日本にPM2.5がやってきた!
26日からその状況は悪化しており、その白い霧は首都圏にまで到達した。
Twitterを辿ると町がいかに白くPM2.5に覆われているかということが伝わってくる。
テレビ番組では緊急特別枠が設けられ真っ昼間から大盛り上がりだ。
ニュースキャスターはシリアスな顔で注意喚起が出された地域を何度も繰り返した。
そこだけに注目するとなんだか日本で大変なことが起こっているといった印象を持つ。
しかしどうも鈍感な私はその危険性についてなかなかピンとこない。
ニュースやネット記事を見ていても「悪影響を及ぼす大気汚染」といった曖昧な表現が多く、
誰または何がどのような経路でどのような悪影響に見舞われるのかという説明が抜けている。
そもそもPM2.5について全くといっていいほど知識がない私は、
ネットを手段にいろいろと調べてみることに。
以下、勝手に抜粋、比較し編集したもの。
ーーー
<PM2.5とは何か>
まずPM2.5とは何なのかについて紹介したい。
●日本エアロゾル学会より
□PM2.5とはそもそも何なのか?
→空気中に浮かんでいる小さな粒子のことをエアロゾルと呼ぶ。
そのうち,粒径2.5μm(2.5μmは2.5mmの千の1)以下の粒子をPM2.5と呼ぶ。
その大きさから人間の肺の奥にまで到達しやすいとされている。
PM2.5は最近急に発生したものでなく、太古の昔から一定量は地球上のどこの大気にも存在している。
また自然起源のものと、人間の活動により発生するものがあり、
自然起源のものについては原始時代から人類は呼吸してきたものです。
(工学院大学・並木,産業技術総合研究所・兼保)
□ PM2.5とはどんな物質か?
→PM2.5は粒径2.5μm以下の微粒子と言うだけで、その中身は何も規定されていない。
その中には・硫酸塩や硝酸塩の様な塩類、
・ディーゼル排煙中のススのような黒色炭素、
・数千種類にも及ぶ有機化合物(その中にはたばこの煙の成分や,発ガン性を指摘されている多種多様な物質が含まれる)、
・金属成分など様々なものが含まれる。
一般的にはPM2.5の主要な成分は硫酸塩や硝酸塩などの塩類と有機化合物。
(東京農工大学・畠山,埼玉県環境科学国際センター・長谷川)
他のサイトでもPM2.5についての説明はほとんど同じだった。
<PM2.5の環境基準>
●環境省より
□環境基準について
→環境基本法第16条第1項に基づく人の健康の適切な保護を図るために維持されることが望ましい水準として以下のとおり環境基準を定めている。
1年平均値 15μg/m3以下 かつ 1日平均値 35μg/m3以下(平成21年9月設定)
この環境基準値は、呼吸器疾患、循環器疾患及び肺がんに関する様々な国内外の疫学知見を基に、専門委員会において検討したもの。
●Wikipediaより
□世界的には
→アメリカで1997年に初めて環境基準が設定されて以降、1990年代後半から採用され始め、世界の多くの地域でPM10とともに大気汚染の指標とされている。
<注意喚起のための暫定的な基準>
注意喚起は地域の判断によって出されるものなので、そのための基準もつくってあるが暫定的なものである。
●環境省より
判断方法の改善にあたっては、健康影響の大きさの程度を踏まえた上でその程度に応じて検討すべきであるが、
現時点で得られている健康影響の知見は十分でなく、現在定められている指針となる値も暫定的なものである。
<PM2.5の影響と対策>
次にPM2.5による具体的な影響について見てみる。
●日本エアロゾル学会より
□ PM2.5を吸入することによりどのような病気になるおそれがあるのか?
