2013年9月10日 みちのく丸

2013年09月10日 | 風の旅人日乗
試乗レポートを雑誌に書くために、
レポートには到底書き込めない量の
みちのく丸や弁財船に関する資料を
読み込むことをまだ続けているのだけれど、
そろそろキリを付けないと
別の業務に支障が出てくるようになってきた。

今週中に泊まりがけで打ち合わせに行くと約束している名古屋にも、
まだ行けないでいる。
海外の業者とのメールでの交渉ごとも滞っている。
状況次第では来週には海外出張もありそうなのに、
その下準備もまったくできていない。

正直言うとこの書き仕事を引き受けたことを、
チラリと後悔することが、1日に1分ほどある。
荷が重すぎたかな、とも思う。

でもね。本当は分かっている。
この仕事を依頼してもらったことは、
とても幸運だった、ってこと。


みちのく丸@ディズニーシー沖。phoyo by Ken Ando / Kazi

この仕事のおかげで、
日本の伝統和船のこと、
その和船を復元しようと夢見た人物のこと、
その復元船の完成を待たずに故人となったその人物の
夢を引き継いで、
それこそ本来の仕事に支障をきたしながらも、
チカラを合わせて、懸命に努力して
無償の奉仕でその復元船を運航し
整備し保存している人たちのことを、
知ることができた。
その人たちと繋がることができた。


青森セーリングクラブの皆さん@ディズニーシー沖。
photo by Ken Ando / Kazi

日本の次世代セーラーのために
自分に何ができるか、何をすべきか、
ヒントのようなものを
心に宿らせることもできた。

本当に感謝しています。
考えてみたら、
別の業務に支障を及ぼさずに
この仕事を完遂したいのなら
睡眠時間を減らせばいいだけのこと。
それで済むのなら、
この機会をいただいたことは
ただただ、有難い。




2013年9月9日 America's Cupレポート作成のためのメモ-2 Race#3&4

2013年09月09日 | 風の旅人日乗
今週中にまとめなければいけない
America's Cup速報レポート作成のための、
自分用の記録&ワンポイントメモ、その2。


34th America’s Cup Standings (first to 9 points wins)

Emirates Team New Zealand – 3
ORACLE TEAM USA – 0

Race 3 Performance Data

Course: 5 Legs/9.94 nautical miles
Elapsed Time: ETNZ – 25:00, OTUSA – 25:28
Delta: ETNZ +:28
Total distance sailed: ETNZ – 11.8 NM, OTUSA – 12.1 NM
Average Speed: ETNZ – 28.57 knots (33 mph), OTUSA – 28.62 knots (33 mph)
Top Speed: ETNZ – 42.25 knots (49 mph), OTUSA – 41.37 knots (48 mph)
Windspeed: Average – 16.8 knots, Peak – 19.3 knots


Race 4 Performance Data

Course: 5 Legs/9.94 nautical miles
Elapsed Time: OTUSA – 22:42, ETNZ – 22:50
Delta: OTUSA +:08
Total distance sailed: OTUSA – 11.7 NM, ETNZ – 11.7 NM
Average Speed: OTUSA – 30.99 knots (36 mph), ETNZ – 30.92 knots (36 mph)
Top Speed: OTUSA – 45.97 knots (53 mph), ETNZ – 44.98 knots (52 mph)
Windspeed: Average – 19.5 knots, Peak – 23.3 knots

自分用メモ;
1、風速が20ノット近くまで上がった(平均19.5kt、最大23.3kt)第4レースで、
OTUSA最初の一勝。8秒差。
2、レース開始前に下されたペナルティーにより、
OTUSAはあと1勝してからじゃないとポイントをゲットできない。
3、風速が20ノットのコンディションになって初めて
OTUSA勝てたのは、興味深い。
クローズホールドのボートスピードが26ktまでいくようになると、
OTUSAが速いように思えた。
ダウンウインドは、パフに入っているか否かの差だけのように見えた。
4、トップスピードも、これまでの3戦すべてでETNZが上回ったが、
第4戦で初めてOTUSAが1ノット弱だが、上回った。
5、第3レース、第1マークでスピットヒルのアグレッシブな攻撃奏功し、ETNZからペナルティーをゲット。
6、第3レースでは、ダウンウインドに走り、モード、ジャイブの巧拙、の差見られず。
アップウインドでETNZの性能勝る。
7、第3レースの結果は、艇の性能ではなく、
クローズホールドのサイドの取り方で、
運不運があったように思える。

2013年9月9日 America's Cupレポート作成のためのメモ-1Race#1&2

2013年09月09日 | 風の旅人日乗
今週中にまとめなければいけない
America's Cup速報レポート作成のための、
自分用の記録&ワンポイントメモ。

34th America’s Cup Standings (first to 9 points wins)

Emirates Team New Zealand – 2
ORACLE TEAM USA – 0

Race 1 Performance Data

Course: 5 Legs/9.71 nautical miles
Elapsed Time: ETNZ – 23:30, OTUSA – 24:06
Delta: ETNZ +:36
Total distance sailed: ETNZ – 11.7 NM, OTUSA – 11.4 NM
Average Speed: ETNZ – 30.07 knots (35 mph), OTUSA – 28.58 knots (33 mph)
Top Speed: ETNZ – 43.54 knots (50 mph), OTUSA – 42.51 knots (49 mph)
Windspeed: Average – 16 knots, Peak – 21 knots


