美瑛の町は、富良野とならび丘陵の風景が美しい。パッチワークの丘やケンとメリーの木、セブンスターの木などコマーシャルの撮影にもよく登場するが、町並みも整然としており、りんとした雰囲気がただよう中に緑が多く、ゆとりを感じさせる家々が建ち並んでいる。 白樺並木が続く歩道は広く、家の庭には個性的な造作物が施されており、足を止めてみたくなる(写真は、左上がJR美瑛駅、中程の左が白樺並木の歩道、右が民家の庭先のデコレーション)。滞在中、好物のジャガバターやポテトグラタン、今が旬のアスパラガスを堪能した。食文化探求も一興だが、今回は別の目的があった。
それは、話題沸騰の「旭山動物園」を訪ねること。毎年、入園者数が増え続け、最近では外国からの観光客も目立つという秘密を知りたかった。 旭山動物園は、園長と飼育係のユニークな創意工夫で人気を呼んでいるが、その基本は”行動展示”にあるらしい。いわば、動物を見世物やショーではなく、本来の生態系や行動をありのままに発揮できる環境を整えることを基本コンセプトに据えているので、観る側がストレートに感動するというわけだ。
北極熊館やペンギン館、オランウータン、あざらし館などが大人気で、食事をする時間(「もぐもぐタイム」)には、大勢の人が押し寄せ、飼育係りの説明を聞きながら動物のしぐさを観察し、歓声をあげていた。北国の厳しい季節を克服する動物達の生命力に共感し、元気をもらう喜びがリピーターを呼び集めるのではないかと思った。が、残念ながら、私には今なお、人気の秘密が分からない。