歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

寒い日にドラマと音楽雑談

2023年01月27日 | 音楽

ここのところ朝起きてもしばらく布団から出れない。

潜り込んでくる猫にも気を使う。

かじかむ手、すぐ冷めるコーヒー、室内でも白い息、寒い寒い寒すぎる。

雪降る地元じゃこんなもんじゃないだろう。

 

スマホの写真フォルダを開くもしばらく何も撮っていないことに気づく。

頭の中は忙しいのだけど、物理的には暇そうに見えるかもしれない。

昨日はストーブの灯油が切れたのでこたつに首まではまって1日中ドラマを観ていた。

灯油を買いに行けばいいだけというのは言わないで。

 

数ヶ月寝かしておいた『ストレンジャーシングス』シーズン4の最後の2話に、

なぜか見始めた『アンブレラアカデミー』シーズン1、

情報通夫のおすすめティムバートンの『ウェンズデー』。

はからずも全部Netflixオリジナルだから、きっとNetflixが情報操作とかしだしたらまんまとハマるタイプだね。

 

中でも『ウェンスデー』は最高だった。

アダムスファミリー世界の作り込みは圧巻。

登場人物の魅力的なこと、そしてそのすべてに見所を作る構成力。

主人公は言わずもがな、特に好きだったのはグウェンドリン・クリスティー演じる校長と養蜂部のユージーン。

 

『ストレンジャーシングス』はシーズン1、2ほど突出はしていないけど、

今まで埋もれていた登場人物が活躍したりと面白い場面がいろいろあった。

中でもエディ・マンソンが裏の世界でコウモリを引き付けるために弾いた、

メタリカの『Master of Puppets』は最高だった。

エディ役のジョセフ・クインはこの曲に2年も向き合ったらしい。

それを観るためだけにシーズン4を観るのも悪くない。

 

メタリカじゃないけれど最近ハードめなロックからメタルに足を踏み入れる勢いだ。

今まで見向きもしなかった世界だけど、AC/DCに出会って扉が開きそう。

お風呂から出てリラックスする代わりにAC/DCの『Thunderstruck』をヘッドフォンで聴く。

心臓がドラムに合わせて鼓動し、身体中の血が全力疾走する。

自ら自律神経を壊していくスタイルだ。

聞いたことのある有名なギターソロがアンガス・ヤングのものだったとはね。

知らないところで触れている曲の多いこと。

今まではうるさいとさえ思っていたシャウトが気持ちいいのはどういう心境の変化だろう。

ハードロックやメタルって泥臭いけど演奏がすごくしっかりしている気がする。

うちにあったアンガス・ヤングのフィギュア。

夫は前からひそかに好きだったらしい。

 

ロックすらしばらく聞いていなかったけど、マネスキンがお膳立てをしてくれたみたい。

そういえば彼らのイタリア語の新曲よかったな。

ワールドワイドになって英語の曲が増えたけど、イタリア語曲の根強いファンは多いと思う。

私もその一人だ。

そもそも聞きなれないイタリア語の響きがかっこよくて好きになったのだから当然と言えば当然。

意味がわかることより、魂を感じる方がいい。

母国語って人を作る大きな要素だから、大事なものが滲み出ている感じがする。

 

今日は滋賀に4日間出張していた夫が帰ってくる。

猫と二人のどんちゃん騒ぎももう終わりか。

暖かく迎えるには灯油を買ってこないとね。

重い腰をあげましょう。

椅子の代わりにバランスボールを使っているから膝に乗られるときついのよ。

下ろしても下ろしても乗ってくるってことは寒いのかね。

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熱狂のライブーマネスキンに散った夏

2022年08月21日 | 音楽

「マネスキン日本に来ないかな」とぶつくさつぶやいていたのはもう1年前。

2021年にユーロヴィジョンで優勝し世界で人気が爆発したその勢いのまま、

まさか日本に来てくれるとは思いもしなかった。

今年の春だったか、サマソニのラインナップを見て叫んだ。

「マーーーーネスキーーーーン!!」

一人でも、嵐になっても、地を這ってでも見にいくと誓った。

 

ロックの時代は終わった、平成の終わりから令和にかけてそんな空気を感じていた。

あるいはもっとずっと前からか。

今時ロックなんてダサいでしょといわんばかりのchillの台頭。

確かに前時代の遺物になりかけていたし、新しい世代のロックなんて聞く気も起きなかった。

そもそも音楽においてかっこいいという価値が衰退していたんじゃないか、とすら思う。

そこにバコーンと現れたのがイタリアのハードロックバンド、マネスキンだ。

ユーロヴィジョンの授賞式でヴォーカルのダミアーノは「ロックンロールは不滅だ」と宣言した。

20世紀の終わりにレディオヘッドがKIDAの中でロックの終焉を歌い、

2000年にストロークスがデビューアルバムなの中で「Modern ege」を発表した時のような、

ロマンと必然性を感じさせる登場だ。

ラジオで『Zitti e Buoni』を聞いた時脳天を打ち抜かれた。

武田砂鉄さんには本当に感謝しています。

ーオレもイカれちゃいるがあいつらとは違う、お前もイカれちゃいるがあいつらとは違うー

イエエエエエエエエエエーーーーッ!!!

