
写真は、松川遊歩道沿いにある木造三階建ての建物(いなば館)で、古きよき時代を感じさせる風格が漂う。前を流れる松川で遊ぶ鯉や鴨と古色然とした町並みが妙な郷愁を誘う。風景に見とれていて(決して被写体ではない)、カメラを落としてしまい故障したようで、画面に光の筋が入ってくる。この生来の粗忽さはいつまでたっても治らないようだ。
翌朝、もう一度、立派な建物を見たくて女房と松川遊歩道を海辺までジョギング。と言えば聞こえが良いが、前日予約しておいた店で干物を買い込むのが真の目的だった。店先の七輪でししゃもをご馳走になったあと宿に戻り、朝風呂で手足を伸ばし、朝食。まさに伊東温泉は、好奇心と食欲そしてお湯の欲求すべてを満たすのんびり旅のフィナーレにふさわしかった。