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チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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第24話 もちつき

2006年12月27日 | チエちゃん
 チエちゃん家では、お父さんがお正月休みで帰ってくるのを待って、もちつきをしました。もちろん、臼と杵を使います。
もちつきは28日か30日に行いました。
29日は「九餅(くもち)」と言って、縁起を担ぎ、もちつきをしません。九は苦につながるからです。

 その日、お母さんは朝から大忙しです。
戸外にある竈に大釜をセットして、湯を沸かし、もち米を蒸します。
蒸し上がったもち米を臼にあけ、杵を使い最初はお米粒をつぶすようにこねていきます。蒸し上がったばかりのもち米を臼の中から取って、つまみ食いするととても美味しかったものです。
チエちゃんはこれが大好きでした。
チエちゃんと弟のたかひろくんも、小さな杵を使い、代わる代わるお手伝いをします。
米粒がつぶれたら、いよいよ杵を振り下ろして、ぺったんぺったんとついていきます。
お父さんと、お母さんの息がぴったりと合って、お餅が出来上がりました。

 出来上がったお餅で、最初は鏡餅を作ります。
のし台の上に片栗粉をふっておき、その上にお餅を載せます。お母さんが手際よく、お餅をちぎっていきます。それを丸めるのはおばあちゃんです。
お餅を丸めるには年季がいります。おばあちゃんが丸めると、なめらかで、つるつるとした鏡餅が出来上がりました。
チエちゃんも小さいお餅を丸めてみますが、なかなか上手くいきません。
いつまでも丸めていると固くなって、どうしようもなくなるのでした。
神棚にお供えする分、仏壇の分、竈の分、井戸の分・・・たくさんの神様の分を作ったものでした。

 次につき上がったお餅は、四角の木枠にいれ、のし餅にします。
これは、1日ぐらい置いて固まったものを切り餅にしました。

 お昼には、早速、つきたてのお餅をあんこや雑煮にして、たくさんいただいたものです。

 最近は、餅つき機が登場し、たいへん便利になったのですが、昔ながらの餅つきの方が風情があっていいですね。