Race 2 Performance Data

Course: 5 Legs/10.11 nautical miles
Elapsed Time: ETNZ – 22:46, OTUSA – 23:38
Delta: ETNZ +:52
Total distance sailed: ETNZ – 11.3 NM, OTUSA – 11.3 NM
Average Speed: ETNZ – 30.12 knots (35 mph), OTUSA – 28.92 knots (33 mph)
Top Speed: ETNZ – 46 knots (53 mph), OTUSA – 42.87 knots (49 mph)
Windspeed: Average – 16.6 knots, Peak – 19.5 knots

メモ;
1、第2レース、レース前にオラクルクルー落水&救助
2、この日のコンディションで、ETNZのダウンウインドのターゲットはTWA146°
一方のオラクルは、150°。フォイルの大きさ、形、設定の違いか?
このコンディションで、ETNZのダウンウインドは圧倒的だった。
3、第2レーススタート前の風上(ETNZ)風下(OTUSA)のケース(ノーペナルティー)は、
非常に微妙。
実際に船体を接触させてアピールすることが
非常な危険を伴う今回のレースの場合、
アンパイアは実際のコンタクトがなくても、
あったと想定して判定を下すべきではないか?
4、フォイルジャイビングを安定してできるか否かが
ダウンウインドの差の一因になっている。
5、下マーク回航でのOTUSAの失速は
ごく些細なクルーワークのミスで発生。
忘れがちになっているが、
この艇でもクルーワークが大きなファクター。
6、タッキングでETNZのジブはバタつかず、
風が入った状態で入れ替わる。なぜ?


2013年9月9日

2013年09月09日 | 風の旅人日乗
一台のパソコンの中で、
ライフラフトの国際基準についての調べ物をしながら、

日本の和船についてのレポートを書きながら、

アメリカズカップレポートを書くために
動画配信を見ながら、

午前中のうちに電話すると約束したNZに
時差の関係で日本の早朝に電話をしながら、

その横で、
朝、浜を走りにいったついでに採ってきた
ヨメ笠を煮ながら、

・・・・・・

朝食前に完了したのは電話だけ。

朝食後の自分の頑張りを願う。

2013年9月8日 東京湾

2013年09月08日 | 風の旅人日乗
これからパソコンを閉じて
始発のバスに乗り、
江戸川と荒川が流れ込む東京湾の海へ。
セーリングのお仕事に。

以前、NHKが
2つの川からの汚泥が集まり
これから数十年に渡って
危険なホットスポットになると
警告していた海へ。

あと1時間後に迫った
2020年のオリンピックの開催地決定。
もし東京に決まると、
その海域がセーリングの試合場になる。

2020年に日本でオリンピックが実現するのなら、
すごく祝いたい気持ちなんだけど、
もしあのNHK報道が正しいとすると、
今だけでなく7年後も、東京湾は
かなりの汚染濃度であり続けるらしい。
いいのかな。

できるならしぶきを浴びたくはない。
自分はいいのだけれど
家族に触れさせることがないよう、
帰ってからの洗濯に気を遣わなきゃいけないから。
とは言え、仕事を投げ出すわけにもいかない。
強の風予報では、
ときどきは波しぶきを浴びることになるだろうな。

その海の汚染を警告していたそのNHKが
つい最近、その海域の底引き漁を取材して
とてもポジティブな番組にしていた。
自らが発した汚染警告は間違っていた
ということなのか?
分からないことだらけだ。

2013年9月7日 潮溜まり

2013年09月07日 | 風の旅人日乗
予定変更が相次いでちょっと疲れた地方出張から戻り、
午前中は、家族の中で最年少の女性と二人で、
葉山の海辺で過ごす、の日。

新月翌日の大きな潮で干いた潮溜まりで、
海の生き物たちについてのレクチャーを。

イソギンチャクのちっこいの。
極小の貝に入ったヤドカリのちっこいの
一人前にはさみで噛みつくワタリガニのちっこいの。
北九州の田舎ではドンコ、
って言ったけなあ、あのちっこいの。
そしてたぶん伊勢エビの、ちっこい幼生。

この時期、みんな生まれたてでちっこくて、
このちっこさで、これからの秋・冬・早春の
厳しい季節に立ち向かっていくんだな。

彼女に見せるために
それらのちっこいのたちを捕っているうちに
その、家族最年少の女性の世話を忘れ、
彼女が持ってきたおもちゃのバケツに
それらの獲物を次から次に入れては、
覗き込んでうっとりしたりして、
彼女の存在を忘れて、童心に帰る。

今の自分の人生の始まりの始まりは、
玄界灘に面した漁村の岩場での
潮溜まり遊びからだったなあ。

そのときの少年が夢見た通りに
一度だけの人生をちゃんと生きているかなあ、俺・・・
午後は一所懸命パソコン仕事しながら、
半分はそのことに頭を巡らせた。

人間のちっこいのたちに一日観察してもらったあと、
その潮溜まりのちっこいのたちを
夕方、森戸神社の例祭の縁日で賑わう横の
真名瀬の海まで返しに行く。
ギリギリ、って感じでみんな生きておった。

