いやあ面白かった。
原作ファンとしても映像ファンとしても大満足。
ドラマって長いから途中だれる作品が多いけど、
『ガンニバル』は最初から最後までピーンと緊張が走っていた。
夜電気を消して一人で観ていると背筋のあたりがぞわぞわした。
中村梅雀演じる村長のサブさんは強烈だった。
なんなら一番怖かったかもしれない。
後藤家の獣的な暴力性とは違い、現実世界の隣近所に潜む恐怖だ。
現実に存在する部分を少し誇張しただけというリアリティがそうさせる。
「いないけどいそう」の塩梅が抜群にうまい。
不条理で気持ち悪くて怖い。
吉原光夫演じる後藤岩男もなかなか迫力あったな。
当主後藤恵介の右腕的な存在で黙々と暴力を振るう。
睦夫とは違って静かなのが逆に不気味だ。
サブさんといい、岩男といい、
キャスティングどうなってんの!?ってくらいばっちりはまっている。
それらに対峙していく主人公の阿川大悟も一筋縄ではいかないから面白い。
やっぱり柳楽優弥は最高でした。
安心して阿川大悟を任せられる。
存在感のある人だよ、ホント。
妻との関係性も丁寧に描かれていてよかった。
「あの人」の食事台の上に赤い木の実が散らしてあったり、
後藤藍が泣いているそばでインコが餌をついばんでいたり、
目に止まる画はいくつかあったけれどどういう意味があったのかはわからない。
鳥をたくさん飼っていたのは何かの暗喩なのか。
原作にはなかった気がする。
終わり方は妥当だと思う。
途中で終わるのはわかっていたことだし、ここで終わるのねという感じ。
私の記憶違いなのか洞窟のところが原作と違った気がしたけどどうなのか、
シーズン2が始まるまでにもう一回漫画読まないとね。
ここまでは原作を忠実になぞってきたけど、これからどうなるか楽しみ。
原作通りに締めくくるもよし、全く別の道を作るもよし。
はあ面白かった。
片山慎三監督はポン・ジュノのもとで助監督をした経験のある人らしい。ほほほ