ときどき通る道に「ヒマラヤ理容店」というのがあって、
ヒマラヤかあ、頭が涼しそうだなあ…と思っていたのだが、
ある日、よくよく見たら、「ヒマラヤ」じゃなくて「ヒラヤマ」だった。
という話を、だいぶ前に書いた気がするのですが、
どうしても見つからないので、また書きます。
前に読んだよ!という方はごめんなさい。
その続き。
ヒマラヤじゃないヒラヤマ理容店からすこし離れたところに
「サウジ理容店」 がある。
こちらは逆に暑そうな名前で、スモーク色のガラスドアからは、
赤白チェックの布をかぶった人が出てきそうな気がする。
わたしは理容店には入る用がないので、いつも通りすがりに
ドアの文字をなんとなく見ているだけだったが、ある日、
よくよく見直したら、「サウジ」じゃなくて「サワジ」と書いてあった。
だけど、最初の印象というのはなかなか消えないもので、
相変わらず、そこを通るときは「ヒマラヤ」と読み、「サウジ」と読み、
そのあとに「じゃなくて」をつけて読み直さねばならない。
「ウ」と「ワ」なんて、字の形がまぎらわしいのもいけないんだけど、
理容店の名前って、どうして片仮名書きが多いのでしょうか。
隣町に、美味しいさつまあげを売っている店があって、
場所は知っているし、行くこともできるのに、店の名がわからない。
「ハヤマ」か「ハマヤ」か、どっちかなのだ。
看板にはちゃんと書いてあるし、包装紙にも書いてある。
でも、その3文字がまとまって目に入り、並び順がうやむやになってしまう。
こっちだと思っていたら、逆だった、ということが何度かあって、
もうぜんぜん自信がないので、「ハヤマかハマヤ」ということにしておく。
同じ片仮名の店名でも、レストランや洋菓子店だと、
イタリア風でもフランス風でも、あまり読み間違えることはない。
(アマンドとコージーコーナーを間違えるのは、
またぜんぜん別の問題です)
しかし、本格的になればなるほど(というか、海外で修業してきた
シェフが新規に開いたお店だったりすると)名前が覚えにくい。
こないだ聞いたブラッスリ・なんとか・カントカというの、
覚えにくいなあと思っていたら、案の定、もう忘れてしまいました。
隣の隣の町で、佐藤さんという人がやっている洋菓子店は、
その名も「さとうや」という。
こういうのは忘れなくて良い。
発音すると「里親」みたいになる。
ふっくらした優しい里親お母さんのスカートのまわりに、
愛らしい里子のケーキたちがまとわりついているような
ほほえましい光景が目に浮かぶ。
(ここのケーキはとても美味しいのですが、場所がわかりにくく、
いまだに自力でたどり着くことができないのです)
このあいだ、某新聞に、わたしの名前が1字間違って載っていた。
変換ミスではなく、入力ミス。
新聞社の人はすごく恐縮して謝ってこられたけれど、
じつは、この間違いは、小学校から現在に至るまで、
何度も経験して、もうすっかり慣れているので、だいじょぶです。
いちいち訂正もしないから、間違ったことに気づかない人も多いはず。
その名前で郵便も来る。配達の人も違うことに気づかないらしい。
何か盲点とか死角みたいなものがあるんだと思う。
姓名ぜんぶ簡単な字ばかりだから、かえって油断してしまうのかな。
「魑魅魍魎」とか「天麩羅饂飩」みたいな難しい名前に変えてみたら
どうでしょうか、ね。
パソコンで文章を書いていると、打ちやすい単語と、
打ちにくい単語がある。
同じ言葉の、同じところで、必ず同じミスをする。
たいてい2文字目、いや、3文字目かな、あぶないのは。
ああこれいつも間違えるよね…と、そのときは思うけれど、
それが何という単語だったか、あとからはなかなか思い出せない。
いま、これを書いていて、「ヒマラヤ」が駄目なことが判明した。
何度やっても指が「ひまやら」と打ってしまい、「やら」を消して
「ら」と打つつもりで、また「や」と打って、ちっとも前に進まない。
2文字目と3文字目のあいだに、いったい何があるのだろうか。
ヒマラヤの深い謎。
本日のいただきもの。
そうだ、あれ、出たんだっけ!と思っていた矢先に
いただきました。にゃんこ切手。
おてつだいねこの好きな妙子さん、ありがとうございます。
そして、これはMのおみやげ。
この人はいったいどこに行ってきたのでしょう(笑)