少子高齢化は、誰もが否定しないキーワード。しかし、この傾向は何も最近に始まったことではない。好ましくないが致命的ではなく、悲観的になることもない。
この際、一歩踏み込んで「少子化やむなし」と言いたい。少子高齢化の弊害は、若年労働人口の減少による経済への影響や年金負担増に直結するし、医療費の膨張にもつながる。また、逆さピラミッド型の人口分布は、活力を失い、多くの社会問題を引き起こすとの批判は百も承知だ。
しかし、長いスパンでみれば、日本の人口が1億人を割り、8000万人になったら何が不都合なのだろうか?もともと、狭い国土で資源が少ない国に、人口が密集していることの方が不自然ではないのか。憲法でうたう”健康で文化的な生活”とは、防衛を機軸とした日米同盟(=世界侵略)とか、企業の海外進出(=経済侵略)によって実現すべきものではないはず。
身の丈不相応に膨張した経済構造、豊かさに慣れきった精神構造そのものを謙虚に見つめ直すべきではないのか。そして、21世紀に相応しい新たな価値観を確立すべき時が到来していると思う。そのための”痛み”に耐える必要性を感じる。