歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

<T2 Trainspotting>4月8日公開!

2017年02月21日 | 映画
T2 Trainspotting Official Trailer – At Cinemas January 27






『T2 Trainspotting』
監督:ダニー・ボイル
脚本:ジョン・ホッジ
原作:アーヴィン・ウェルシュ
音楽:リック・スミス
主演:ユアン・マクレガー
国:イギリス
公開年:2017



言わずと知れたダニー・ボイルの名作『トレインスポッティング(1996)』ですが、ついに続編が4月に公開されます。
初めその話を聞いたときは、続編なんていらないでしょうという気分でした。
なんたってあの映画はあれで完成しているわけで、変に付け足して汚してほしくないのです。

しかし、製作陣、俳優陣がそのまま引き継がれ、あの物語の20年後をそのまま見せてくれるというのだから、つまらない訳がない。
前作と比べずにただ彼らのその後を楽しみたいというファン冥利に尽きますね。

なんやかんや言いつつも、このトレーラーを見たら理屈抜きにわくわくしてしまいます。
レントン(ユアン・マクレガー)がバーの扉を開けると、そこにはビリアードをしているシック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)が!
『トレインスポッティング』のラストを思うとこの最初のシーン(多分)は感慨深いものがあります。

続編についていろいろ書いてあるホームページがあったので載せておきます。
「映画『T2 トレインスポッティング』について現在までに明らかになっていること」
(観るまであまり知りたくないので全部は読んでいませんが)

続編を見る前に前作を少しおさらいしようと思います。
以下ネタバレあります。



トレインスポッティングについて
大きく「スタイリッシュな映画」と評される分野において、誰もが賞賛するのが『トレインスポッティング』ではないでしょうか。
脚本、音楽、演出、映像、テンポ、どれをとってもかっこいい。
物語の舞台はスコットランド、ある若者たちの退廃的な日常を描いています。
イギリス人監督が描くドラッグ、セックス、暴力の世界は、ハリウッドで量産されるそれとは一味も二味も違います。(もちろんアメリカ映画にはアメリカ映画の良さがあるけど)

不衛生で不健康で不健全な現実では目も当てられないような若者の日常が登場人物の主観で描かれているおかげで、時にドラマチックに、時にアイロニックに、時に叙情的に観ることができます。



キャラクター


個性豊かな仲間(?)たちも魅力的です。
写真右から重度のドラッグ中毒者で主役のレントン、
間抜けでダサいがどこか憎めないドラッグ中毒者スパッド(ユエン・ブレムナー)、
007オタクでぽん引きのドラッグ中毒者シック・ボーイ、
クラブで出会った黒髪美女のダイアン(ケリー・マクドナルド)
喧嘩中毒でことあるごとに暴力を振るうベグビー(ロバート・カーライル)、
写真にはいないけどイギー・ポップが好きでセックスしか能のないトミー(ケヴィン・マクキッド)。

薬から逃れどうにかしてまともな生活を送ろうとすると突如現れるこのやばい仲間たち。



音楽


物語の冒頭部、この写真を見るだけでイギー・ポップの「Lust For Life」が聞こえてきそうです。

トレインスポッティングで特質すべきはなんといっても音楽です。
物語は90年代後半に突入しようかという頃、主人公たちは急速に流れて行く時代の変化にさらされます。

高校生であるダイアンとレントンとのジェネレーションギャップを浮き彫りにする会話があります。
「老けちゃうわよ。
 世の中も音楽もドラッグも変化しているのにジギー・ポップに憧れて家にこもるなんて。」
「イギーだ。」
「どうせ死んだ人よ。」
「生きてる。去年もツアーをやってた。」

そんな置いてけぼりの主人公たちを励ますかのように、イギー・ポップ、ルー・リードの名曲が流れる一方で、ブラーやニューオーダーやアンダーワールドのような当時最先端のエレクトリック音楽も多く起用されています。
そこにすら物語性を感じるのは観る者のエゴかもしれませんが。

トレインスポッティングのサントラはおすすめです。
この映画を見なければ出会わなかった曲も多かったでしょう。
それくらい見た当時の私には影響力のある映画でした。

続編ではどんな音楽が使われるのか、非常に楽しみです。
ちなみにトレーラーに使われている2曲目はWolf Aliceの『Silk』です。


アメリカでは既に公開されており、ちらほら評判が耳に入ってきていますがどうやら面白いらしいとのこと。
トレーターを観る限り、前作を観てない人、忘れた人はまず『トレインスポッティング』を観てから、映画館に行った方が良さそうです。
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風が連れてきた大きな生き物

