歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

引っ越しの準備と朗読と

2020年06月26日 | 日記
大家が知らないうちに土地を売っていた。

どっかで実施された「本当に住みやすい街大賞2020」で上位に入るような街だ。

都市開発とブランディングに忙しい。

どこぞのグループ会社が土地を買い占めて家を建てまくっている。

そこかしこにまだ主のいない新築がひしめきあいアットホーム家族を手招きしている。

この街はいわゆるハイソな方の街で治安もいいし交通の便も整っている。

家賃相場は安くないが、今の家はその中で見つけた穴場スポットだった。

そもそもこの街に住んだ理由は一つだけ、夫の仕事に都合がいいから。

けど、もうそれも潮時かな。

最初はあまりに突然で大家に腹も立てたが、

よくよく考えれば補償もちゃんとしているしむしろありがたい話だったのかもしれない。

ということで引っ越しだ。

新しい街に行こう!



7月1日の引っ越しに備えてちまちま片付けてるんだけど、なんたって我が家は物が多すぎる。

勤勉にえっさほっさ動いているのに一向にまとまらない。

挙句、昨日本格的に腰をやられた。

夫の仕事はコロナの波をもろに受けたけれど、ありがたいことに6月から少しずつ再開している。

そのため完全に一人で引っ越しの準備をしているわけだが、これが気を抜くと陰鬱としてくるのだ。

きだない、ものおおい、やってもやっても終わらない、うう、、、、。

その度にとってつけたように「何事に対しても小さな楽しみを!!」と言い聞かせ楽しくやろうと試みる。



いろいろな楽しみ方の中でもYouTubeで朗読を流すってのがなかなかよかった。

ナレーターや俳優が公式で出してるものがあるのでそれがいい。

以前Audible(オーディブル)という定額制の朗読配信サービスをよく利用していた。

これが想像以上に良くて絵を描くときなど作業中によく流していた。

長いときは12時間ぶっ通しで聴き続けるなんてこともあった。

理解は劣るかもしれないけど、朗読特有の世界には読書とは別の中毒性がある。

一人のナレーターが登場人物の老若男女全員を演じるわけだから不思議なもんだ。

聴きやすいナレーターがいたり、あまり好きじゃないナレーターがいたり、

当たり前だけど人によって盛り上げ方も違うし、

物語によって女性が良かったり男性がよかったりとなかなか奥が深い。

今や大ファンになった貴志祐介との出会いもAudibleで聴いた『青の炎』がはじまりだ。

しかししばらくして料金体系が変わったので解約してしまった。

本を買う方が安いってのが大きかったけれど、やっぱり朗読も同列に語れない良さがある。

そして未練がましく今度はYouTubeで聴いている。

YouTubeは無料だから昔の本ばかりだけど、知識の補完としていい機会だ。

朗読の欠点は話が気になってたまに手元がおろそかになったり部屋を離れられなくなったりすること。



30日は新しい家の掃除やらご近所挨拶やらあるのであと4日。

箱に詰めるだけならいいんだけど、もれなく掃除も付いてくるからね。

やるぞーーー!!

これもめったにない機会なんだから、楽しむぞーーー!!

無理やりが本当になることを願ってる、本当、もう。


あんさんたちも引っ越しでっせ。
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海の幽霊再び

2020年06月20日 | 音楽


映画『海獣の子供』のエンディングテーマで、

私が米津玄師の凄さを心から実感した曲。

あ、この人は本物の才能の持ち主なんだ、って。

もう何十回と聞いたけれど、

夏が近づくとまた聴きたくなるみたい。

『海獣の子供』の映像も相まって、

このMVを観るだけで映画1本観たような感覚になる。
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ジェームズ・ワン祭り『死霊館 エンフィールド事件』『インシディアス』

2020年06月15日 | 映画
立て続きにホラー映画を3本観たのはこの方初めて。

しかも全部ジェームズ・ワン監督作品だ。

先日観た『死霊館』シリーズの続編でイギリスが舞台の『エンフィールド事件』と、

『ソウ』と並んでよく監督の代表作にあげられる『インシディアス』。

これがまた癖の強い映画でした。



以下ネタバレあり。



『死霊館 エンフィールド事件』

監督:ジェームズ・ワン
脚本:チャド・ヘイズ、ケイリー・W・ヘイズ、ジェームズ・ワン、デヴィッド・レスリー・ジョンソン
原案:チャド・ヘイズ、ケイリー・W・ヘイズ、ジェームズ・ワン
製作:ピーター・サフラン、ロブ・コーワン
製作総指:ウォルター・ハマダ、デイヴ・ノイスタッター
出演者:ヴェラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン
音楽:ジョセフ・ビシャラ
公開年:2016



