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「GODZILLA ゴジラ」 (2014年 アメリカ映画)

2014年08月11日 | 映画の感想・批評


 日本初の怪獣映画「ゴジラ」が公開されてから60年。この記念すべき年に2度目のハリウッド製ゴジラ映画が誕生した。ゴジラ映画は今までに28本が日本の東宝で製作され、1998年のハリウッド製と合わせて30作目となる。日本が生んだこの怪獣はもう世界中に知れ渡り、本作はアメリカですでに興収2億ドルを超える大ヒットを記録している。還暦を迎え、ますますパワーアップしたゴジラに会える!!
 今回メガホンをとったのは、39歳の新鋭ギャルス・エドワーズ監督。母国イギリスでドキュメンタリー作品などのVFXクリエイターとして活躍。長編映画は「モンスターズ/地球外生命体」のみで、なんと本作がハリウッドメジャー初監督作品となる。
 エドワーズ監督、よほど日本のゴジラ映画がお気に入りと見えて、映画は1954年3月1日のビキニ環礁で行われた水爆実験のニュースから始まる。この年こそゴジラの第1作が誕生した年であり、その後、物語の核となる原子力発電所の事故(まさにHUKUSHIMA)に結び付け、核がもたらす脅威を観客に否応なしに見せつけてくれる。
 それにも増して特徴的なのが、ゴジラの登場場面。あのテーマソングが聞こえないのは残念だが、なかなか姿を現さずに被害を先に見せてからサスペンスを煽るところは、まさにTOHOゴジラ映画の真髄。新怪獣ムートー(MUTO)との戦いも、「トランスフォーマー」のようにこれでもかと何度も繰り返すのではなく、(さすがに見ていてしんどい)最後の一戦に集中して盛り上げる手法は、観客と一体となる(思わず応援したくなる)という意味で成功している。
 それにしても渡辺謙演じる芹沢博士、いくら放射能を食べてくれるとはいえ、あんな恐ろしい生物を飼っちゃいけませんなあ。 
 (HIRO)

監督:ギャレス・エドワーズ
脚本:マックス・ボレンスタイン
撮影:シーマス・マッガーヴェイ
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺謙、エリザベス・オルセン、ブライアン・クランストン、ジュリエット・ビノシュ