北京オリンピックの開幕とともに、メディアは連日、日本選手団の活躍状況を詳しく報じている。4年に一度の世界最高レベルのスポーツ大会であり、平和の祭典だから応援にも熱が入るのは当然かもしれない。しかし、テロ対策のために厳戒態勢を敷く現実が虚偽の平和を実証している。
今朝のニュースでも、ロシア軍がグルジアを空爆し戦火が拡大していると伝えていた。イラクやアフガニスタン、或いは、ウイグル地区でも紛争は続発しているのが現実だ。ともすると、イベントを華やかに盛り上げることで、国際的にも重要な事件がその陰に隠れてしまう恐れがある。
日本国内でも、中国の毒ギョーザ事件の情報を政府は隠ぺいしていた。外務大臣の釈明会見では、「捜査に影響するから伏せておいてくれと頼まれたら、協力するのが当然」と開き直った。サミット開幕1か月前に中国から報告を受けたものが、なぜ、1新聞社のスクープで表面化したのだろう?しかも、北京五輪の開幕のタイミングにだ。
イージス艦への給油活動や原潜からの放射能漏れを公開しないでいた外務省には、どういった外交機密があり、どんな国益を守ろうとしているのだろう。中国の体制を情報隠ぺい体質と批判する資格が日本政府にあるのか疑わしい。平和の祭典の象徴としてオリンピックを位置付けるならば、開催そのものが虚偽のそしりを免れない気がして、テレビ中継を楽しく観ることが出来ないでいる。