丸2日ほど、姿を見せなかったウラシマ。
2夜連続で、さんちゃんと外で大喧嘩したので、
もしかしたら、ここは駄目だと判断して、河岸を変えたかなと…
せっかくさわれるようになったのに、残念ではあるけれど、
それはそれで、まあしかたないかと、半ばあきらめていたところ、
納屋で鯉の餌をひっくり返した奴がいて、逃げて行く姿が、ウラシマ。
いつのまにか、納屋の棚のてっぺんから物を落とし、
ひとりぶんの居場所をこしらえていた。
なるほど、そこなら雨もあたらないし、さんちゃんにもおこられない。
いい場所をみつけたね。
ゴハン食べに来なかったのは、さんちゃんに阻まれたせいもあるけれど、
おそらく、新しい猫ドアのせいだ。
以前は開きっぱなしの穴で、のれんをくぐって、すっと気軽に入れた。
いまは西部劇の酒場のドアくらいの抵抗感がある。
人は「ドア」と知っているけれど、閉まっていれば、猫には「壁」と同じ。
ウラシマは、「突然入り口が消えて閉め出された」に近い。
いや、猫ドアでよそ猫を「閉め出す」ことが可能なんだったら、
最初から「馴らす」方向じゃなく、「徹底して閉め出す」方向も考えたかも…
と思うのですが、いまさら遅い。もうゴハンあげちゃってるし。
なにしろ「食べたい一心」なので、すきまを開けて誘えばするすると入る。
しかし、入ったら最後、頑として出たがらないので、練習にならないのだよ(笑)
さんちゃん(手前)との距離は約2メートル半。
一触即発のぎりぎりライン。
そろりと前進して、2メートル圏内に入ると、
たちまちさんちゃんが「ファーッ!」と威嚇態勢に。
これは一跳びで攻撃できる距離。
ここは、さんちゃんのホームテリトリーだから、
アウェイのウラシマは不利。
文字通り「尻尾を巻いて」退却する。
さらにややこしいことに、背後にはクレがいる。
ウラシマ、はさみ撃ちのピンチ!
「え? ボク、どうしたらいいの?」
と、クレちゃんは何もわかってないんですが(笑)
やっぱり親方は迫力あるよなあ。
(黒いだけ、なんですけどね)
「なんとかしてください」とこっちに言われてもなあ。
猫同士の問題なんだから、自分たちで解決しなさいよ。
「ウラちゃんに噛まれた!」と、Mがあわてて帰ってきた。
おもてで、なでたり膝にのっけたりして遊んでいたら、
何の前ぶれもなく、いきなりがぶっとやられたそうな。
以前、マドリに噛まれたときほどではないものの、
右手の親指のつけねにくいこんだ歯形がくっきりと。
ありゃー。
あとで腫れなければいいけどねえ。
この子は動作が落ち着かないだけでなく、精神的にもまだ不安定だ。
ゴハンくれるヒトに対しては完全に「子猫ちゃん」になりきるし、
他の猫に対してはおとなのオスとして対応する。
何かの拍子で切り替えを誤り、ギアが「戦闘モード」に入ってしまう。
いちおう、納屋がベースキャンプに決まったらしいので、
これでいくらか落ち着くといいのですが。
のぞくたびに棚の上から目を光らせて、ピーピーと大声で鳴く。
なんだか猛禽のヒナでもいるような感じ。
猫って、たしかにフクロウによく似ていると思う。
猫ドア、早く覚えなさい。入りたいでしょ?
「入りたい!」
ヒトに訴える。
ひたすらひたすら訴える!
入れてもらいました。(やかましいので根負けした…)