さつきやみ。
五月雨(さみだれ)の頃の暗さをいう。
この頃の夜はあやめも分かぬまで漆黒の闇である。
昼間の暗いのもいう。
(虚子編「新歳時記」より)
5月は特に光のコントラストが強い。
明るいところを見ていて、日陰に目を移すと、まっくらに見える。
それを「五月闇」というのだと、いつからか勝手に思いこんでいたら、
そうではなかった。
雨の夜は暗い。
しかし、「5月の雨の夜は特に暗い」という根拠がよくわからない。
木の葉が茂って空が見通せなくなってくるせいだろうか。
しとしと雨の昼間はたしかに薄暗いけれど、それもまた「闇」と呼ぶのは、
現代の言語感覚ではいまひとつしっくりこない。
雲が低くたれこめていると逆に明るいような夜もある。
ぴいんと晴れて月のない夜のほうが真っ暗なんじゃないかと思う。
いずれにしても「あやめも分かぬまで漆黒の闇」を
街の中で体験するのは非常に難しい。
(追記)
「あやめ」は「文目」で、織り物の模様のこと。
色柄も見分けられないほど暗い、ということ。
「アヤメの花の色もわからない」というのは誤解といえば誤解だけれど、
アヤメという植物名がそもそも「文目」に由来するそうなので、
大間違いというわけではない、ですよね。
「五月」といえば「あやめ」・・こういうのは「縁語」というのかな?
日本語は複雑だ。
「漆黒の闇」をたのしんでいるふしがある。
雨でも闇でも、たのしめる部分があるからこそ、
句になったり歌になったりするのだろう。
歳時記をながめていると、なんとなくポジティヴな気持ちになってくる。

大きい葉っぱはヒマラヤユキノシタ。
シルエットはゲンノショウコ。

桑の木と、桑の影。

茎の赤いスイスチャード。
春以降はアブラナ科の菜っ葉が作れないので、
青虫のつかない葉もの野菜はなかなか貴重。
「スイバ(すかんぽ)」か「ギシギシ」か、いつまでたってもわからない。
しょうがない雑草ではあるけれど、花が綺麗です。
やっぱりスイバのほうかもしれない。
これ、花じゃなくて実なのか。
新発売のスマートフォンの広告を見るともなしに見る。
高速オートフォーカスとか防水防塵とか省電力とか
いろんな機能が並んだ一番下にこうあった。
「センサーに触れるだけで心拍数を計測」
これはナンダ?と首をかしげる。
医学的その他の理由から、日常ひんぱんに心拍数をチェックする
必要のある人がそんなに多いとは思えないのだが。
すくなくともわたしは、これまで心拍数なんて測ったことがないし、
その数値を知らなくても困ったことはないけれど。
いちいち最新型のスマートフォンで測ってみなきゃ
自分がドキドキしてるかどうかもわかんないんだろうか。
(正しい使いみちをご存じの方は教えてください)
本日のゲスト。

ニホンカワトンボ、かな?
うすい羽のグラデーションの透明感と、胴体の水色が美しい。
トンボの英名をドラゴンフライという。
その名のとおり、アップにするとけっこう顔がコワイので、
これくらいで。
トンボというのは、「わあ綺麗だ~!」と思ってカメラをむけても、
ぜんぜん綺麗に写らないもののひとつ。
(というか、ほとんどのものはそうですけども・・)
でも、飛び立ってもまた同じ場所に戻って来てくれるので、
なかなか良いモデルさんでした。
本日のカメキチ。

お、ちょっくら朝のひなたぼっこッてェわけですかい。
(このごろ落語家みたいな顔になってきたのです)
そして、本日のさんちゃん。

ローズマリーとオレガノに囲まれて。
本日の「いいね!」
口笛の天才 (動画)
Roger Whittaker のパフォーマンス