2017年02月17日 | 空想日記
春一番が吹いた。

立て付けの悪い家の窓が、がたがたと音を立てている。

外からはびゅうびゅうと風の音も聞こえてくる。

強風は、得体の知れない何かをこの地へ連れてきた。

大きな龍か、大きな獣か、それはきっと季節を運ぶ役目をする。



見たことがないものを信じるかという質問がある。



例えば、中学1年生の頃友達に幽霊の話をしたことがあった。

彼女は「幽霊は人間が考えだしたものだからいない」と断言した。

当時はなんて頭がいい子なんだろうと感心したものだ。



高校生の頃数学の先生に幽霊の有無を問うたことがあった。

先生は「科学で証明出来ないものは信じない」と断言した。

そのときは、なんて現実的な考え方だろうと思った。



頭の良さそうな人たちの言葉はそれだけで説得力がある。

そして現実的なものの見方が格好いいと思った私は、

「見たことがないものは信じない」と豪語するようになった。



しかし私は「信じる」という言葉の意味を見誤っていたようだ。

「信じる」という言葉にはそもそも断言が通用しない。

「信じる」という方面を見渡すと視界の中には同時に「信じない」も存在し、

「信じない」という方面も同様に「信じる」がすぐ近くにある。

どちらが大きいのかという程度の尺でしか計れない。

あるいは自分の願望が反映されているのかもしれない。



例えば一組の夫婦があったとして、

夫に対して「あなたを信じる」と言う妻がいたとする。

これは信じていないからこそ念を押す場合に持ちいられる常套手段だ。

あるいは信じたいという願望か。



つい百数十年前までは当たり前のように見えない存在と共に生きていたというのに、

すこし科学技術が発達したからといって人間様々になるのもなんだかな。



妖怪博士の荒俣宏さんは人魚の有無について、

「人間が信じた時点で人魚は存在する」と言っていた。

偉そうだが、それを聞いてなんとなくこの人は信用出来る人だと思った。



ポピュラーだからか幽霊の話が多くなってしまったけど、

妖怪とか、精霊とか、おとぎ話に出てくる不思議な生き物とか、

漫画『蟲師』に出てくる蟲とか、小説『鹿男あおによし』に出てくる大ナマズとか、

迷信めいた曖昧な存在がどこかしらに潜んでいるというのは悪くない。

どこかに人間の手が及ばない尊い領域があることを信じたい。





余談だけど、同居人Kは幽霊が大嫌いだ。

トラウマでもあるのか、必要以上に怖がる節がある。

Kが寝ている時に起こさないよう暗い部屋でごそごそ動いたりすると、

寝ぼけたKがそれに気づき「うわぁーーー!」と叫びだす。

これがしつこくて敵わない。

「私ですよ。たんぽぽですよ。」と言っても声は届かず、

しばらくわーわーと勝手に恐れおののいてるもんだから次第に腹が立ってくる始末。

友達に話すと大げさなという感じだったが彼女が泊まりにきたときも発動し、

実際の姿を目の当たりにしてその子もかなり驚いていた。

いったい何がそんなに怖いんだか。

それ以後は笑いのネタになっている。
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至福のとき

2017年02月14日 | 日記
福に至ると書いて「至福」という言葉は、「この上ない幸せ」のこという。

「幸せ」という言葉を好きになれなかった思春期からすれば、

今の私は「幸せ」を濫用しているかもしれない。

かつて糧だったはずのこだわりは枷となり、苦しいのは嫌だからとどんどん捨てる。

その結果、「幸せ」のハードルが少しずつ下がっているのかもしれない。



なにをもって幸せだと感じるかは人によって全然違うだろう。

私の場合、睡眠環境が恵まれている時に極上の満腹感を味わうことができる。

小さい頃からよく寝る子どもだったので、親からは「眠り姫」などと呼ばれた。

眠たいときに干したばかりのふかふかの布団に潜り込み、

朝は二度寝なんかして起きたいと思ったときに起きることを許される、これぞ至福のとき。

世のお父さんたちの日曜日のような。

至福でありながら凡庸。

凡庸であるが故に至福。



反対に睡眠不足は大敵。

睡眠不足で迎えた日の午後なんかはもう最悪だ。

限界までくると体が勝手に寝る態勢に入り、じわじわあたたかくなってくる。

それに抗うのは至難の業だ。

眠る方に向かう矢印を正面から押し戻す、

この時に生じる摩擦を感覚で例えると体の中を這いずり回るムカデに似ている。

似ていると言ってもそんな経験したことないけど。



ここまで読んでだから何だ?と思うかもしれない。

わざわざ文章に書くことなのか?と疑問に思うかもしれない。

いや、私がそう思っているわけだが、まぁいい。

睡眠不足は良くないけれど、寝過ぎも良くないらしい。

気をつけよう。


今年も梅の花が咲きました。
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<Ghost in the Shell>ついに4月7日公開

