プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★トルコ紀行(2/5):イスタンブール(その2)

2010-11-02 08:42:46 | 旅行記

051_3 053_2  歴代のスルタンが居城とした「トプカプ宮殿」は、70万平方㎞(東京ドームの約15倍)もの広大な敷地を誇り、4つの庭園に分かれ、それを取り囲む建物が現在、博物館として利用されている。   宮殿は、小さな建物と数多くの部屋で連なる構造となっているが、これは中央アジアの遊牧民的な伝統に基くものだとの説明を受けた。

040_2041_3   第一の庭の奥に外廷の正門(「挨拶の門」)があり、博物館への入場口になっている。第二の庭正面奥に内廷の正門(「幸福の門」)がある。 外廷は行政と公式行事、内廷は、君主の私生活の場として使われた。

057 055  第3庭園にある宝物館には、大きなエメラルドをはめ込んだ短剣や、86カラットの巨大ダイヤ等、目を見張る宝石類が陳列されており、見学の人で長蛇の列が絶えなかった。高価な宝物類を見る度に、略奪の歴史が重なり気が重く、見入る妻を残して庭園へ逃げ出した。

045   三方をボスポラス海峡とマルマラ海、金角湾に囲まれた丘の上に位置する宮殿からの景色は素晴らしい。海峡を行き交う船の多さは、オスマン帝国時代の繁栄を物語るようで、往時を想像し、圧倒される思いだった。


★トルコ紀行(1/5):イスタンブール(その1)

2010-11-01 11:17:09 | 旅行記

 071 夜明け1時間位前、耳をつんざくようなアザーンの声で目が覚めた。近くのモスクに設置されたスピーカーを通して流れて来ていると知ったのは、イスタンブール滞在3日目だった。イスラム教の礼拝(サラート)は、一日5回行われるが、一回目は信徒の1日の始まりとなる。064

 アザーンとは、信徒に対する礼拝への呼びかけを意味し、キリスト教の鐘、ユダヤ教のラッパと同じ役割にあたる。最初、うるさく思えたアザーンを毎日聞いているうちに、ゆっくりと間をおいた朗唱が心地よい響きに変じた。

 075 イスタンブールの代表格のブルーモスクには、ユニークなエピソードが残されている。モスクの尖塔を「ミナレット」と称し、その本数が格式を示すが、メッカ(アラビア半島の中西部)以外では、4本までと決められているのに、ブルーモスクには6本もある。

 現地ガイドによると、モスク建設を命じたアフメット1世が、「金」のミナレットと言ったのを、「6本」と聞きちがえたのだとか。トルコ語で、「金」は「アルトゥン」、「6」を「アルトゥ」と発音するそうだが、真偽の程は定かではない。

 キリスト教圏や仏教圏で、町全体に讃美歌や読経が流れることはなく、イスラム教のアッラーフ信仰が如何に強固なものかを思い知った。これは、トルコ国内どこに行っても同じで、日常生活の基盤を成しており、他国で感じたことのない鮮烈な印象だった(写真左上と右はブルーモスク、左下はアヤソフィア)。