
中国では2012年に、おなじくソフトカバーで4冊セットが出ていたのですが、契約切れか何かで、今回はあらたに別の出版社から。

ページの幅が原本より30ミリくらい広いので、横組みにしたときおさまりが良く、読みやすい気がします。


猫が、冷蔵庫から「ビニールにはいったひらたいぷるぷるしたもの」を探し出してきて、頭痛で寝込んでいるおばさんのおでこにのせる、という場面なのですが…

この「ぷるぷる」の正体が、本文には書いてないんですけど、絵をよく見ると「コンニャク」という文字が入っています。
中国版の校正を見たら、ここが「退熱貼」(たぶん冷えピタ的なもの)となっており、それではぜんぜん面白みが伝わらないではないか。
あ、もしかして、こんにゃくって、中国にはないのかしら?
…と、エージェントさんにおたずねしたところ、あちらでは「蒟蒻」というとカラフルな「こんにゃくゼリー」のイメージなんだそうです。
料理としては、四川や湖南など一部の地域に限定され、あまり一般的ではないらしい。火鍋とか、ピリ辛炒めとか。(←これはAI君の情報)

(「糕」の字は「粉をこねて蒸したもの」という意味なので、かしこいグーグル君は気をきかせて「こんにゃくケーキ」と訳してくれますが…笑)
とにかく、書いたときは海外で翻訳されることまで想定してないもんですからね。ここにぴったりはまる代替品も思いつかないし。
先方にこちらの意図をお伝えした結果、「退熱貼」から「魔芋」に修正していただきました。何だかわかんない子がいたら、ごめんね。

しかし、「魔芋」をおでこにのせると頭痛が治るって、なんとなく呪術的というか、黒魔術っぽいというか…(笑)
おでんの串刺しこんにゃくとか、おせちの手綱こんにゃくとか、日本ではごくあたりまえに食べているけれど、客観的にみると、これはかなり奇妙なたべもの、ですよね。
それと、もうひとつ。同じく『こもりうた』の30ページ。
ここは「危険なので、はさみの絵を削除し、真似しないように、という注意書きを入れたい」と、事前に連絡がありました。

あらためて見ると、はさみが結構とんがっていて、ほんとに切れそうな雰囲気なので、いまだったら日本の出版社でも何か言われるかも。
先の丸い子ども用のはさみにするとか、もうすこし距離をあけたほうがよかったかな、などと思いました。いまさらですが。