史上最長のポルターガイスト現象とされるエンフィールド事件を題材とした実話。

あらすじ
ロンドン北部に位置するエンフィールドで、4人の子供とシングルマザーの家族は、
正体不明の音やひとりでに動く家具が襲ってくるなど説明のつかない数々の現象に悩まされていた。
助けを求められた心霊研究家のウォーレン夫妻(パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ)は、
一家を苦しめる恐怖の元凶を探るため彼らの家に向かう。
幾多の事件を解決に導いた夫妻ですら、その家の邪悪な闇に危機感を抱き……。
Yahoo!映画より引用)



「ジェームズ・ワン」×「実話」×「ホラー」という方程式も2回目なので前作ほどの衝撃はなかった。

それでも全体的にまとまった質の高い面白い作品だと思う。



恐怖指数はズバリ、前作の『死霊館』より怖かった。

その理由は明確でシスターの姿をした悪魔のビジュアルが怖すぎたから。

あの顔はさすがに怖い。

それでも不思議なもので悪魔だと思うとホッとするこの矛盾。



前作と違うといえば、心霊現象が本物なのか自作自演なのかという世間的なジャッジが強く反映されていたこと。

わかりやすい構図として、標的の家族、彼らを無条件で信じる専門家、否定的な専門家、

それを見極めるためにアメリカから派遣されたウォーレン夫妻という4つの軸で語られる。

ウォーレン夫妻は少しずつ家族と打ち解けていくのだが、

相反して本物の心霊現象である証拠がなかなか見当たらず、ついには自作自演の証拠が出てきてしまう。

それ以上はかばいきることができず、後ろ髪を引かれつつも調査隊は家族の元を離れることに。

その時の家族の心細さを思うともう胸が張り裂けそうで、やっぱり泣いた。

しかしそれは調査隊を退けるための悪魔による自作自演だったのだ。



ってやっぱ悪魔悪魔って連呼するとリアリティが減少するな。

だって私怨ならまだわかるけど悪魔って馴染みがなさすぎる。

海外のホラーが日本人にとってあまり怖くない理由はいくつかあるけれど、

3作連続で見て思ったのは(全部同じ監督だけどね)正体がはっきりしすぎなんだと思う。

ビジュアルもたくさん流れれば慣れてくる。

前述のシスターの姿をした悪魔もクライマックスでは、禍々しい顔が画面に映り続けている。

そうなるともはやモンスターに近くなるので、心の奥底の恐怖心はくすぐられない。

私が怖いのは想像する余地がたくさんある正体不明の湿っぽい静かな存在だ。



でもやはりこの映画はホラーによりすぎずとも、ストーリーがちゃんと立っているので面白い。

実話だと思うから面白いのかもしれないけど。

エンフィールド事件はもっとも信憑性の高い心霊現象としてそちら界隈ではとても有名な事件らしい。

前作と同じく子供の多い一家が異常事態に巻き込まれるのだが今回は父親がいない。

それもあってか母親が子供たちを守る姿が胸を締め付ける。

ウォーレン夫妻の夫エドが家族を楽しませるために子供たちの大好きなエルビスの曲を歌うのだが、

嬉しそうな家族の顔を見てこれまたボロボロ泣いてしまった。

大人の男の人がいるだけでホッとする。

それにしても我ながら涙腺どうなってんのか不思議。



前作に引き続きようござんした。

『死霊館』シリーズはスピンオフ含めあと7作もあるようだけど、この2作が評判がいいらしいのでもういいかな。

また忘れた頃に観るとしよう。





『インシディアス』

監督:ジェームズ・ワン
脚本:リー・ワネル
製作:オーレン・ペリ、スティーヴン・シュナイダー、ジェイソン・ブラム
製作総指揮:ブライアン・カバナー=ジョーンズ
出演者:パトリック・ウィルソン、ローズ・バーン
音楽:ジョセフ・ビシャラ
公開年:2011



とにかくネームバリューがすごい。

監督がジェームズ・ワン、脚本が『ソウ』のリー・ワネル、製作には『パラノーマル・アクディビティ』のオーレン・ペリ。

『パラノーマル・アクディビティ』はすごい話題になっていたのでホラーに疎い私でも知っている、見てないけど。

前2作とは全く別物で完全なるノンフィクション。

あらすじ
ジョシュ(パトリック・ウィルソン)と妻のルネ(ローズ・バーン)は、3人の子どもと一緒に新しい家に移り住む。
彼らは、多少老朽化してはいるものの、広い家で子育てと仕事に専念するはずだった。
だが、引っ越し直後から屋根裏で奇妙な物音が聞こえたり、勝手に物が移動したりする現象が起こり始め、一家は不安に陥る。
Yahoo!映画より引用)



