが、仲間が食べられていてるのを目の当たり
にしても、だんだん強くなっていくのがすごい。サラやジュノは怪物と戦
い、倒していくのだ。その間にも、女性同士ならではのトラブルが生じた
りして、ただのホラーではないところがおもしろい。あ~そうだったんだ、
それは怒るよね、といった感じ。舞台が洞窟なので薄暗くてちょっと見え
づらいのは仕方ないが、息が詰まってくるような感じで、この映画は閉所
恐怖症の人は観られないだろうなあと思った。




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