 

 

いざサマソニのチケットを取ろうと思ったら、単独公演があることを知りそちらに行くことにした。

それがまさか1日で売り切れるとはね。

チケット発売日の翌日にあぶねーあぶねーとチケットを買いに行ったら、無情にもSOLD OUT。

正直日本人の感度を侮っていた。

しょうがないからサマソニに行こうと思ってチケットを調べたら、タイミングを同じくして売り切れていたのだ。

あの時はあまりのショックにしばらく腑抜けになっていたな。

マネスキンの曲を聞けなくなるくらい悔しくて、悲しくて、辛かった。

だからサマソニの二次先着の発売を知った時は涙が出るくらい嬉しかった。

というか少し泣いた。

かなり激しいチケット争奪戦をどうにかこうにか勝ち抜き(夫が)無事マネスキンに会ってきました。

 

夫は外せない仕事が入り、代わりに誘った友達は急だったこともあり仕事とコロナで全滅。

しょうがないから一人で行くことにした。

この選択(果たして選択肢があったのか)が思いの外正解だった。

というか友達と行っていたら、友達を一人無くしていたと思う。

 

日本人が白けていて日本嫌いになったらどうしよう、指笛を覚えていこうか、

という心配は杞憂に終わった。

お昼過ぎ1時間以上並んでTシャツが売り切れていた時は驚いた。

なんとなく予感がありながら、肉眼でダミアーノとヴィクトリアの顔が見れる場所まで行って待機。

こんなに前へきたのはいつぶりだろう。

後ろでゆったり聞く心地よさを覚えてから、前の方でもみくちゃになるような見方は敬遠していた。

マネスキンはそんな大人になった私のセオリーをことごとくぶち壊す。

一人だから誰に遠慮することなく前へ前へ前へ。

 

サッシャが出てきて「次はマネスキンだ」って言った時の会場の熱気はすごかった。

夢の中のあのカリスマが、あのスーパースターがくるぞくるぞ!

現実のものと思えないあのロックの具現がくるぞくるぞ!

巨大モニターに古代の彫刻にも見劣りしないダミアーノ・ダヴィドが映った瞬間理性が吹っ飛んだ。

1曲目は『Zitti e Buoni』!!

私も狂っていたが、私の周りも狂っていた。

あの熱狂は形容しがたい。

他人の汗、肉体、声が渾然一体となってとてつもないエネルギーが渦巻いていた。

サッシャが「声は出さず」と言っていたのは、これを予想していたからかな。

 

役者が違う。

誰と比べる必要もない、ただただ己の魂を燃やし音楽を体現するカリスマ。

それに人々がついてく。

日本人の感度もだけど、彼ら自身の力も見くびっていたのかもしれない。

私が心配する必要なんて最初からなかった。

いいものはいい、それを感じる素養は誰にでも備わっていて、マネスキンはいいんだから。

 

祭りに熱狂するのに似ているかもしれない。

祭りの非日常空間では特有の微熱感にうかされて人々は我をかなぐり捨てて自分を解放する、あるいは引き渡す。

普段踊らないような人が夜通し盆踊りに没頭する。

自分と他人の境界があいまいになり、物理を超える。

マネスキンは私にも我を忘れさせてくれた。

他人の目などなくなり、ダサくとも、キモくとも、踊り狂う。

オ、マママママミーーーーヤーーー。

 

ダミアーノが「世界中の人たちから日本人は静かだって聞いていたけど、そんなの嘘じゃないか!」

と嬉しそうに言っていて最高だった。

日本人は確かに静かだよ、シャイで、内気で我を忘れにくくルールを重んじる。

それを変える力をマネスキンが持っていたということだ。

 

最初と中盤と最後にキラーチューンをおいて、間にカバーを挟むセットリストも最高。

最後の『I WANNA BE YOUR SLAVE』では日本語で「しゃがんでー」と促して、

みんなでしゃがんでダミアーノのカウントで一斉にジャーンプ!!

