歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

初めてのお店訪問

2019年04月23日 | 自転車
昨日は友達との約束の時間まで最寄り駅をうろうろ。

植物屋に入りガジュマルを手に取りながら、

頭は違うことを考えている。

一旦自転車の魅力に取り憑かれてから、

すっかり自転車脳になってしまい、

いつも自転車のことばかり考えている。

自転車を持っていないにもかかわらず、

頭の中はイメージトレーニングに余念がない。

プロの情報ばかり仕入れているもんだから、

夫にはよく「アスリートじゃないんだから」と笑われる。

目標はいつか夫と二人自転車に乗ってしまなみ海道を渡ること。



ムキムキと自信満々なガジュマルを一回転させて、

「ふーむ、いい幹だ」と言わんばかりの顔をしつつ、

頭は近くにある玄人向けの自転車屋さんに入るべきか悩んでいる。

何でも初めてというのは勇気がいるものである。

加えて専門店なんぞは往往にして扉が重い。

それでも自転車ライフを始めるためには、

親切で頼れる自転車屋さんが不可欠らしいから、

これも第一段階として避けては通れぬ道なのだ。



思いの外安かった大き目のガジュマルを棚に戻し植物屋を出た。

きっと店員さんも親切さ。

ホームページだってくまなくチェックしたけど、

和気藹々としたいい感じの写真ばかりだったし。

それでもいざ自転車屋さんの前まで来ると、

そのまま通り過ぎようとする足をくい止め、

恐る恐る店内に入った。



店はだいたい40から50畳くらいの広さがあり、

入って左側では一人の店員さんが自転車の修理をしている。

私は右側に陳列されたロードバイクを順番に見ていった。

やっぱり10万円以上するな。

でもかっこいいぜ!

色にこだわりはなかったけれど、

たんぽぽだからやっぱり黄色がいいかな。

装備品はいくらくらいするんだろう。

ヘルメットは思ったより安いな。



と店内を一回りして、ふと、

店員さんが全然話しかけてこないことに気づく。

日本ではマイナースポーツなだけに、

新規の客には積極的に話しかけてくるものなんじゃないのか。

でも店員に話しかけられるのを嫌う人も多いから一概には言えない。

しかし店内に流れるなんとも言えない殺伐とした空気はなんだろう。

私自身が必要以上に緊張しているのか、

店員さんが出している空気なのかわからない。



それでも一つどうしても確認しておきたいことがあったので、

「すみません」と声をかけると、

店員さんは修理の手を止めむっくと立ち上がった。

そこで「原因はこの人だ!!」と確信した。

不愛想な顔で気だるい雰囲気をまとい、小さな声で「はい」と一言。



「あの〜この店でスポーツバイクのレンタサイクルを始めたと聞いたんですが、

レディース用の自転車ってあるんですか。」

「いや、ないです。」

「じゃあ女の人が自転車を借りたい場合は〜」

「小さめのバイクがあるのでそれで」

「あ、はい」

ヒ〜〜顔が怖いよ〜、

初心者だからなの!?

それとも機嫌が悪いの!?

