日頃、何気なく見ていた光景も、注意深く観察していると、「値段見て 裏見て もどす 中国産」。なかには、「おーい、ここは中国産ばっかしやぞい」と、声を張り上げている男性も見かける。
国産愛好家の会から表彰されても良い位の女房殿は、さしずめ、「値段見て 裏見て なっとく国産品」か。我が家の冷蔵庫にある冷凍食品といえば、ブルーベリーくらいのものだから、今回のトラブルは無縁だ。事故か事件かをめぐる政府の弱腰発言も情けない。
しかし、食糧自給率を改善する気迫も無い農水行政のお粗末さには辟易する。「安かろう 悪かろう」は、世の常で、「安くて 安全かつ品質の良い物」を高人件費国で、期待する方が無理難題というものだが、自営業者は精一杯工夫している。
朝霞市内で、パン屋を営む娘婿は、数少ない「安くて品質の良いパン」を作ることに生きがいを感じてきたが、「小麦粉の売り渡し価格30%アップ」のニュースに、「廃業か」とショックを隠せない。大手は、原材料のアップ分を企業努力で吸収できるが、学校や幼稚園にパンを納品している零細自営業者には、価格アップは顧客離れを意味する。かといって、このままでは赤字になるのは必至の状況だ。気合だけでは限界があるだけに、何の手助けも出来ない自分が歯がゆい。