プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

●メディアの威力

2005-03-15 11:34:00 | 日記・エッセイ・コラム
 「焦土作戦」「ポイズンピル」「ホワイト・ナイト」「クラウンジュエル」等々、連日耳慣れないM&A用語が登場する。他にも将来のターゲットを意味する「眠れる美女」や、「ピープルピル」といった物騒な用語も。その数30以上あるとか。

 M&Aは資本主義社会の宿命だが、かつてのように水面下で画策するのではなく、表面化し堂々と渡り合っているのがIT時代を象徴しているようで興味深い。同時に、IT時代におけるメディアのあり方が問われていることも事実だ。マスメディアのあり方に対する批判は以前からもあった。オピニオン・リーダー層やマスコミが世論形成するけん引役である以上、その果たす役割はある意味においては脅威だ。一方、ITの申し子のようなblogでは、アミーバ状に飛び交うバイアスのかからない情報を通じて、自分の意見を形成するようになるとの考えもある程度理解できる。

 しかしながら、フジとライブドア問題の根底には、メディアに対するビジョンのちがいがあるのだろうか?それとも、同床異夢なのだろうか?ITの概念を曖昧なままに、都合よく使用している気がしてならない。ITの代表格のインターネットはあくまでも情報収集ツールであって、その情報を解析・加工し新たな価値を創造するのは、それを操作するエンドユーザーだ。エンドユーザーが自己の価値観を確立するためには、一番基礎になる知性を磨く学習以外にない筈。両者間の問題を単なる企業買収劇とせず、現代社会の経済構造やメディアのあり方について、真剣に考える機会にすべきなのではないだろうか。