それから何ターンか会話をしたが、

店員さんの態度は変わることがなく、

私の心の奥の方にある何かがポキンと折れる音がした。

結局私は得るもののないまま、とぼとぼと店を出たのであった。



こうして私の自転車ライフお店訪問編第1回は、

店員さんのそっけなさと私のガラスのハートが原因で見事失敗に終わったのであった。



と言いつつ、その後友達が誕生日を祝ってくれたので、

まっ、そういうこともありまさーな、と気持ちを切り替えることができた。

素晴らしき我が自転車ライフのために、まためげずに行ってみよう。

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妄想自転車ライフ

2019年04月19日 | 自転車
最近アマゾンプライムでスポーツアニメを観るのにはまっている。

と言っても無料作品は限られるので2、3作程度の話だけど。

時代遅れなスポ根魂に今更熱くなる30代女子、ふふふ。



暑苦しくて面倒臭くて汗臭くてストーリだってだいたい想像できる。

それでも王道スポ根には学ぶ事がある。

例えばベタだけど、「諦めない心が大切」だとか。

いやいやそんなベタベタな、、、。

でもそれってとても難しい事で、

ふと自分は諦めない事を諦めていると気づくのだ。



それから「スポーツって気持ちよくて楽しいぜ」ってことも大事。

大河ドラマ『いだてん』で面白かったのは、

戦争のためでも教育のためでもなくスポーツとして純粋に運動するということが、

昔の人にとっていかに意味不明だったのかを丁寧に描いていたところ。

私が生まれた時にはすでにスポーツという概念が確固たる地位を得ていたわけで、

スポーツとはなんぞやなんて考えた事もなかったが、

大人になって改めて思うのはやっぱり体を動かすのは気持ちがいいということ。



大人の女性が気軽に運動する場合ジョギングとかエクササイズとか、

運動までいかなくてもヨガとかジム通いの筋トレくらいで、

選択肢があまり思いつかない。

もちろん探せばサークル活動のようなものもたくさんあるのだろうけど、

身の回りのこじんまりとした生活圏内で完結するのは難しい。

そんな中アニメの中に最良のヒントが転がっていた。



それが「自転車」である。

母は数年前にエアロバイクを買い、いつも家で漕いでいる。

その姿を見て私もエアロバイクを買おうか悩んでいたとき観たのがアニメ『弱虫ペダル』だ。

原作は渡辺航の同名漫画で、高校自転車競技部のロードレースが題材となっている。

これが意外に面白い。



自転車競技といえばヨーロッパでとても人気があるということ、

ツールドフランスという有名な世界大会があること、

日本人には新城幸也という有名選手がいること、

あとは大友克洋が自転車好きでよく絵を描いているということくらいしか知らなかった。



『弱虫ペダル』を観るとすぐ隣に広がっている新しい世界を知る事ができる。

アニメ『昭和元禄落語心中』を観て落語の世界にはまったのと同じだ。

山なんかドライブしているとヘルメットをかぶった自転車乗りをよく見かける。

あの人たちが何をやっていたのか、やっと知る事ができたのだ。



自転車と言ってもスポーツ自転車だ。

そしてロードレースなどで使われるのはハンドルが下に曲がっているロードバイクというやつ。

早く走るために作られた自転車で車体が軽く、ギアも10段階以上ある。

見ためではわからないが、重さはママチャリの半分かそれ以下だというのだから驚きだ。


有名ブランドGIANT


あるドキュメンタリー番組でツールドフランスの出場者が、

「ロードレースとはチームで戦う個人競技」と表現していたが、そこが他のスポーツと違う面白いところ。

チームは8、9人(弱虫ペダルは6人)で編成され、一人一人に得意分野がありそれぞれに役割がある。

チームの目標は皆で協力してエースを最終ゴールに一秒でも早くゴールさせる事。

エースをゴールさせるために皆で様々なアシストをする、見方によっては犠牲になる、のだ。

もしエースにアクシデントが起きた場合はエースが他の人に変わる事もある。

2018 年ツールドフランスで常勝チームスカイの絶対的エースクリス・フルームが、

レース終盤に最強アシストゲラント・トーマスにエースの座を譲り総合優勝を勝ち取ったように。

『茄子アンダルシアの夏』でエースギルモアの代わりにゴールを目指したペペのように。

ロードレースはそういったチームの物語を追いかけるのがとても面白い。

余談だけど、『茄子アンダルシアの夏』をベストのタイミングで見る事ができて本当よかったと思う。

『弱虫ペダル』で描かれるロードレースは実際のインターハイとは違い、

ツールドフランスなどで行われるこのような団体戦をモデルにしているようだ。



というわけで、今まさに私の中で自転車熱が沸騰しているというわけだ。

ロードバイクを持っていないのに自転車雑誌を買い、一人で妄想を膨らませ筋トレしている。

疲れてきたら内に眠るスポ根魂を呼び起こして、まだいけるまだいけるって。

そう、見て終わるなんてありえない!私は自分でロードバイクに乗ってみたいのだ。

しかしロードバイクは安くても1台10万円以上する高級品、簡単に買えるものでもない。

しかも今は家にこもって絵を書かなければいけない時期。

胃の辺りを悶々とさせながら役に立つのかわからない筋トレをして、

気持ちだけでも未来の自転車ライフに繋いでいる状態なのだ。



はじめはエアロバイクを買おうと思っていたが、

自転車に乗りたいのにエアロバイクで済ますだなんてなんてスケールの小さい女なんだと思い改めた。

外に出て世界を広げたい。

自転車がいいのは純粋なスポーツというだけでなく、移動手段にもなるということ。

自分の足でいろんなところへ行くんだ!

