ハーメルンは、道に埋め込んである銅板製のネズミを辿れば、名所を30分位で一巡出来る狭い町。以前は、歩道にペンキで描かれていたと記憶している。見易くしたのか、塗り替えの無駄を省くためなのか分からぬが、私の目には殺風景に映った。
さて、この町を一躍、有名にしたグリム童話「ハーメルンの笛吹き男」は、史実に基づく話で、ネズミを退治したら報酬を払うと約束した市民達が、約束を反故にしたら、130人の子供が街から姿を消したストーリー。怒った笛吹き男の復讐説や、事故、伝染病(ペスト)、十字軍説など諸説があり、謎めいている。
5月上旬から9月中旬までの毎週日曜日に上演される「ハーメルンの笛吹き男」の野外劇は、市民によるもので、いわば学芸会。
ハーメルンからゴスラーへ移動する車中、日本の昔話とグリム童話の違いを巡って、議論する人達がいた。
残酷性やハッピー・エンドで対比するが、いずれも決め手が無く、どう捉えるかは、読む人の感性の問題であって、安直な受け売りの解説は無用と、沈黙を守った。