→PM2.5に対する短期的な高濃度暴露によって循環器系の疾患(不整脈など)や、
呼吸器系の疾患(ぜんそくなど)と因果関係がある可能性が高いとされている。
長期間の暴露によってはさらに小児や胎児の成長に影響を与える可能性があり、
発ガン性,変異原性などを示す可能性もある。
(米国EPA,2009より)
●YOMIURI ONLINE記事より
□高齢者・子供注意
各粒子とも体内に入れないためにはマスクの着用などが必要だ。
PM2・5の場合、自治体の情報を参考に外出や屋外での激しい運動を控える必要はあるが、
竹村准教授は「人によって感度は異なり、一時的な基準超えに神経質になる必要はない。ただ、高齢者や子供は影響が出やすいので注意が必要だ」と話す。
<まとめ>
●日本エアロゾル学会より
今回(昨年の文章)のPM2.5汚染の根本原因は、
中国の石炭の大量使用(エネルギーの70%近くを石炭に頼っている)や、
増え続ける自動車(ガソリンの質が日本や欧米に比べて低い)からの排ガス。
まずは燃料の転換を進めてもらう必要がある。
しかし日本が被害者、中国が加害者というような視点からではなく、
第一に中国の国民が深刻な健康被害を受けていることを考え、
まずこれを救済・軽減することを考えるべきです。
「殺人スモッグ」や「殺人黄砂」が飛んでくるわけではない。
いたずらに煽るのではなく隣国隣人の被害の軽減を図れば、その結果わが国に飛来するものも減るものと考えることができる。
(東京農工大学・畠山)
これに対し「中国側が日本の協力を拒んでいる?」という記事を発見。
これもまた政治的な話になっていくのかな。
まぁこんなところかな。
ーーー
調べても具体的にはそこまで分かっていない。
というか情報が多すぎて何が本当か分からない。
軽視していい問題でもないが、殺人スモッグというほどのものではないらしい。
今回の問題で一つ感じたことがある。
それはなぜ人はPM2.5をそれほどまでに恐れるのだろうかということ。
日本が経験してきた深刻な公害問題の記憶、
潜在的に持っている中国に対する不信感、
理由はいろいろあるだろう。
でも一番の理由はPM2.5が目に見えるということではないだろうか。
初めてPM2.5に覆われる真っ白な北京の映像を見た時は衝撃的だった。
肉眼で見えるということは、そこに物質があるという何にも代え難い説得力がある。
それがPM2.5という人体に悪影響を及ぼす物質だと言われれば誰だって恐れおののく。
しかし人間にとって悪影響を及ぼす物質が目に見えるということは幸運なことなのかもしれない。
なぜならそれによって知識がなくても短期間で危機感を持つことができ対策も打てる。
本当に怖いものは、目にも見えず音も匂いもなく忍び寄る。
そして気づいたときには取り返しのつかないところまでいってしまう。
26日からその状況は悪化しており、その白い霧は首都圏にまで到達した。
Twitterを辿ると町がいかに白くPM2.5に覆われているかということが伝わってくる。
テレビ番組では緊急特別枠が設けられ真っ昼間から大盛り上がりだ。
ニュースキャスターはシリアスな顔で注意喚起が出された地域を何度も繰り返した。
そこだけに注目するとなんだか日本で大変なことが起こっているといった印象を持つ。
しかしどうも鈍感な私はその危険性についてなかなかピンとこない。
ニュースやネット記事を見ていても「悪影響を及ぼす大気汚染」といった曖昧な表現が多く、
誰または何がどのような経路でどのような悪影響に見舞われるのかという説明が抜けている。
そもそもPM2.5について全くといっていいほど知識がない私は、
ネットを手段にいろいろと調べてみることに。
以下、勝手に抜粋、比較し編集したもの。
ーーー
<PM2.5とは何か>
まずPM2.5とは何なのかについて紹介したい。
●日本エアロゾル学会より
□PM2.5とはそもそも何なのか?
→空気中に浮かんでいる小さな粒子のことをエアロゾルと呼ぶ。
そのうち,粒径2.5μm(2.5μmは2.5mmの千の1)以下の粒子をPM2.5と呼ぶ。
その大きさから人間の肺の奥にまで到達しやすいとされている。
PM2.5は最近急に発生したものでなく、太古の昔から一定量は地球上のどこの大気にも存在している。
また自然起源のものと、人間の活動により発生するものがあり、
自然起源のものについては原始時代から人類は呼吸してきたものです。
(工学院大学・並木,産業技術総合研究所・兼保)
□ PM2.5とはどんな物質か?
