猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

藍色夏恋

2015-04-13 03:27:46 | 日記
2002年の台湾・フランス合作映画「藍色夏恋」。
勝気な女子高生モン・クーロウ(グイ・ルンメイ)は、親友のユエチェン(リャン・シュー
ホイ)に頼まれて、チャン・シーハオ(チェン・ボーリン)という水泳部の男の子にユエ
チェンからのラブレターを渡すことになる。だがシーハオはユエチェンではなくクーロウ
を好きになり、猛アタックを受ける。

台湾映画お得意の切ない青春映画である。台湾の街並みはどこか日本と似ていて、懐か
しい感じがする。高校生たちの雰囲気も似ているし、とても親近感が湧く。
親友の代わりにラブレターを渡しにいったクーロウだが、相手の男子に自分が好かれて
しまい、積極的にアタックされる。困ったクーロウは彼を避け続けるが、彼はへこたれない。
少しずつ親しくなってはいくものの、クーロウには秘密があった。
シーハオ役のチェン・ボーリンとクーロウ役のグイ・ルンメイがとても魅力的。この映画は
2人のデビュー作なのだが、本当に瑞々しく高校生の恋を表現していて、好感が持てる。
チェン・ボーリンは爽やかでかっこいい。あんな男子が学校にいたらもてるだろう。グイ・
ルンメイは「薄氷の殺人」に出演していた人だが、顔はちょっと私の好みではない。でも
この役には合っていたと思う。
自転車のシーンが多かったのも台湾らしくていい。
ユエチェンが、ノートに好きなシーハオの名前を書き連ねていくシーンがあるのだが(漢字
は張士豪だったか?よく覚えていないが)、それが次第に木村拓哉、木村拓哉…となって
いくのがおもしろかった。
あと、シーハオが「魚」と大きくプリントされたTシャツを着ていたが、あれはどういう意味
なのか気になっておかしかった。
キラキラした、夏の風のような映画だった。



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ドリームハウス

2015-04-10 02:49:14 | 日記
2011年のアメリカ映画「ドリームハウス」。
有能な編集者として活躍したウィル(ダニエル・クレイグ)は長年勤めた会社を辞め、
ニューヨーク郊外に購入した夢のマイホームに転居した。妻のリビー(レイチェル・
ワイズ)や幼い娘たちと過ごすため、この家で小説を執筆して暮らすことに決めた
からだ。やがて自宅の周囲で不可解な出来事が起こり始める。

初めはオカルト映画かと思ったが、実はミステリーという、なかなかおもしろい映画
だった。主人公ウィルが購入した家の周囲で、おかしなことが起こり始めるが、その
家は、かつて父親を除く家族3人が殺害され、父親が逮捕されたといういわく付きの
家だった。向かいの家の住人アン(ナオミ・ワッツ)の態度も少し変だ。妻のリビーは
不安に思うが、ウィルは気にしていなかった。
ところが、気になり始めたウィルが事件を調べてみると、それは驚くべきものだった。
それがわかった時、冒頭の退職パーティの真相もわかり、ああそうだったのか、と
こちらも驚かされる。
しかし、事件はそれで終わりではなかった。もうひとつの真相が隠されていたのだ。
この本当の真相は、意外でおもしろいのだが、それが明るみになるのが少し突然
すぎる気がした。それに、ちょっと無理があるような気も。その点が残念だったが、
全体としてはおもしろかった。
ラストシーンはウィルの悲しみが伝わってきて、良かった。アンとその娘の優しさが
救いである。



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二重生活

2015-04-06 03:25:11 | 日記
中国・フランス合作映画「二重生活」を観にいった。
中国中部に位置する湖北省の省都、武漢市。ある雨の日、若者たちの乗る車が、若い
女性をはね、死なせる事故が起きた。
ルー・ジエ(ハオ・レイ)は幼い娘と優しい夫と、なに不自由のない生活をしていた。
現在は子育てで休業中だが、夫と共同で経営している会社もうまくいっている。ある日
ルー・ジエは、娘アンアンの幼稚園のクラスメートの男児、ユイハンの母サン・チー
(チー・シー)に、「夫に愛人がいるみたいなの」とカフェで相談を持ちかけられる。
ルー・ジエがカフェの窓の外に目をやると、そこには自分の夫チヤオ・ヨンチャオ(チン・
ハオ)が若い女とホテルから出てきて、キスをしている姿があった。ヨンチャオに愛人が
いると知ったルー・ジエは、ヨンチャオの追跡を始める。

中国の都市・武漢市の人々の生活を垣間見ることができるようなミステリーだった。
ヨンチャオとルー・ジエ夫婦は会社を経営し、家政婦までいるのだから、それなりの富裕
層なのだろう。夫はとても優しく、娘のことも愛している。満ち足りた生活の中で、夫が
浮気しているなどとは夢にも思っていなかった妻は、激しいショックを受ける。
冒頭で若い女性が車にはねられて死ぬのだが、この事故は深い意味を持っており、
真相が後半で明らかになると、驚かされる。ある者の悪意によって、この事故は引き
起こされるのだ。
ルー・ジエに「夫に愛人がいるみたい」とサン・チーが相談を持ちかけたのは、計算の
上での行為だ。おとなしそうなサン・チーの策略ぶりにはゾッとさせられる。結局、彼女
が望んだ通りに事は進んでいる。
中国では男児が尊重されるようだ。日本も昔はそうだったが、今はそれほどでもないだ
ろう。この、男児を尊重するとう慣習が、男にに二重生活をさせるきっかけになっている
のだ。男が2つの家庭を持っていることを、男の母親も公認しているというところが怖い。
中国では、家庭を2つ持っている男性はとても多いらしい。新興富裕層の特徴なのだろ
うか。
また、女性をはねたのが経済界の大物のドラ息子で、刑事に暗に賄賂を頼むシーン
など、いかにも中国らしいなあと思った。「ただの刑事のくせに」と悪態をつくところも。
一見幸せそうに見えるラストシーンだが、幸せそうだからこそ、その後のことを想像す
ると、この映画の重たさを象徴しているようにおもえる。



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