
シャシはラドゥというお菓子(食べてみた~い!)を、とっても上手に作るごく普通の主婦。姪の結婚式の手伝いのため、夫や子どもたちより一足先にニューヨークへ行くことになる。でも、彼女、英語が話せなくて、家族からいつもからかわれては傷ついていた。
外国に旅行してその国の言葉が話せないのはとっても不便である。シャシがカフェに入って注文するのに四苦八苦するシーンがある。普段自分が住んでいる国と注文の仕方がずいぶん異なっていて、おたおたしているうちに後ろに長蛇の列が出来たりすると、ただでさえ緊張しているのに余計に何を注文していいのか分からなくなってしまう。こんな経験は決してシャシだけのものではない。
そこで一念発起、彼女は「4週間で英語が話せる」という英会話学校に通うことにする。いろんな国からさまざまな理由でアメリカへやって来たクラスメートと一緒に学んでいるうちに、夫や子どもたちが一番で自分を二の次にしてきたシャシは、次第にひとりの人間として自信を取り戻し輝いていく。
インドはもともとイギリスの植民地だったし、シャシの家庭も経済的に恵まれた環境なので、シャシの年齢では学校時代に英語を学んだのではと思っていたが、必ずしもそうではなかったようだ。今や日本では若い人たちは英語プラスもう一つ外国語がしゃべれることが就職に有利になるという時代だそうだ。外国旅行で必死に知っている英単語を並べ、指さしでなんとかコミュニケーションを図っている中高年とはえらい違いである。
色鮮やかなサリーを身に纏ったシャシが、とにかく美しい。最近はインド映画のいきなり歌って踊り出すシーンが以前と比べてグッとおとなしくなってきているが、やっぱり楽しくて大好きだ。(久)
原題:English Vinglish
監督:ガウリ・シンデー
脚本:ガウリ・シンデー
出演:シュリデヴィ、アディル・フセイン、メーディ・ネブー、アミターブ・バッチャン