シネマ見どころ

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「SING / シング」 (2016年 アメリカ映画)

2017年04月11日 | 映画の感想・批評


 「ラ・ラ・ランド」「モアナと伝説の海」そして「ドラえもん」と、ヒット作が相次ぐ春休み興行だが、激戦の中、頭一つリードしそうなのが「SING/シング」だ。「ミニオンズ」シリーズで名を馳せたイルミネーション・エンターティンメントが贈るこの新作は、ビートルズからレディ・ガガ、そして最新のヒットソングまで、いつかどこかで聴いたことがある名曲が60曲以上も登場する、うきうきする春にふさわしい、そして音楽好きにはたまらない、愛と笑いに満ちたアニメーションだ。
 主人公は倒産寸前の『ムーン劇場』の支配人、コアラのバスター。父から譲り受けた劇場を何とか立て直したい一心で思いついたのが、かつてない歌のコンテストをこの劇場で開催すること。自分の人生を変えるチャンスと、多額の賞金(?)を目当てに集まってきた大勢の参加者の中から、予選を勝ち抜いたメンバーたちは揃いもそろってユニーク。ビッグマウスで自己チューなジャズシンガー、ネズミのマイク。家事と子どもの世話に追われる主婦、ブタのロジータ。歌手の夢を捨てきれないギャング一家の息子、ゴリラのジョニー。彼氏の浮気に傷ついたパンクロッカー、ヤマアラシのアッシュ。超ハイテンションなエンターティナー、ブタのグンター。そして歌唱力抜群なのにとっても内気な少女、ゾウのミーナ。それぞれ悩みはあるけれど、共通しているのは歌が大好きだということ。
 このキャラクターを演じている声優陣がまた豪華。アカデミー賞受賞歴もあるマシュー・マコノヒーをはじめ、スカーレット・ヨハンソン、リーズ・ウィザースプーン・・・、日本語吹替え版でも内村光良やMISIA,長澤まさみ等々。さて、誰がどの役で出てくるかはお楽しみだが、皆さんとっても歌がうまい!!
 歌うこと、夢見ること、すごくシンプルな内容なのだが、個性豊かな動物たちが与えてくれる優しい愛に加え、歌うことの喜びと高揚感が何度も味わえる、まさにザッツ・エンターティンメントな作品に仕上がっている。特筆すべきは笑いを誘うトカゲのおばあちゃん秘書、ミス・グローリーをガース・ジェニングス監督自身が演じていること。これはもう一度、字幕版を観なくては!! 
 (HIRO)

監督:ガース・ジェニングス
脚本:ガース・ジェニングス
編集:グレゴリー・パーラー
音楽:ジョビィ・タルボット
キャラクター・デザイン:エリック・ギヨン
声の出演:マシューマコノヒー、リーズ・ウィザースプーン、スカーレット・ヨハンソン、セス・マクファーレン、タロン・エガートン、トミー・ケリー、ニック・クロール、ガース・ジェニングス
日本語版声の出演:内村光良、MISIA,長澤まさみ、大橋卓弥(スキマスイッチ)、斉藤司(トレンディエンジェル)、山寺宏一、田中真弓、宮野真守、坂本真綾、大地真央