→PM2.5は粒径2.5μm以下の微粒子と言うだけで、その中身は何も規定されていない。
その中には・硫酸塩や硝酸塩の様な塩類、
・ディーゼル排煙中のススのような黒色炭素、
・数千種類にも及ぶ有機化合物(その中にはたばこの煙の成分や,発ガン性を指摘されている多種多様な物質が含まれる)、
・金属成分など様々なものが含まれる。
一般的にはPM2.5の主要な成分は硫酸塩や硝酸塩などの塩類と有機化合物。
(東京農工大学・畠山,埼玉県環境科学国際センター・長谷川)
他のサイトでもPM2.5についての説明はほとんど同じだった。
<PM2.5の環境基準>
●環境省より
□環境基準について
→環境基本法第16条第1項に基づく人の健康の適切な保護を図るために維持されることが望ましい水準として以下のとおり環境基準を定めている。
1年平均値 15μg/m3以下 かつ 1日平均値 35μg/m3以下(平成21年9月設定)
この環境基準値は、呼吸器疾患、循環器疾患及び肺がんに関する様々な国内外の疫学知見を基に、専門委員会において検討したもの。
●Wikipediaより
□世界的には
→アメリカで1997年に初めて環境基準が設定されて以降、1990年代後半から採用され始め、世界の多くの地域でPM10とともに大気汚染の指標とされている。
<注意喚起のための暫定的な基準>
注意喚起は地域の判断によって出されるものなので、そのための基準もつくってあるが暫定的なものである。
●環境省より
判断方法の改善にあたっては、健康影響の大きさの程度を踏まえた上でその程度に応じて検討すべきであるが、
現時点で得られている健康影響の知見は十分でなく、現在定められている指針となる値も暫定的なものである。
<PM2.5の影響と対策>
次にPM2.5による具体的な影響について見てみる。
●日本エアロゾル学会より
□ PM2.5を吸入することによりどのような病気になるおそれがあるのか?
→PM2.5に対する短期的な高濃度暴露によって循環器系の疾患(不整脈など)や、
呼吸器系の疾患(ぜんそくなど)と因果関係がある可能性が高いとされている。
長期間の暴露によってはさらに小児や胎児の成長に影響を与える可能性があり、
発ガン性,変異原性などを示す可能性もある。
(米国EPA,2009より)
●YOMIURI ONLINE記事より
□高齢者・子供注意
各粒子とも体内に入れないためにはマスクの着用などが必要だ。
PM2・5の場合、自治体の情報を参考に外出や屋外での激しい運動を控える必要はあるが、
竹村准教授は「人によって感度は異なり、一時的な基準超えに神経質になる必要はない。ただ、高齢者や子供は影響が出やすいので注意が必要だ」と話す。
<まとめ>
●日本エアロゾル学会より
今回(昨年の文章)のPM2.5汚染の根本原因は、
中国の石炭の大量使用(エネルギーの70%近くを石炭に頼っている)や、
増え続ける自動車(ガソリンの質が日本や欧米に比べて低い)からの排ガス。
まずは燃料の転換を進めてもらう必要がある。
しかし日本が被害者、中国が加害者というような視点からではなく、
第一に中国の国民が深刻な健康被害を受けていることを考え、
まずこれを救済・軽減することを考えるべきです。
「殺人スモッグ」や「殺人黄砂」が飛んでくるわけではない。
いたずらに煽るのではなく隣国隣人の被害の軽減を図れば、その結果わが国に飛来するものも減るものと考えることができる。
(東京農工大学・畠山)
これに対し「中国側が日本の協力を拒んでいる?」という記事を発見。
これもまた政治的な話になっていくのかな。
まぁこんなところかな。
ーーー
調べても具体的にはそこまで分かっていない。
というか情報が多すぎて何が本当か分からない。
軽視していい問題でもないが、殺人スモッグというほどのものではないらしい。
今回の問題で一つ感じたことがある。
それはなぜ人はPM2.5をそれほどまでに恐れるのだろうかということ。
日本が経験してきた深刻な公害問題の記憶、
潜在的に持っている中国に対する不信感、
理由はいろいろあるだろう。
でも一番の理由はPM2.5が目に見えるということではないだろうか。
初めてPM2.5に覆われる真っ白な北京の映像を見た時は衝撃的だった。
肉眼で見えるということは、そこに物質があるという何にも代え難い説得力がある。
それがPM2.5という人体に悪影響を及ぼす物質だと言われれば誰だって恐れおののく。
しかし人間にとって悪影響を及ぼす物質が目に見えるということは幸運なことなのかもしれない。
なぜならそれによって知識がなくても短期間で危機感を持つことができ対策も打てる。
本当に怖いものは、目にも見えず音も匂いもなく忍び寄る。
そして気づいたときには取り返しのつかないところまでいってしまう。