DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

意見番(2017年まとめ)

2018年01月15日 00時25分52秒 | ボクシングネタ、その他雑談
昨年、2017年の個人的感想をまとめようと試みました。

ボクシング界にとってすごい年でしたよね、2017年って。2016年が不活発で、それに加えてドーピング関連のニュースが飛び交うイライラするボクシング年でした。その反響とでもいうのでしょうか、色々な事がありましたよ2017年には。ほぼ毎年、「激動」やら「新旧交代」やら似たような言葉が使われます。2017年に限ってみると、特に「新旧交代劇」が上はヘビー級から下は最軽量のミニマム級まで起こりました。

新旧交代劇としてまず思い浮かぶのが最重量級のヘビー級。10年間ヘビー級を牽引してきたウラジミール クリチコ(ウクライナ)が、一回り以上若いアンソニー ジョシュア(英)と大激戦を演じ敗北。ウラジは2015年11月にタイソン フューリー(英)に王座を明け渡していますが、この敗北、そしてその後の引退声明により、大きな時代に完全なる終止符が打たれた感がありますね。

常に影の当たらないクラスとして注目(?)されてきたクルーザー級ですが、どうしてどうして。現在のクルーザー級トップ戦線は凄いことになっています。WBO王者アレくサンデル ウシク(ウクライナ/13戦全勝11KO)を筆頭に、WBC王者マイリス ブリエディス(ラトビア/23戦全勝18KO)、IBF王者ムラト ガシエフ(露/25戦全勝18KO)、そしてWBA王者ジョニエール ドルティコス(キューバ/22戦全勝21KO)と4王者が揃って全勝(もう一人世界王者がいたような気もしますが)。その4人が昨年から始まった同級のトーナメントに出場し、今月末から来月頭にかけて準決勝戦を行います。このトーナメントの結果は2017年ではなく2018年のこれからの出来事なために、今後の試合結果にその情報は委ねますが、何ともまあ、実力者たちが揃ったものです。クルーザー級といえば、1980年代後半にイベンダー ホリフィールド(米)が政権を築いていましたが、全盛期のホリと、現行のクルーザー級トップ戦線の対決が見てみたいものです。

その一つ下のライトヘビー級では、地味ながらも現役最強(最高)の選手として挙がられていたアンドレ ワード(米)が突如引退。しかしそのワードに敗れたセルゲイ コバレフ(露)が見事に復調し、WBO王座に復帰。コバレフの同胞で、アマチュア時代からのライバルであるアルツロ ベテルビエフがIBF王座に就任。両者の若きライバルであるドミトリー ビボル(キルギスタン)が順調に成長と、2017年の同級は、クルーザー級と同様に2018年に期待が抱ける年となりました。

ミドル級では、あのゲナディー ゴロフキン(カザフスタン)の前進がついに止まり、今後の波乱の幕開けを切った一年となりました。

ウェルター級ではマニー パッキャオ(比)が王座から転落。その後、それほど話題に上らなくなっただけに、パッキャオも「旧」の仲間入りを果たしたといって過言ではないでしょう。スーパーライト級ではテレンス クロフォード(米)が4団体王座を圧倒的に強さで統一。しかしクロフォードはスーパースターというより、いぶし銀といったほうがいいでしょうね。

ウラジミール クリチコが勇退したウクライナ・ボクシング。今後も同国、そして世界ボクシングを背負いっていくのは、クルーザー級のウシクと、WBOスーパーフェザー級王者のワシル ロマチェンコで間違いないでしょう。しかし2017年のロマチェンコの充実ぶりは凄かったですね。活躍が凄かったといえば、WBOスーパーフライ級王者井上 尚也(大橋)のそれも凄かった。特に9月に行った米国でのデビュー戦は、その名前を世界中に改めて知らしめたと言って過言ではないでしょう。

バンタム級でも激しい動きがありました。2011年以来WBC王座に君臨していた山中 慎介(帝拳)がその王座から陥落。山中から見て加害者であるルイス ネリ(メキシコ)への復讐戦はセットされましたが、たとえ王座に返り咲くことが出来たとしてもこれまで築いてきた防衛回数が復帰するわけではありません。またライアン バーネット(英)という無名の選手が、あっという間にIBF王座、そしてWBA王座を奪取、吸収していったのは大きなニュースでした。

日本からは特にWBCフライ級新王者の比嘉 大吾(白井・具志堅)の台頭が注目されました。ワタナベ勢の田口 良一は安定度をグッと増しライトフライ級の2団体王者に昇格。IBFミニマム級王者京口 紘人も先輩の活躍に続けとばかりに大飛躍。木村 翔(青木)が敵地でWBOフライ級王座を奪取し、指名挑戦者をワンサイドで下し初防衛に成功した、というのも大きな話題でした。

正式に引退したボクサーも多くいました。ファン マヌエル マルケス(メキシコ)、ミゲル コット(プエルトリコ)、シェーン モズレー(米)、ティモシー ブラッドリー(米)にウラジとワード。内山 高志(ワタナベ)、三浦 隆司(帝拳)、そして井岡 一翔(井岡)。これだけ名前のある選手たちが同じ年に引退を発表したという記憶は、ほかの年ではなかったように思います。

これら以外にはまだまだたくさんの事が起きた2017年のボクシング界。非常に充実した1年でしたが、その充実度が2018年にも継続されそうなのはうれしいことです。
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