テニス界の女王であるウィリアムズ姉妹を育てた父親のリチャード・ウィリアムズを取り上げた作品。原題は「KING RICHARD」。とにかく破天荒。娘達が生まれる前から、トップアスリートになる為の「ドリームプラン」を立て、それを着実に実行に移していく。しかも独学で。そんなこと可能なのだろうか?でも、実際にチャンピオンは誕生したので、間違っていなかったということか・・・。それにしても信じ難い。
小さい頃は、勉学もきっちりさせる。成績はオールAでないと練習させない。試合に勝って浮かれていると、謙虚さを忘れてはいけないと、空気を読むことなく叱咤。あまりにもスパルタが過ぎるように見えてしまい、隣人から子供達を虐待しているとの通報を受けてしまう程。でも、姉妹はどんどん強くなっていく。もっと、テニスがしたいと言う。十代初めにして、自分が目指すべき姿がはっきりしている。何がしたいのかがはっきりしている。ありがちな嫉妬もなく、姉妹との関係はすごく個人が尊重され、姉だけが脚光を浴びる時期も関係性は良好。父親の教育と欧米ならでは個人の考えを優先するものだろうか。歳が近い姉妹なので、もっと喧嘩したりいがみ合ったりするのかと思いきや、内なる闘争心は秘めつつも、お互いを認め合う。自分に自信がある。中々出来ない。奥さんも個人の想いは秘めつつも、二人には献身的。「ドリームプラン」(=父親)にブレない芯が通っていることで、家族全員が“強い人間”になっていくのであろうか。
本作が良かったと思えたのは、単なるアメリカンドリームの実現の映画ではなく、裕福な家庭の子供達をクラブハウスにお金目的で受け入れ、それを指摘されてもあっさり認める場面があることや、チャンピオンになった後を想定した父親の教育方針(ただ、その教え方もスパルタ)等の場面があること。何もかも順風満帆な夢物語だけではないのである。
また、黒人が抱える問題も取り上げる。姉妹が活躍すると間違いなく黒人問題がクローズアップされる。それにどう対応するのか?一昨年の「Black Lives Matter」を思い出させる。それを見越した発言も。先見の明はあったということか。
本年アカデミー賞(作品賞・脚本賞・編集賞・主演男優賞・助演女優賞・歌曲賞)にノミネート。受賞する部門もあるのでは?コーチ役のジョン・バーンサルも、実際の人物は知らないが、こんな人いる!と思えて、上手いと思ったが、ノミネートには入っておらず残念。
それにしても、日本語タイトルは、何故「ドリームプラン」???原題が良いと思うが・・・。パワハラやモラハラに配慮したのか・・・。何事もハラスメント縛りにする時代の象徴か・・・。
(kenya)
原題:KING RICHARD
監督:レイナルド・マーカス・グリーン
脚本:ザック・ベイリン
撮影:ロバート・エルスウィット
出演:ウィル・スミス、アーンジャニュー・エリス、サナイヤ・シドニー、デミ・シングルトン、トニー・ゴールドウィン、ジョン・バーンサル
小さい頃は、勉学もきっちりさせる。成績はオールAでないと練習させない。試合に勝って浮かれていると、謙虚さを忘れてはいけないと、空気を読むことなく叱咤。あまりにもスパルタが過ぎるように見えてしまい、隣人から子供達を虐待しているとの通報を受けてしまう程。でも、姉妹はどんどん強くなっていく。もっと、テニスがしたいと言う。十代初めにして、自分が目指すべき姿がはっきりしている。何がしたいのかがはっきりしている。ありがちな嫉妬もなく、姉妹との関係はすごく個人が尊重され、姉だけが脚光を浴びる時期も関係性は良好。父親の教育と欧米ならでは個人の考えを優先するものだろうか。歳が近い姉妹なので、もっと喧嘩したりいがみ合ったりするのかと思いきや、内なる闘争心は秘めつつも、お互いを認め合う。自分に自信がある。中々出来ない。奥さんも個人の想いは秘めつつも、二人には献身的。「ドリームプラン」(=父親)にブレない芯が通っていることで、家族全員が“強い人間”になっていくのであろうか。
本作が良かったと思えたのは、単なるアメリカンドリームの実現の映画ではなく、裕福な家庭の子供達をクラブハウスにお金目的で受け入れ、それを指摘されてもあっさり認める場面があることや、チャンピオンになった後を想定した父親の教育方針(ただ、その教え方もスパルタ)等の場面があること。何もかも順風満帆な夢物語だけではないのである。
また、黒人が抱える問題も取り上げる。姉妹が活躍すると間違いなく黒人問題がクローズアップされる。それにどう対応するのか?一昨年の「Black Lives Matter」を思い出させる。それを見越した発言も。先見の明はあったということか。
本年アカデミー賞(作品賞・脚本賞・編集賞・主演男優賞・助演女優賞・歌曲賞)にノミネート。受賞する部門もあるのでは?コーチ役のジョン・バーンサルも、実際の人物は知らないが、こんな人いる!と思えて、上手いと思ったが、ノミネートには入っておらず残念。
それにしても、日本語タイトルは、何故「ドリームプラン」???原題が良いと思うが・・・。パワハラやモラハラに配慮したのか・・・。何事もハラスメント縛りにする時代の象徴か・・・。
(kenya)
原題:KING RICHARD
監督:レイナルド・マーカス・グリーン
脚本:ザック・ベイリン
撮影:ロバート・エルスウィット
出演:ウィル・スミス、アーンジャニュー・エリス、サナイヤ・シドニー、デミ・シングルトン、トニー・ゴールドウィン、ジョン・バーンサル