明日は東京湾でのレース。

2013年9月6日 深夜孤独仕事の部

2013年09月06日 | 風の旅人日乗
太陽が出ている時間は
海とかマリーナとか打ち合わせとかの仕事。
こちらはおおむね順調。
一方、
夜更けにというか、超早朝に起き出しての
裏作的、深夜孤独仕事の部。
こちらはこのところ、ちょいと苦戦中。

この2、3日は、
江戸時代の弁財船を現代に蘇らせた
みちのく丸についてレポートするために
弁財船の歴史とか構造とか、
そういう周辺関係の資料を調べる時間。

調べれば調べるほど
自分の知識不足を知ることになって
レポートが書き始められなくなり、
ついパソコンを離れ、
溜まっているもうひとつの深夜仕事である
ロープのスプライスへと現実逃避したりする。



東奥日報9月3日朝刊に載った記事を
青森のセイラーが写真に撮って送ってくれた。

みちのく丸の甲板の上を走り回るワタクシは
我ながらとても楽しそう。
海の上ではこんなに楽しませてもらったのだから、
いい試乗レポートにしなければのっ…。
プレッシャー。

2013年9月5日 ユースアメリカズカップ終了

2013年09月05日 | 風の旅人日乗
未来のACセーラーを育てるユースACで、
1位2位をニュージーランド勢が独占。
3位にポルトガル。
アメリカズカップ保持国USAからも複数チームが参加したが、
5位が最高位。

本家ACと違って、
ユースACではその国のパスポートを所有する選手だけが
その国の国旗を背負うことができる。

サッカーのワールドカップでも、
野球のワールドシリーズでも、
つい真剣に応援してしまうのは、
ワタクシ個人の場合に限られるのかもしれないけれど、
選手たちが自分の国の選手だから。

明後日から始まるカップ本戦でも、
NZはNZ人セイラーだけで、国籍混成チームである王者USAに挑む。
遥か離れた島に住む母国の人たちの期待を背負って
アウエーの海で自分の限界いっぱいを出し切って
セーリングする若者たちの、
その渾身の試合を、ぜひ観てみたい。


© ACEA / PHOTO ABNER KINGMAN

2013年9月4日

2013年09月04日 | 風の旅人日乗
弊社コンパスコースで運営を担当させていただいている
浦賀のシティーマリーナ・ヴェラシスでの
ヴェラシスカップ。
今年は10月27日に開催予定。

昨年試行的に使った
セイルヴィジョンを、
今年はもう一歩踏み込んで
本格的に使うつもりです。

具体的には、
風予報サイト海快晴の気象予報士にも
協力してもらって、
前日パーティーでの風情報と
当日の風のシフトのデータに
セイルヴィジョンの各艇の航跡情報を組み合わせて、
表彰式の席で
参加者全員でレース分析をしてみたい、と企画中。

本日午前中は
そのヴェラシスカップの件で
マリーナまで行き、スタッフと打ち合わせ。

午後は、浦賀から横浜に出て
再び神奈川大学にお邪魔して
和船研究の権威の先生からレクチャー。

そこから新横浜に行き、
新幹線で関西へ移動。

リンク
シティーマリーナヴェラシス
Sail Vision
海快晴



2013年晩夏 葉山 真名瀬海岸

2013年09月03日 | 風の旅人日乗
頭と身体で思いっきり汗かいて、
追いかけられていた仕事を午後の早い時間に追い抜き、
今度は追いかける立場に逆転成功。

なので、早い夕方、
真名瀬の海を見ながら、
まだ働いている皆様、ごめんなさい、
生ビールをジョッキで2杯ほど。



身体の回りにまとわりつく
湿り気ベトベトの空気はまだ夏だけど、
海と空は、もう完全に秋の色。

明日からはまた、週末まで葉山を離れて
いろんな地方へ遠征の旅。







2013年9月3日 葉山

2013年09月03日 | 風の旅人日乗
9月最初の日曜は、
大雨洪水警報の中でのセーリング。
予定したメニューの半分しか消化できなかったが、
自然相手のスポーツであるセーリングのこと、
仕方ない。
深夜、関東に帰り着く。



9月2日。
午前中、事務所で打ち合わせの後、
三浦半島にあるマリーナのひとつに行き、
ある艇で整備作業。
暑い晩夏の日射しで
蒸し風呂のようになった船内での作業をあきらめ、
デッキで、水漏れ箇所の補修と、清掃作業。
ピッカピカ。
達成感は、あったな。

9月3日。
午前中、デスクワーク、
午後、再び艇で作業の予定。
本日も暑そう。

明日水曜日から週末まで続く
関西と中部への遠征を前に、
仕事に追いかけられている感じ。
いやなムード。

これでは精神衛生上よろしくないし、
毎時毎時が面白くない。
こちらのほうから仕事を追いかけて、
仕事を楽しむことにする。