思わずこれはホラーなの?って突っ込みたくなるびっくり箱みたいな映画だった。

恐怖指数はかなり低い、というか全く怖くない。

アメリカのホラーってもしかして怖さはあまり重要視していないのかな(全部同じ監督だけどね)。

大抵悪との対決という明確なクライマックスが待っており、

あくまで人間が悪に打ち勝つということが大事だと言わんばかり。

『シャイニング』とか『時計仕掛けのオレンジ』とか精神に訴えかけてくる映画は確かに怖い、

けどどっちもキューブリック!!

あとアメリカのサイコスリラーは超怖い。



『インシディアス』は恐怖心を煽る音がとにかく大きい。

まずタイトルコールとともにガガーーンギュイーーン!!みたいな不快な音が大音量でなる。

霊など異形が出てくるときもわざとらしいくらい大ボリュームなので、怖さという点においては逆に白ける。



幽体離脱という題材は新鮮だった。

貴志祐介ファンとしてはやはり小説『十三番目の人格 ISOLA』を思い出す。

最後の方は幽体離脱した魂の戦いがメインでもう何が何やら。

戦いの舞台も現実世界とは異なるよくわからない空間でもはやファンタジーだ。

そして最大の敵たる悪魔がまさかのダース・モール!!!

赤い顔に黒い線の入った手足の長いダース・モール!!!

これには思わず笑ってしまった。

調べたら観た人はみんなそう感じるらしい。



怖くないし、ストーリーもなんだか散らかってるけど発想は面白かった。

途中で一回寝ちゃったけどね。



そんなこんなで3作連続ジェームズ・ワンホラー映画鑑賞会はなかなか面白かった。

もうお腹いっぱいなので、しばらくホラーはいいかな。

3作ともそこまで怖くなかったとはいえすっかりホラー脳になっていたのだろうね。

昨日深夜トイレに入ったら水がジャーって流れててかなりびっくりした。

夫はまだ帰ってきてないし誰かがトイレを流したばかりというわけでもなさそう。

えっもしかしてホラー映画ばかり観てなんか寄ってきた?

こういうこと本当にあるんかな、、、、どうしよう用足したいのにこれじゃ困る、、、。

でもやっぱり現実的じゃないので原因を探るとレバーが上がったままだった。

ずっと流れっぱなしだったようだ。

な〜んだと思いつつ少しホッとしたのは言うまでもない。

最大の敵は恐怖心なんでしょうね。
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ホラー映画の新境地?『死霊館』

2020年06月12日 | 映画
面白いホラー映画発見!!

というもののかなり有名な作品らしい。

監督が『ソウ』のジェームズ・ワンというだけで何かやってくれそうと思う人は少なくないはず。

『アクアマン』はなんだったんだという話もあるけど、それは置いておいて。

それに加え関係者が40年以上も語ってこなかった実話が基だというのだから言うことなしだ。

以下ネタバレあり。





『死霊館』

原題:The Conjuring
監督:ジェームズ・ワン
脚本:チャド・ヘイズ、ケイリー・W・ヘイズ
製作:トニー・デローザ=グランド、ピーター・サフラン、ロブ・コーワン
製作総指揮:ウォルター・ハマダ、デイヴ・ノイスタッター
出演者:ヴェラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン
音楽:ジョセフ・ビシャラ
公開年:2013



『死霊館』はチャド・ヘイズとケイリー・W・ヘイズによる映画シリーズ「死霊館シリーズ」の第1作目。

1971年アメリカ・ロードアイランド州、両親と5人の娘たちが古びた一軒家に引っ越してくる。
しかし、毎朝母親の体にあざができ、一定の時間に止まる時計など不気味な怪現象が次々と発生し、娘たちに危害が及んだことから、
一家は心霊学者のウォーレン夫妻(パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ)に解決してほしいと依頼する。
夫妻が現地を調査すると恐るべき歴史が明らかになり、夫妻は館に巣食う邪悪な存在に立ち向かうが……。
Yahoo!映画より引用)



特別ホラー映画が好きなわけじゃない、というよりほとんど見ない。

にもかかわらずたまーに無性に観たくなるのも否めない。

暑くなってきたからかな。

ホラー映画と言ったら最初に思いつくのはやはり『リング』だけど、

日本のホラーは怖くてさすがに一人で見ようなんて思わない。

白装束のTHE幽霊が出てくるだけで心臓が縮み上がる。

比べて海外のホラーは悪魔とか宗教的なものが多いし、

幽霊が出てきても洋服をきた欧米人だからヴィジュアル的にもあまり怖くない。

夫は真の怖がりなのでホラーはからっきし、

ということで前々から気になっていた『死霊館』をいざ一人で鑑賞。

して、これが予想外の新感覚映画で今までとは違うホラーの楽しみ方ができちゃったというわけだ。



ズバリこの映画が怖いのか怖くないのか問われれば、そこまで怖くない!

