『なまえのないねこ』(小峰書店 2019年)の中国語(簡体)版ができました。
『寻找自己名字的猫』(海豚出版社)。
タイトルは…「自分の名前を探す猫」かな。
先に台湾(繁体)版も出ていますが、訳者さんが違うので、訳文も違います。
(台湾も中国本土も、公用語は同じ中国語だけれど、発音やニュアンスなどけっこう違いがあるらしい)
猫の名前を見ていくと、同じのもあるし、違うのもある。
靴屋の猫は、繁体が「里歐」で、簡体が「雷欧」。本屋の「元太」や犬の「太郎」は、どちらも同じ。パン屋の「海蒂(ハイジ)」と「克拉拉(クララ)」も同じ。
お蕎麦屋さんの「つきみ」は、台湾版ではそのまんま「月見」でしたが、中国版では「荷包蛋」(フーバオダン)。これ、辞書では「ポーチドエッグ」と出るけれど、卵を油でさっと半熟に揚げるんだって。麺にのせれば、中華風の月見そば。美味しそう。
お寺の「じゅげむ」は「寿星」というみたい。
これは古来中国で人の長寿をつかさどるとされる星の名なんだそうです。
こちらは販促グッズ。
クリアファイル(B5サイズ)と、切り抜きカード4種類セット。
版元の新教典さんは中国では最大手の総合出版社で、今年のイチ推し絵本として力を入れてくださっているとか。
https://book.douban.com/subject/36168920/
こちらのリンクの一番下を見ると、中国のレビューがたくさん出ています。
ランダムにひとつ選んで読んでみたら、村上春樹の短編「品川猿」の話から始まってて、ちょうどいまそれ読みかけていたところだったのでびっくりしました。
興味のある方は、グーグル翻訳で読んでね(笑)
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『なまえのないねこ』は、韓国、スペイン(メキシコ)、台湾、スウェーデン、そして中国と、これまで5か国で翻訳出版されました。
さらに、フランス、タイ、ポルトガルからもオファーをいただいています。たのしみです。