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「ベイマックス」 (2014年 アメリカ映画)

2015年01月11日 | 映画の感想・批評

 
 「アナと雪の女王」に続いておくるディズニーアニメの最新作。今回のキャラは真っ白な癒し系ロボット。その名はベイマックス!主人公のヒロは天才的な理数系頭脳を持ちながら、まだその使い方を知らない14歳の少年。工科大学に通う兄のタダシを事故で失って以来、深い悲しみのあまり、心を閉ざしてしまう。そんな情況の中、兄の部屋からベイマックスが見つかる。タダシの思いを受け継いでヒロを守るために生まれてきたケア・ロボットで、人の身体や心の状態をセンサーで感知して治療してくれる。外部はマシュマロのように柔らかで、話し方も穏やか。思わずタッチしてみたくなるロボットだ。
 ロボット技術には、自由に動くための技術、コミュニケーションや状況を判断して行動するためのセンサーや人工頭脳の技術、人が思わず好きになるような、素敵な外観にする技術などがあるが、ベイマックスはこの3つの要素をすべて兼ね備えた理想のロボットだ。ベイマックスの優しさと大学仲間たちの励ましにより少しずつ立ち直っていくヒロだが、兄の死の裏には恐ろしい陰謀が隠されていて…。
 ここからは原題「BIG HERO 6」の名が示す通り“戦隊ヒーロー活劇”として物語は進んでいく。誰かを助けるために自分の持つ力や才能をどのように使うべきか、スピーディな展開ながらテーマは見る者にしっかりと伝わってくる。子どもたちや若者にもってこいのテーマだ。
 最新のロボット工学を紹介しているのに加え、日本文化を色濃く現している世界観も見もの。舞台のサンフランソウキョウには、金門橋や路面電車というシスコの代名詞ともいえる物がたくさん登場するが、街の中はどこか東京風。ドン・ホール&クリス・ウィリアムズ監督をはじめ、スタッフが日本びいきなのはきっと間違いなさそうだ。
 (HIRO)

原題:「BIG HERO 6」
監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ
製作総指揮:ジョン・ラセター
脚本:ロバート・L・ベアード、ダニエル・ガーソン、ジョーダン・ロバーツ
VOICE CAST:スコット・アツィット、ライアン・ポッター、ダニエル・ヘニー、
日本語吹替版キャスト:菅野美穂、小泉孝太郎、川島得愛、本城雄太郎