昨年、島根県議会が2月22日を「竹島の日」に制定した際、韓国内で激しい反日行動が相次いだことで、日本国内でも、竹島問題に対する関心が高まった。が、対抗措置として、韓国南部にある馬山市議会が、6月19日を「対馬の日」と決めたことは、大きく報道されなかった。
対馬は平成15年の合併で、島が対馬市として一つに統合されたが、財政事情は夕張市と大差無い状態だ。市をあげて韓国からの観光客誘致に力を注ぎ、別荘地開発を進めている。市内にハングル文字の看板が立ち並ぶ光景は、韓国領かと錯覚しそうだ。
本土からは132km、沖合い50kmの対岸は釜山で、外国に近い。政府が地方の創意工夫で自立を促す政策を掲げる以上、一部住民から売国奴の批判を浴びながらも、マーケットとして期待する気持ちも分からぬではない。しかし、韓国人向けの分譲別荘まで登場している現状は、国境問題があるだけに微妙だ。
竹島と違い、対馬は4万人をこえる日本人が住む島。「対馬の日」は、言いがかりでしかないが、竹島に限らず、北方領土や沖ノ鳥島等も含めた領土問題を未解決のまま放置していると、海洋国日本の貴重な財産が有効に活用出来ないと懸念する。