2017年02月06日 | 映画
Ghost in the Shell Official Trailer 1 (2017) - Scarlett Johansson Movie


『Ghost in the Shell』
監督: ルパート・サンダース
脚本:ジョナサン・ハーマン、ジェイミー・モス
原作:士郎正宗
音楽:クリント・マンセル
主演:スカーレット・ヨハンソン
国:アメリカ
公開年:2017
公式ホームページ:http://ghostshell.jp/



1番好きなアニメが1995年の押井守監督作品『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』。
関係ないけど、あと大友克洋監督の『アキラ』。



攻殻機動隊というコンテンツはとても面白い。
士郎正宗が生み出した攻殻機動隊という器の中で、様々な映像作家が独自の世界を表現しています。
最初にそれを始めたのが『パトレバー』の押井守監督です。
そしてできたのが『GHOST IN THE SHELL』。
原作の1巻をアニメ化した訳ですが、キャラクターの性格等原作とは大分違い押井ワールドが炸裂しています。

私の中で『GHOST IN THE SHELL』は他の攻殻機動隊アニメの中でも別格です。
終始漂う張りつめた空気と、答えのない己への自問自答。
『機動警察パトレイバー2』にもありますが、押井作品の語りかけるような長ゼリフのやり取りがたまらなく好きです。





そして新たに提示されたのがまさかのハリウッドでの実写化。
攻殻機動隊という器の中で今度はハリウッドが本気で暴れると言う訳ですね。



発表された当時、日本のファンからは批判的な意見が大半でした。
そりゃ好きなものが実写化されるなんて嫌がる人の方が多いのはしょうがないことです。
大抵は主演の草薙素子をはじめキャストが日本人でないことに対してでした。
さらに唯一の日本人ビートたけしが超重要人物である荒巻を演じるという謎のキャスティング。

でも素子にスカーレット・ヨハンソンを持ってきた時点で本気だなと。
むしろ日本人の女優で素子をできる人がいる?ビジュアル的には菊池凛子とか?



なんにしろこのトレーラーを見たら黙るしかありません。
原作の世界観を非常に大事にしているのが伝わります。
それでいて、クオリティーには文句のつけようがなく、多分今まで作られたどの話とも違う。
ちらほら見たことのある場面も流れるし、ストーリーの大枠には『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』がからんできそうですが、新しい感性が注入されて今まで見たことのない攻殻機動隊が見れるだろうことは確実です。
↓見たことある場面例

↓私が大好きな『GHOST IN THE SHELL』の冒頭の場面がそのまま再現されていて感激




素子が飛び降りるホテルに「高級ホテル」っていう看板がついていたのは笑えたけど、
「あ〜日本語だ」っていう変な感慨があります。
荒巻にたけしはまだ想像出来ないけれど、日本人がそこにいてやっぱり嬉しい。
私の中で1番の懸念だったのが「たけしの英語は聞きたくない」ということでしたが、
どうやら日本語で喋るそうで本当よかったです。



たけしは本作について振り返り、「いま考えると、昔はアニメというものをバカにしていました。AIの存在感が突出していく割に刀で切ったりとか不思議なことも多かったんですが、この作品はようやく今の時代らしく、違和感なくはまっていると思います。そういった作品に、自分が出られて嬉しいです。容赦なくピストルを打つけど、でも身内には親族のように接する、冷静な判断と冷徹な心を両方持っている男の役でした。英語は嫌だと言ったら日本語で良いとなり、セリフ覚えが悪いとか字が読めないとかいろいろと難癖をつけていて(笑)、しまいには、スカーレット・ヨハンソンが俺のカンペを持っていた(笑)。あれを写真に撮りたかった!」と驚きのエピソードを披露!
公式ホームページより

11月にYouTubeで解禁された映像では押井さんもコメントしているので是非。
[Ghost in the Shell | Featurette: "Mamoru Oshii" | Paramount Pictures International]


とにかく楽しみだ。

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