ホラー映画たるもの、怖さが評価の指標になりがちだけど、

この映画の良さはそこだけにとどまらない。

本当にあった話というところが味噌のなだ。

関係者が頑なに口を閉ざし続けた話ということがね。

つまりこれは実際にそこにいた人々の人間ドラマであり、戦いの物語なのだ。

だから恐怖心だけを煽るタイプの映画とはちょっと違う。



主役のウォーレン夫妻を演じるのは『ゴジラ キングオブモンスターズ』のヴェラ・ファーミガと、

『アクアマン』のパトリック・ウィルソンでこの夫婦がなかなかよかった。

ヴェラ・ファーミガは一度見たら忘れない顔だ。

どことなくケイトブランシェットに似ている。

パトリック・ウィルソンはマネキンみたいにツルツルしていて上品なお顔立ち。

二人とも異質な存在感なので安心感を与えてくれる光としてよく機能していた。

それに比べて助けを求めるペロン夫婦の所帯じみたこと。



心霊学者のウォーレン夫妻の妻ロレインには透視能力があり、

夫エドは悪魔研究家で夫婦といえどできることや見えているものは違う。

妻は人に見えない者が見えるので毎回少しづつ命を削りながら活動している。

この二人に加えて警察官のジョン・ブラザートンとエドの助手が死霊館の洗浄に参加する。



ペロン一家の父親ロジャーを演じるロン・リビングストンはいかにも父ちゃんだし、

魔女バスシーバに取り憑かれる母キャロリンを演じたリリ・テイラーの普通のおばさん感もよかった。

ペロン一家において家族で一番弱い者(母、シンディ)が最初に悪魔に支配されていったり、

末娘だけははじめから幽霊と友達になっていたり、

夢遊病で連れて行かれそうになる子や就寝時に足を引っ張られる子がいるのに対し、

お父さんや長女には何も起こらなかったりと、悪魔の影響力は人によってまちまち。



前半は主にペロン家で起こるポルターガイストが描かれていてホラー要素が強いのに対し、

後半はウォーレン夫妻という心強い助っ人が加わることでミステリーっぽい展開になっていく。

その後半こそが普通のホラー映画と違うところだ。

本当にこういう事件が起きて、解決しようと奮闘した人たちが実際にいたということに胸を打たれる。

苦しいよね!心細いよね!痛いよね!怖いよね!って登場人物に心底共感して涙が出てくるのだ。

拳握ってがんばれっがんばれ!!ってこれ私だけかな。

もう涙が止まらないの。

ホラー映画観て泣いたのなんて初めてだ。

これが私にとっては衝撃体験だった。



今まで観てきたホラー映画が登場人物と一緒に恐怖を味わう体験型だとすれば、

『死霊館』は画面の外から登場人物を見守る応援型ホラーとでもいおうか。

『死霊館』は実話なので鑑賞者は良くも悪くも画面の中に入り込めないが、

その一歩引いた視点によってベースの物語をちゃんと楽しむことができるのだ。

フィクションだったり、クオリティが低かったらきっとこうはならなかった。

満足感の強い面白い映画だった。



一応言っておくと昨日観た『ウインドリバー』でもボロ泣きしたから、

もしかしたら今私がどんな感情も涙に変換してしまう病にかかっているだけかもしれないけど。

『ウインドリバー』も最高だったのでまたいずれ。



神父によれば家を洗浄する際まずいのはペロン一家が無信心で子供達が洗礼を受けていないことらしい。

悪魔だからキリスト教と深く結びついているのはわかるけど、

人間が作ったものに人間の領域外のものが密接に関係するという部分だけはどうも腑に落ちない。

キリスト教も人間が作ったのであれば悪魔もそうか、、、

そこらへんの兼ね合いを深く考えるときりがない、か。

日本でも付喪神って言って人間が作ったものに神様が宿るというしね。



それにしても一番鳥肌が立ったのはエンドロールだよ!

怖い音に合わせて実際のペロン一家とウォーレン一家の写真が流れてきて、

実話だってことをそこで初めて真に実感するからね。

ホラー作品はその作品を楽しむこと以外は深入りしてはいけないと思っている。

だから真実の方は全く調べてないし知るつもりもない。



いやぁようござんした。
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