今から30年前の1992年9月11日、日本武道館で行われた試合結果です。
WBAジュニアバンタム級戦:
王者鬼塚 勝也(協栄)TKO5回1分26秒 挑戦者松村 謙一(JA加古川)
*「黄金時代」を迎えていた当時の日本ボクシング界。その牽引車として、辰吉 丈一郎(大阪帝拳)や鬼塚が挙げられていました。
スター候補生だった鬼塚はこの年の4月、空位だったWBAジュニアバンタム級(現スーパーフライ級)王座を獲得し、戦績も19戦全勝(16KO)に伸ばしていました。しかしその王座戴冠劇はあまりにも「地元判定」という印象が強く、作られた新世界王者という印象が漂っていました。
そんな期待外れの新王者だった鬼塚が初防衛に迎えたのは、これが4度目の世界挑戦となった松村。松村はタイが生んだ怪物カオサイ ギャラクシーに2度挑戦し、両試合とも大善戦したタフなベテラン選手。そんな実力、実績のある古豪相手に、鬼塚は持ち前のスピーディーなボクシングを展開しライバルを圧倒。春に大苦戦の末獲得した王座の初防衛に成功すると同時に、タノムサク戦で被った失点を一部返上する事にも成功。最強挑戦者と呼び声高いアルマンド カストロ(メキシコ)との一戦に駒を進めることに。
(スピードで松村を圧勝した鬼塚。その表情からも自信が伺えます。)
当時は、日本人同士が世界戦で対戦するという事は珍しい事でした。そんな中、女性客の声援が鬼塚を支持し、体育会系の男性たちの大声が松村を後押ししていました。