重力を見失うくらいの浮遊感と激音、誰かに足を踏まれ何か踏んではいけないものを踏み、

1年分のアドレナリンを、いや5年分のアドレナリンを放出したのでありました。

ああ、もう一生ついて行きます。

浮ついて、そんな迂闊なことも言っちゃいます。

 

グッズ全部買うつもりでお金用意してきたのに一つも手に入らなかったけど、1000%満たされた。

もともと100しか容量ないのに破裂しまくってそれでも幸福を押し込めてるから、

他が入るわけもなくおとなしく帰ったのだった。

St.Vincentも見たかったけど、マネスキンの余韻の中で中途半端になりそうでやめておいた。

グッズ行列に1時間以上も並んで他のアーティストほとんど見れなかったけど、一片の悔いなし。

帰りは大雨でびしょ濡れになったけど、全てはオールオーケー。

ありがとう、マネスキン。

観客の手の隙間から見えた低い姿勢で前のめりに歌うダミアーノの姿が目に焼き付いている。

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あのバンドに再会

2022年03月07日 | 音楽
TBSラジオの「ジェーンスーの生活は踊る」を聞いていたら、聞き覚えのある曲が流れてきた。

なんか知らんけど身体中の毛穴が開いてブワーっとテンションが上がる。

なんだっけこれ??

バンドもタイトルも思い出せないのに私の体の片隅に染み着いている。

ものすっごい知ってる。

すかさずシャザムで調べたらすぐ出てきた。

メンアットワーク!!

曲は『It's a mistake』。

これには笑った。

スーさんが曲終わりにいい選曲だと褒めていて、メンアットワークが名の知れたバンドだったことを初めて知った。



メンアットワーク(Men at work)は80年代に活躍したオーストラリアのロックバンドだ。

今調べたところによると83年にグラミー賞最優秀新人賞を受賞したらしい。

私とメンアットワークとの関係性はとても希薄だ。

自分でCDを取り出しプレイヤーに差し込んだこともなければ、インターネットで検索したこともない。

私が子供だったある時期に母が執拗に聞いていたのだ。

母は決まって「この軽さがいいんだよな」とか言っていた。

その言葉に影響されてか、ボブディランと比べたからか、私はメンアットワークをどこかで侮っていた。

軽薄さに魅力を感じるほど早熟でもなかった。

それがなによ、今聞くと「こんなによかったの?」と驚いた。

名曲だ!という感慨深い感じではなく、これ最高じゃん!と私まで軽くなれる感じ。

音の浮遊感とは別に案外メッセージ性もありそうではある。

この人たち好きだわ〜。

MVもふざけていて面白い。

それにしてももう15年くらい聞いていないのに覚えているものだね。

ラジオで選曲している高橋芳朗さんに感謝だな。



Down Under


It's a Mistake
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イタリアのハードロックを聞いています

2021年09月19日 | 音楽


イタリアのバンドMåneskin(マネスキン)が今きてる。

武田砂鉄のラジオでこの曲を聞いた途端脳天をガツーンとやられました。

最近激しいのはめっきり聞かなくなったけれど、そんなことは言ってられない。

イタリア語って聞きなれないけど、新鮮で心地がいい。

PVを見るとヴィジュアルも完璧でこりゃすごいとなった次第。

日本では昨年デビューした藤井風が当時22歳で驚いたけれど、

このボーカルのダミアーノもまだ22歳だというのだからたまったもんじゃない。

しかも他のメンバーはダミアーノより年下だ。

若い才能が押し上げていくね。

内から湧き出るグルーヴを感じる。

それをロックという一つのジャンルにくくっていいものなのかわからない。

とにかく超カッコイイ!

これからが楽しみです。



友人が都会の喧騒に疲れたから田舎に行ってBPM30くらいで暮らしたいと言っていたので、

私は今イタリアのハードロックを聞いてると言ったら爆笑されました。

確かに「イタリアの」しかも「ハードロック??」ってなるよな。

いろいろと遠い。

フランスの画家Moebius(メビウス)を好きになったときもフランス語に馴染みがなさすぎて、

どうやって彼のことを知ればいいのか途方にくれたものです。

しかし、意味はわからなくてもいいことはわかる。

マネスキン、いつかフジロックとかにきてくれないかな。
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極彩 | I G L (S)

2021年01月23日 | 音楽




祝祭が見たいんだ 極彩色の心で



コロナ禍で生まれた命の賛歌。

受け売りだけど、この歌は祝われなかった命がたくさんある世界で、君の物語を絶やすなと訴え続けている。
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