普段は生活圏内に収まりつつ、いざとなれば自分の意思次第でどこまでも世界を広げることができる。

自分の調節でミニマムにもマキシマムにもなる。



自転車は何かとお金のかかるスポーツらしい。

貧乏絵描きの私には荷が重いかもしれないけれど、一旦はまると自分でも手がつけられない。

寝ても覚めても自転車自転車。

この熱はしばらく冷めなさそうだ。




色はアプリで塗った
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『グリーンブック』を映画館で観るのだ

2019年04月08日 | 映画
私は少なくても2ヶ月に1回は映画館で映画を見る。
 
109シネマズのブルー会員なのでいつも無料でエグゼクティブシートに座り、
 
シートをリクライニングして踏ん反り返って観ているのだ。
 
 
 
ここ数年、映画館へ行くときは3DIMAXや2DIMAXの作品ばかりを選んできた。
 
3Dには最初懐疑的だったが、今はエンタメの一つのあり方として支持している。
 
私にとって映画館で映画を観るというのはアトラクションのようなもので、
視覚的にも聴覚的にも家では味わえない特別なものである必要があった。
 
クリストファー・ノーラン監督の映画は必ず映画館で観ると言えば、
 
きっと私にとっての映画館の位置づけを少しは理解してもらえるかもしれない。
 
 
 
それに加えて最近は今まであまり好きじゃなかったアクション系を映画館の大迫力演出で観たいという欲求が生まれ、
 
2月にダークホースコミックの注目映画『アクアマン』を3DIMAXで観たばかりだ。
 
そのとき夫はライアン・ゴズリング主演の『ファーストマン』を勧めてきたが私の意志は硬かった。
 
アメリカの徹底したエンターテイメントのすごさに改めて感激していた時期ということもあったけれど、
 
堅苦しさからかけ離れたそういう軽いノリにどこかで憧れていたのかもしれない。
 
ディズニーとかマーベルとかDCを思いっきり楽しめる人生というのもある意味魅力的だと思う。
 
しかし映画にも向き不向きがあるようであまりに綺麗な3D映像に酔ってしまい20分くらい意気消沈していた。
 
ストーリーも想像の範囲内で、半ば無理やり連れていった夫にも申し訳なかった。
 
薄々感じていたけれど私は身体的に3D映像が苦手かもしれない。
 
 
 
 
そんな反省もあり先日久々にヒューマンドラマを映画館で観てきた。
 
アカデミー賞で作品賞他を受賞した『グリーンブック』だ。
 
これがよかった。
 
本当いちいち自分で体験しないとわからない。
 
今は自信を持って言える、映画館にはやっぱりちゃんと面白い映画を観に行こう。
 
『グリーンブック』おすすめです。
 
以下ネタバレになるので観てない人は読まないように。
 
 
 
『グリーンブック』
 
監督:ピーター・ファレリー
脚本:ニック・バレロンガ
ブライアン・ヘインズ・クリー
ピーター・ファレリー
出演者:ヴィゴ・モーテンセン
マハーシャラ・アリ
音楽:クリス・バワーズ
 
 
 
『グリーンブック』(Green Book)は、ジャマイカ系アメリカ人のクラシック及びジャズピアニストであるドン"ドクター"シャーリーと、
シャーリーの運転手兼ボディガードを務めたイタリア系アメリカ人の警備員トニー・ヴァレロンガによって1962年に実際に行われた、
アメリカ最南部を回るコンサートツアーにインスパイアされた2018年のアメリカの伝記コメディ映画。(Wikipediaより)
 
 
 
単純に面白かった。
 
実際の上映時間は130分と少し長めにもかかわらず、体感時間は90分くらいだった。
 
Wikipediaの説明にあるような伝記コメディ映画というよりはロードムービーに近い。
 
実話を元に作られた映画なので基本的にストーリーは単調だが、
 
主役二人のキャラクターがとても魅力的で観る者を最後まで引っ張っていってくれる。
 
俳優の二人が本当に素晴らしいのだと思う。
 
配役を決める人ってすごいんだなと思った。
 
ヴィゴ・モーテンセン演じるトニーなんか、アラゴルンと同一人物だなんて信じられないよ。
 
 
 
厳しい人種差別社会の中でシンプルに人対人になっていくトニーとドンの関係性に感動した。
 
カーネギーホールの上階に住むピアニストのドンは黒人にも白人にもなりきれず宙ぶらりんの孤独の中にいたが、
 
乱暴で大雑把だけど気のいいボディーガードのトニーと少しづつ信頼関係を築いていく。
 
人の暖かさ優しさに包まれるような映画だった。
 
これこそ笑いあり涙ありのヒューマンドラマだと思う。
 
 
 
個人的にはドンが頬の傷を鏡ごしにファンデーションで隠している場面に胸が痛くなった。
 
その後友人に会いに行くトニーを契約内容を変えて引き留めようとするドンと、
 
ドンとの契約を降りるつもりはないと伝えるトニーに涙腺が崩壊。
 
 
 
それからやっぱりケンタッキーフライドチキンの場面は最高だった。
 
客席にも笑い声が響いていた。
 
映画館へは本当ちゃんと面白い映画を観に行こう!
 
次はアニメ『バースデーワンダーランド』とハリウッド版『ゴジラ』を観に行くぞー!
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